2021年7月16日 (金)

書店委託終了のお知らせ

本件、本来なら6月末ぐらいに告知しておかなければならないところ、7月も2週間以上放置してしまい申し訳ありませんでした… と先にお詫びしておきます。して本題ですが、表題通り、メロンブックス様のオンライン書店にて委託販売を行っていた「ガランス」(2020年シンステ) および「dnr」(2020年智絵里オンリー/2021年シンステ) の委託を6月度いっぱいで終了させていただきました。過去記事で販売頁にリンクしている箇所が複数存在しますが、いづれも7月1日 (たぶん) をもって死にリンクとなりますのでご承知おき下さい。
いろいろ複合的な要因による判断ですが、「dnr」の方は残部がちょうどいい具合だったので名刺代わりに引き取ってくることにしました。主宰と面識のある・リアルで会える方であれば、何かの機会で会場定価500円にて手渡し可能です。「ガランス」の方は正直あまり売れなかったし、まぁ…。
歌姫など関東圏のアイマスイベはちょいちょい開催されていますが、以前の記事でも言及した通りあの手のイベントは「新刊だろうが既刊だろうが零細が出しても売れない」ので、どうしても二の足を踏んでいる状況です。シンステか、あるいはそれこそコミ・ケぐらいのイベントであれば可能性はあるのですが、後者が死んでいる以上どうしようもありません。WEC富士が二年連続でトンだので、まぁその分の資金で来年また神戸遠征するかなぁという具合。行くとしたら新刊は持っていきたいです。でもまあ現状は不透明というか、なんとも言えませんね。せいぜい来たるべき裁きの日のために描きためておくぐらいか (新刊の構想自体は今年あたまの時点でシンステ向けに既にあって、それを落とした)。

以上、略式ながらご報告となります。

2021年3月14日 (日)

"dnr" ライナーノーツ

もともとぼくは「自分で自作品の解説をする」という行為をどこかダサいと思っている節があって、例えば気のおけないオタク仲間の集まりで話すとか、(2021年3月現在実現してないけど) 金を積まれて解説記事/文章を書いてくれと頼まれたとか、そういう場合以外でぼくが描いた絵の解説…というか説明というか、そういうことはあまりしたくないと思っているんですよね。説明と言っても技巧的な説明、つまり「この描写は何枚のレイヤーをどのモードで重ねて何色を塗ったものだよ、使ったブラシはこのソフトのこれで太さは何pxね」的なことは頼まれればいくらでもするし積極的にする用意もあるけど (そういう講座記事って需要あるか?)、そうじゃなくて絵のバックグラウンドというか、「この絵の元ネタ、インスピレーションはこれこれこんな状況で、この描写は何に対するオマージュ…」みたいなの。正に音楽で言うライナーノーツですよ。あれが苦手。別に他人が語る分には好きにすればいいと思うし、好きな絵だったらそういうのがあれば読みに行くけど、自分でやるとなるとね。

ただ心境の変化というか、昨年ル・マン→今年シンステで出した「dnr」(リンク先はメロブの販売サイト。この記事で興味が出たらぜひ買ってね) という画集、あれは表紙絵だけが描きおろしで、あとは今まで出した本に載せた絵と、描いたけど本には載せなかった絵の集合体、いわゆる総集編というやつでした。もともとサークル「アルファコルセ」三周年の区切りとして出そうと思った本だし、描いてからずいぶん時間が経った絵も多いので、ぼく個人の備忘録みたいな意味でも、大声で喧伝することはしないけど、とりあえず書き留めて置いておくぐらいのことはしておいていいんじゃないかな、と思い始めた次第です。画集のライナーノーツなのでとりあえず文章だけ、本文は念の為というか、絵っていうのは作者の考えの押しつけじゃなくて、見た人がそれぞれの違う「何か」を読みとってくれればいいなぁと思ってるので、格納しておきます。あくまでも「作者は描いてる時こんなこと考えてたよ」程度の、まぁメモ書きみたいな感じで。もしかしたら今後も (総集編に限らず) 本を出すごとにこういうライナーノーツ的な記事は書くかもしれません。書かないかもしれませんが。もう読みたくて読みたくてしょうがないから是非書け、という奇特な方がもしいらっしゃれば、ここのコメント欄なりツイッターなりでコンタクトしてくださいませ。とりあえず前フリとしては以上です。当然ですが、「dnr」を持ってないし買うつもりもないよ、という方にとってはこの記事は何の役にも立ちませんので、その点あしからず…。


 

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2021年3月 4日 (木)

シンデレラステージ9step参戦記

主筆です。表題の通り、21/2.に神戸国際展示場・2号館で開催されたデレマスのオンリーイベント「シンデレラステージ」に参戦し、無事生還しましたのでデブリーフィング記事でも書きます。

東京→神戸は昨年と同じく夜行バス。昨年は東池袋発 (サンシャインビル地下のあそこ) だったのが今年はバスタ新宿発の便で、神戸どころかバスタに行き着くまで若干迷うというインシデントはありましたが、無事乗り場までたどり着き定刻に発車。今回は眠剤も忘れなかったので、まぁ快適とは行きませんでしたが概ね熟睡することはできました。ただバスの座席が前回使ったものより狭く、そこは若干辟易しましたね。

例によって到着地・三宮で道端に放り出されるわけですが、去年は0730着の便だったので時間を持て余し、土地勘の無い場所でウロウロしていたのですが、今年は1時間遅れて0830着。売り子氏との現地での集合時間を0930に設定していた (今年は1130開場に戻ったので、サークル入場時間も早まった) のであまり時間的余裕がなく、とりあえず三宮駅近くのマクドナルドで朝食をとり、ガチガチになった腰を少し休めてからポートライナーで例の人工島へ。そういえば前回道に迷う原因になった「JR三宮→ポートライナー三宮」間の工事はまだやっていたようです。今回は前回と違うルートでポートライナー側に出たので、特に工事にかち合ったり道に迷ったりすることなく乗車でき、この点は幸運でした。日本はどこの街、どこの駅に行っても頭上を見れば大体「○○線の○○駅はこっち」みたいな標識があって便利ですよね。ポートライナーの車窓から例の赤いタワーが見えましたが、思っていたよりずっと背が低く若干拍子抜け。ただ流石に港の街というだけのことはあって、車窓風景の神戸港一帯はなかなかいい眺めでしたね。ゆりかもめも台場付近の東京湾岸を見られる位置取りだけど、景色の綺麗さは神戸が勝っているかも。

さて0930、サークル入場開始時間ぴったりに売り子氏と合流し設営へ。前回設営前からダウンした教訓を鑑みレッドブルの大缶2本・ブラックコーヒー大瓶1本というカフェインジャンキースタイルで臨んだため、例によって15~20分ぐらいでパパパッと設営完了。設営後も売り子氏といろいろ雑談したり、椅子でダウンしていた去年の教訓をしっかり汲み取れていることを実感。
レースは1130~1530の4時間レース・フォーマットに戻されましたが、参加サークル数は疫病の影響を受けてかトータル500前後、欠席チームが目分量で2割か2割半ぐらいいたので実際に出走したチームは350ぐらいかな。去年はそれぞれ800、600だったので (シンステ本来の規模としてはこれぐらい)、ちょっと絵面が寂しい感じが拭えない。智絵里島がひどくて、スペース的には机1列ズラッと確保してあったのに、実際に出走したのはうち含め3チームしかいませんでした (しかも1チーム途中で帰った)。

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アルファコルセ最新鋭設営道具、hpi製1:18 アルファロメオ・155 V6 TI 1993年DTMチャンピオン Nr8 ニコラ・ラリーニ。クソほど場所を取りますが、置いておくと目立つので客引きにはいいし、何より緒方智絵里の象徴「四つ葉のクローバー」のマークがありますからね。その上のアルファロメオ・サウバーF1のモデルカーも智絵里ちゃんマーク目当て。今回は敷布を忘れずに持ってきたぞ。

1130のグリーンフラッグとともに一般参加者が入ってくる。目分量では去年とそんなに勢いは変わらなかったかも (当初ぼくは「去年より少ないかな」と見積もっていましたが、去年もいた売り子氏いわく「同じぐらいだと思う」)? 今回は回りたいサークルがほぼ無かった/欠席していたことで、結果的にチェッカーまで自ピットに張り付くことになり、なんとなくですが売れ方の趨勢みたいなものは掴めました。今回はなんといっても前半と後半の落差がすごかったですね。一般もチームも、4時間レースの前半2時間 (1330ぐらいまで) はわりあい盛況で、その時間をすぎるとクロパトキン将軍の軍勢がごとく一斉に撤収! と。前述の途中で帰っちゃった智絵里サークルもこれぐらいの時間帯にいなくなっていた記憶。新刊交換でもしたかったのですが、ちょうどぼくがお手洗いに立った間に帰られちゃったんですよねぇ…。悔しい。実際にぼくの記録した売上表を見ても、売上は前半に集中していて、1400以降は何も売れていません。1530付近の会場のスカスカさ加減といったら、もう涙がちょちょ切れんばかりの寂しさでしたな。
とまれ売上自体はそんなに悪くはなくて、やはり「準」新刊 (関西で出したことがない) なので比較的多くの人に手にとっていただき、また購入していただきました。総じて事前予想よりも売上はあったかな (事前予想がちょっと悲観的すぎただけかもしれませんが)。準新刊1種、既刊2種を持ち込んで、うち既刊1種が完売できたので、まぁ及第点以上のリザルトではあるでしょう。昨年ル・マンの智絵里オンリーよりはずっとマシな数字で、やはりシンステは腐っても (?) シンステなのだなぁ。
終了間際に運営の方がスペースに来て、「今日はどうだった」みたいなことをちょっと話したのですが、動員数の数字で言えば前回と今回でそんなに差はなかったらしいです。チーム数が減ったことで一般参加者の行動パターンが変わって、それに引きずられてチームもレース途中での撤退を選ぶケースが増えたのかな、などと思ったり。

去年と違って終了後にグロッギーになって死ぬようなこともなかったので、PS4コンを探す売り子氏に案内されて、モデルカー通販購入でよくお世話になっているJoshin (上新電機) の実店舗を見に行くことに。ヨドバシは関西にもあるけどJoshinは関東には無いんですよね。ただモデルカー類の品揃えはやはり大阪方面の店舗が強いようで、今回行った店舗はそこまで豊富なラインナップ、って感じでもありませんでした (ここで大珍品とか置いてあっても予算の都合で買えなかったんだけどね)。ちなみにPS4コンはこのJoshinには売っておらず涙をのむ。

参戦記事で書いた通り、考慮の結果今回の新刊に充当するはずだった印刷代で新幹線のチケットを買ってあったので、16時ぐらいに売り子氏と別れて、地下鉄で新神戸駅→新幹線で東京の帰投ルートへ。時間の融通が効くように自由席のチケットにしたのですが (どうせオフシーズンなので誰も乗ってないだろ、という予測の元)、駅弁を買ったり何だりで1700ぐらい発車の便になる。誰もいねぇかと思いきや自由席は4割ぐらい埋まっており少々意外な感じ (23/2が天長節のお休みだったので、有休で連休を作って遠出する人とかいたんだろうかね)。お茶を飲みつつ、暮れなずむ車窓風景を見ながら「お嬢様特急*」のED曲を流したりして雰囲気に浸っていました。そうしたら1時間ぐらい寝落ち。車内で夕食ということで買ってあった駅弁と、車販の有名なカチコチアイス (個体差なのか、ぼくが買ったやつはそんなにガチガチでもなかった。しばらく放置しておいたからか?) を食す。アイスはともかく弁当は美味とまでは行かない感じだったけど、まぁこういうのは旅情代ですからね旅情代。二階建て客車も食堂車も消えてしまったいま、車内で食う駅弁だけが新幹線に残った唯一の「風情」というわけよ。臨時に新幹線を召喚した去年と違って、最初からちゃんと帰投計画まで立てて臨んだので、日が変わるずっと前に領事館 (自宅) 着。もうちょっと早い便の新幹線でもよかったかも。

アルファコルセ2回目の関西遠征でしたが、やはり初回と比較すると「事前の計画立案の重要性」を嫌というほど思い知らされましたね。「夜行バスで神戸入り→当日早めの新幹線で帰投」という日帰りルートは、設営道具ほか大荷物を抱えて移動しなければいけないぼくにとっては最適解のような気がします。せっかく神戸くんだりまで行ったんだからちょっとは観光して来いよ、なんて言われそうですが、現実問題パンパンのリュックにキャリーケースをガラガラ言わせながら神戸名所を巡るのは体力的にも無理がありますね。予算をつぎ込んで泊まりプランを立てない限り永遠に「シンステ参戦」と「神戸見物」の両立はできない気がします。そもそもぼくはあんまり観光目的で遠くに旅行に行くタイプの人間じゃないですからね…。

さて、以前も書きましたが、今回出した刊行物のうち「dnr」と「ガランス」はメロンブックスのオンラインショップにて購入することもできます。前回智絵里オンリー、また今回シンステに参戦できなかった方で、「欲しい」という方はぜひご利用ください。残念ながらオリジナルポストカード・名刺は現地購入特典となりますが…。そういや今回は前回みたいに「メロンの担当者さんが現場で待機していて、売れ残りをすぐ委託分として引き取ってくれる」サーヴィスは無かったような気がするな。どのみち今回は新規頒布物が無いので利用する予定はありませんでしたが。

最後になりましたが、2年連続で売り子ほか様々な任務 (案内など) を引き受けてくださった「きんざん」氏に、サークル「アルファコルセ」を代表して最大限の謝意を捧げます。氏なくして今回の遠征成功はあり得なかったでしょう。本当にどうもありがとうございました。

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*お嬢様特急: 「おじょうさまエクスプレス」と読む。初代PSで出ていたギャル・ゲ。もともとはラブライブ! 同様、電撃G'sマガジンのゲームブック風誌上連載企画からスタートしたもので、稚内から「夢の崎」(枕崎がモデル?) まで日本を縦断する豪華超特急・「ヴェガ」に乗って旅をする主人公が、同じく「ヴェガ」に乗り込んでくる女の子を攻略するスタイルのゲムー。ゲーム中で出てくる「ヴェガ」の外観が、白地に青帯の新幹線っぽい見た目をしている。

2021年2月10日 (水)

シンデレラステージ9参戦予告&お詫び

主筆です。単刀直入で行きますが、新年の記事で書いた通り、2月21日 (日) に神戸・三宮、神戸国際展示場2号館で開催される「シンデレラステージ 9step」に参戦します。そして、すでにTwitterの方で告知を行いましたが、当初シンステに向けて準備していた新刊を落としました (落とす決断を下しました)。理由もツイートの通りですが、1月すぎから心身の不調で思うように絵が描けない状況が続いたことで、かかる状態下で良い本は作れないという政治的? 判断からです。副次的な理由としては、疫病蔓延によりシンステも一般来場者の減少が見込まれることから、満を持して新刊を出すタイミングではないと判断した (前回のCuFesの凄絶な戦況が尾を引いてますね…)、というのもありますが、これは本当に枝葉末節というかオマケみたいな理由付けで、一番の理由は前述の通り「描きたいタイミングで・描きたいものを・描きたい分量だけ、描けなかった」ということに尽きます。まぁ絵描きも人間なので気分とかで描ける日・描けない日、筆が乗る・乗らないみたいなのはありますが、今回のはちょっと深刻です。鬱状態なのかなぁ。一応本の体裁 (判型・テーマ性とか)、収録作の方向性みたいなものは1月までにはほぼ決っていて、あとは実際にそれに沿って絵を一冊分描くだけ、という工程までは行っていたのですがね…。企画途中でボツとかじゃなくて、コンセプトを決めて準備してあった新刊を落とすのは何気にアルファコルセ始まって以来初の出来事なので、身から出た錆だけど今になって結構精神的なダメージが来ています。浮いた印刷代で帰りの新幹線に課金するか…。

イベント自体はエントリーフィーも払っちゃったし参戦します。前回の智絵里オンリー、去年のル・マン当日のアレですね、あそこで出した既刊の在庫がそこそこ、それ以前分の在庫がほんの少しあるので、それ+新規絵のポストカードを持っていくつもりでいます。智絵里オンリーの本はメロンブックスのオンラインにも委託してあるのですが、関西圏のイベント (というか初出イベント以降) で実物を出すのは初めてなので、そこはまぁ、持っていく意味みたいなものはあるのかな、と思います。総集編なのでボリュームもあるし。

てなわけで当日のお品書きは以下の通りです。先述の通りアルファコルセとして新刊が一冊も並ばないレースは初めてで、悔しいですが今回は仕方ないと割り切るしかないですね。何もかもが500円の明朗会計です。
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サークル番号は「日-11」、場所は上記画像の通りです (神戸国際展示場・2号館)。開催時間は11:30~15:30の4時間レース・フォーマットに戻りました。また疫病対策についてですが、参加チーム向けガイド (pdf) に記載の通り、「兵庫県新型コロナ追跡システムへの登録」「LivePocketによる電子チケットの取得 (チーム側は無料のようです)」が全チームスタッフに義務付けられました。また、一般参加者もLivePocketのシステムにより電子チケットの購入をもって入場券とする措置 (来場者数把握のため、とのこと) がとられましたので、リンク先の頁から一般参加者向けのチケットを購入して入場するシステムとなります。一般1,000円ならまぁ、歌姫のカタログ (歌姫の一般はあれが入場券代わり) と同じだし、これぐらいの規模のレースでは相場通りといった感じかな。コミ・ケが1日500円でしたからね。同時に公開された一般参加レギュレーションも合わせてご一読ください。

シンステ後の予定ですが、まったく未定です。以前の記事で言及した通りコミ・ケはしばらく出る見通しが立っていないし、今回落とした新刊をもしかしたら今年のどこか (歌姫とかかなぁ) で出すかもしれませんが、そこらへんは現状の大スランプの状態からいつ立ち直れるかにもよるし、何とも言えないですね。もしかしたら「今回のシンステで取り下げた新刊を次回のシンステで出す」ことになるかも…? 次回でシンステ自体が10回目という節目のレースなので、まだだいぶ先の話ではありますが参戦したいところです。生々しい話をすると、歌姫は特に蒲田でやる回はまぁ~人が来ない=本が売れないので、正直そこまでして出たいかっていうとそうでもないんですがね…。ただコミ・ケに出ない、歌姫etcにも出ないとなると、完全に本を売るイベントに出ない状態になってしまうので、そうなったらしばらく通販専業か、本は出さずにPixivとかの方面に専念する状況かなぁ。現在のぼくの知名度・評価で「完全新刊をネットで出す」ことをして売れるのか、っていうと微妙なところですし。

それでは、関西圏在住の方々・どっかから遠征してくる方々含め、当日会場でお会いしましょう。うちの智絵里本をどうぞよろしく。綺麗な画集なので買っていってね! (自賛)

2021年1月 1日 (金)

2021年いっぱつめ

主筆です。新年に向けての抱負とかそういうのは昨日あらかた書いちゃった気がするので、この記事は簡単に済ませようかと思います。
とりあえず、あけましておめでとうございます。今季のモータースポーツ・シーズンは1月末にデイトナ24時間レース (LMP2クラスにR.T.ネーデルラントやユーラシア×RWR、チェティラーR.など遠征組が多く見どころ)、F1シーズンも暫定的に3月開幕、ル・マンも予定では6月開催ということになっており、昨年ほどの混乱は無いと願いたいです。WECはフォーミュラーEのような年をまたぐスタイルのシーズンを昨年の変則スケジュールの影響もあって廃止し、またコストカットの一環としてイギリス (EU離脱の影響で通関・輸送の手間が増えるためと言われている)、中国などのラウンドが落とされ、年間6戦のコンパクトなスケジュールになりました。新顔としてモンヅァでのレースが追加され、また9月末と少し早い時期になりましたが日本・富士スピードウェイでのラウンドも維持されています。今年こそは開催できるといいなぁ。イギリスは似たような理由でGTWC (旧BES/BSS) もラウンド落とされて、当地のレースファンは大激怒でしょうな…。
同人活動としては、述べたとおり2月のシンステ9に参戦が決定しておりますが、そこから先は白紙です。もしかしたらどこかで歌姫庭園とかにスポット参戦するかもしれませんが、アルファコルセの大きな軸であったコミ・ケが混乱状態にある以上、ある程度あちらが落ち着くまでコミ・ケへの参戦は望めない状況であり、まぁチームとしては片手落ちみたいな状態がしばらく続くかもしれません。レーシング・チームと違って「レースが開催されないと死ぬ」ようなものではないのがせめてもの救いか。
昨日書いた「開かれたコミ・ケ」の話をちょっと補足すると、うちのチームは「アイマス系のオンリー (歌姫とか) は智絵里のイラスト本、コミ・ケでは車ネタと智絵里を絡めたキテレツな本」という棲み分けを行っていて、後者の場合コミ・ケみたいな余程大きなイベントでないと採算が取れないという現実的な事情があります (前者もまぁ売れないっちゃ売れないのだが…)。以前作った962C合同とかCLM合同みたいなのがコミ・ケ専用車? ということになるわけですが、ああいうキテレツなネタはコミ・ケのカオスな空間で売ってこそのものだと思うし、買う方も「うちのチームのファン (いるのか?)」というよりは「一見さん」「会場でたまたま本を見つけた車好き、レース好きのアイマスP」の方が多いと感じるんですよね。なので、いま現在のコミ・ケのように一般の入場者数を大きく制限するとなると、そういう「一見さん市場」がごっそりなくなっちゃうから、更に採算が取れなくなっちゃう。なので参戦したいけどできない…てなわけです。

今年も多分コロナ風邪がらみの馬鹿騒ぎ (マスクめんどくせえ…) はまだ続くと思われますが、本当にマジで去年よりはマシな一年になるといいですね。今年も絵を描くぞ。

2021年1月1日
主筆

2020年12月31日 (木)

2020総括など

主筆です。みなさんご存知かと思いますが (そういえばこのブログで告知してなかったな)、2020年冬のコミックマーケットも「2021年5月への延期開催」という形で消し飛んだので、こうして大晦日にブログを書いていられるわけですね。
コロナ風邪で世の中上を下への大騒ぎ、ああ馬鹿らしい、といった感じの一年でしたが、F1はじめ各種モーター・レーシングもなんだかんだメジャーなレースは開催でき、また同人活動でもアルファコルセは今季2レース (シンステ、智絵里オンリー) を走れたので、なんというか結果オーライではないけど、7割回収ぐらいはできたのかな。
F1はもうハミルトンの嵐で書くことがないですね。フェラーリの不振をネタに笑うぐらいしかネタがない。とりあえずハミルトンが人種問題をF1に持ち込んでFIAにアホみたいな虹色を掲示するキャンペーンをやらせたのは一生恨むからな。あれでレーシング・ポイントのロゴがどんだけダサくなったと思ってるんだボケナス。ただまぁシーズン的には結構見どころもあって、ガスリーがモンヅァで初優勝/ペレスがバーレーンで初優勝、ラッセルのベンツ代打、ホンダ撤退発表 (もうホンダ関連製品は買わん)、フェラーリエンジン勢のギャグみたいな大不振などなど。とりあえずホンダがあんな無責任で能無しな会社だとは思ってなかったです。ガスリーに恨みは無いけどSATのモデルカーなんか絶対買ってやらん。
スポーツカー・レースは、これまたコロナ風邪の関係でル・マン24時間が1969年以来の9月開催となり (69年大会はフランスの学生運動で国内情勢が混迷を極めていたことが原因だった)、また史上初の無観客開催 (今年は無観客のレースが多かったですねぇ) となりました。日本人にとっては印象深いスポーツカーの一台であるトヨタ・TS050最後のル・マン、Nr7は土曜深夜のターボ・トラブルで4位に沈み、最後の最後で3位を拾う情けないレースでしたが、その代わりにNr8が三連覇。よかったね。IMSAは開幕戦・デイトナ24時間だけコロナ風邪の流行前だったので通常通り開催され、一時はマツダが勝てる位置につけましたが、結局ウェイン・テイラーのキャデラックが驚異的としか言いようのないペースで優勝を攫っていきました。そのウェイン・テイラーも来季は活動を終了するペンスキーに代わりアキュラ陣営です。2021年デイトナは、DPi時代がはじまった2017年以来続いているキャデラックの連覇が止まる可能性が極めて高いと言えるでしょう。
一方で、来季WECから導入予定のLMハイパーカー規定が、IMSA側のカウンターパートであるLMDhへのポルシェ/アウディ参戦で導入前から窮地に立たされ、さらにアストンマーティンのワークス・チームがまずハイパーカーの参戦予定を無期限延期 (実質取り消し。この件はコロナ以前)、さらに12月にはWEC・GTE Proクラス からのワークス・チーム撤退を発表。またBMWも半世紀以上にわたってパートナーとして活動してきたシュニッツァー・MSを切り捨てるなど、全体的に「自動車メーカーの無責任極まりない行動」が目立った一年でした。アストンマーティンのGTE Proワークス・チームは2012年のWEC開闢からずっと参戦を続けてきたチームだけに、界隈に与えたショックも大きいでしょうに…。

アルファコルセの同人活動は、今年のコミ・ケが2回とも中止に終ったにも関わらず、前述の通り2レースに参戦し、また2レースとも新刊を用意できたので、「最大限やれることはやった (智絵里オンリーは全然本が売れなかったけど)」と言えるでしょう。
現状コミックマーケットが一般参加者の入場数のさらなる規制に踏み切ったことで、これまでのような「開かれたコミ・ケ」とならないことにより、チームとしての活動意義をそこに見いだせないことから、アルファコルセはいわゆる「開かれたコミ・ケ」が再開されるまで、コミックマーケットへの参戦は見送ることになるでしょう。コミ・ケ用に新刊のアイディアも用意してあったのですがね…。
次のコミ・ケ参戦がいつになるかは分りませんが、新刊の用意や経済的・時間的事情が許す限り、2021年も同人活動そのものは継続していきます。具体的には各種ジャンルオンリーのイベント、うちのチームの場合はアイマス・デレマス系のイベントですね。その第一弾として、2021年2月に神戸で開催が予定されているシンステ9への参戦をすでに決定しており、当該レースにて新車を投入するべく動いております。もうすこし詳細が固まり次第、Twitterやこちらのブログにて詳報をお届けできると思います。

例年以上にさまざまな出来事に翻弄され続けた一年でしたが、2021年に何か一つでも「よかった」と思えることがあるとよいですね。それでは読者の皆さん、良いお年を。

2020年12月31日
主筆

2020年10月12日 (月)

CuFes03参戦後記/ル・マンとか

この記事書こうとモタモタしてたらもう10月ですか。とりあえずブログで宣伝していたCuFes03/第3回智絵里オンリーは無事終了し、その後のル・マン24時間レースもネット観戦で無事リアルタイム観戦できたので、イベントのあとがきでも書いておきますかね。

会場の横浜・マリネリアは18年の智絵里オンリーの時に一度来ているはずなのですが、さすがに2年も経つと会場の内装すらすっかり忘れてしまい、加えて2年前は売り子氏の車で現地入りしたので駅からの順路がまったく分らないという初っ端からけわしい事態になりました。しかし日本大通り駅に着いてみると、明らかに「これはアイマスの即売会に行く格好だろう」という感じの人 (バッグとかTシャツとかがアイマス関連) を何人か見かけ感激。彼らのあとについていって、無事に会場までたどり着けました。駅からは徒歩で5分もしなかったぐらいの距離感で、道順も簡単だったので次は大丈夫でしょう。

会場にて今回の売り子氏と合流し、設営も恙無く完了してあとは一般参加者を待つばかり。今回はシンステのような殺人的なスケジュールでの移動や重労働はなかったので、開催時間を通して比較的元気でいられましたが、サークル主が元気でも世間が元気じゃないので、如何せん開幕しても来場者が少ない。シンステとかに比べると規模は大きくないのである程度人が減るのは自然なのですが、それにしても (智絵里オンリーの会場がちょっと端の方だったからなのか?) ピークタイムみたいなのがなくて、会場は終始ガラガラ…よりはちょっと人がいたかな、でもやっぱり体感できるぐらい来場者は少なかったです。そうなると当然われらがアルファコルセを訪れる参加者もなかなかいないわけで、今回みごと売上冊数のワースト記録を更新するに至りました (これまでのワーストである17年6月の歌姫は本が1種類だけで、今回は3種類並べていたので、心理的ダメージは今回が上?)。開催時間が短縮されていたというのはファクターとして計算に入れる必要があるかもしれないですが、それにしても凹みましたねぇ…。売れないにしても、内容が受けなくて売れない以前にひたすら「人が来ない」ので、もはやぼくにはどうしようもないわけです。いやまぁぼくの宣伝力とかそういうのが間接的には影響してるのでしょうが。

さて、イベントが終ると当然手元には在庫の山が残るわけですが、今回会場に来ていたメロンブックスの営業? さんのお手を拝借することができ、その場で在庫を書店委託扱いにして預けて帰ることができました (次のイベントに備えて手元にも多少残しましたが)。実はシンステのときも同じことができたので、ありがたく利用させていただいたのですが、こういう小規模なイベントにもちゃんと網を張っているのは流石というか。担当者さんとの話の中では出てこなかったので、おそらくメロンの実店舗には並ばないと思われますが、通販でアルファコルセの新刊が購入できるというのはサークル史上に残る革命的な出来事です。今回の新刊「dnr」、またシンステの新刊「ガランス」がそれぞれ通販サイトで購入できますので、イベントに行きそびれたけど欲しいという方はぜひ上記のリンクからポチってくださいな。この「イベント会場に同人誌ショップが直接乗り込んで書店委託を承ってくれる」システム、なんというかGT3/GT4やTCRみたいなカスタマー・レーシング・プログラムで、レース日にメーカーのパーツを満載したトラックがサーキットに乗り込んでチームにスペアパーツを売る構図と似ているように思いますがどうでしょう。

その後のル・マンですが、今年は1968年以来の9月開催、そして大会史上初の無観客試合 (史上唯一であって欲しい!) ということで一種異様な雰囲気の中でのレースでしたね。さすが3年目にもなるとレベリオンは手強いというか、最後にセカンドカーのNr3がクラッチトラブルを起こして順位を落としましたが、それ以外は二台ともほぼノーミス、ノートラブルで走りきって2位・4位 (前述のトラブルまでは2位・3位) という、チームにとってはベストに近い成績でした。逆にトヨタは予選まで調子の良かったNr7が土曜深夜に排気管の溶接部が割れてタービンごと交換する大トラブルを起こして脱落、さらに日曜早朝にコース上の異物を踏んでフロアにダメージを受け追撃しようにもペースが上がらないという始末で、最後のNr3レベリオンのトラブルのおかげでどうにか3位にぶら下がったという情けないリザルト。P1-Hがトヨタ1強になってからのTS050は滅多に壊れない印象だったのになぁ…。しかしこれでNr8トヨタが三連勝、うちブエミと中嶋はドライバーとしてもル・マン三連勝という記録に名を連ねることに。「同一カーナンバーのル・マン三連勝」って例があったっけ? 今度調べて追記しておきます。
[追記: "同一カーナンバーでのル・マン三連勝" は過去に例のない、史上初の出来事でした (二連勝までは何例かある)。地味な記録達成したなぁトヨタ…]
CLMは今回もリタイヤ (土曜深夜に走行中リヤウィングが突如外れてクラッシュ、自走でピットに戻って修復を試みたがその後リタイヤ。LMPカーで、走行風で外側に負圧を受けるエンジンカバーやドア窓がロックピンごと吹っ飛ぶ例はたまにありますが、リヤウィングが脱落するのは前代未聞。おぉい品質管理って知ってるかぁ) という結末で、このためCLMは「完走記録が無いコンストラクターとしての最多参戦記録」をル・マン史上トップの「6」としました。いや5ならランボルギーニとかの例があるからまだ「トップタイ」で収まってたんですがね。6回ル・マンやって6回リタイヤとは、やはりコレスの日頃の行いのせいなのか。やつらはLMハイパーカー規定下でも参戦を継続する気満々なようなので、この先この記録がどうなるか見ものですな。
疫病の影響でポルシェの北米組とGMコルベットという目玉チームが欠場したGTE Proですが、2017年以来の優勝をアストンマーティンが果たしました (しかも17年と同じNr97)。LMP2の優勝がNr22ユナイテッド・オートスポーツ・オレカ、GTE Amの優勝がNr90 TFスポーツ・アストンだったので、LMP1以外3カテゴリがすべてイギリス・チームの優勝という、なかなか面白い結果になりましたね。ユナイテッドは厳密には英米連合チームですが、国籍の登記はイギリス側です。

例によって終りどころが見当たらないのでこの辺にしておきます。プライベートが少々不安定な情勢になってきて、次のイベントも予定では21年2月のシンステに出るはずなのですが、ちょっと参戦の可能性が微妙になってきました。その次に (これも予定止まりですが) 5月のコミックマーケットがあって、こっちは出るかどうかちょっと不透明です。エントリーだけ出しておいて、何か新しいものを作れれば出るかな…ぐらいの感覚ですね。最悪グッズだけ、ということになるかもしれませんし、そもそもコミ・ケは開催自体がまだ不透明な部分がありますが…。CuFesで本を買ってくれた皆さん、並びに手にとってくれた皆さん、そして売り子を務めてくれたこや (@583_mk3) 氏、どうもありがとうございました。

2020年9月11日 (金)

CuFes03・新刊etc.

以前の記事で言及しましたが、このたび横浜で開催されるデレマスオンリーイベント「Cute Star Festiv@l」内、緒方智絵里オンリーイベント「Clover Fields Merry」にて発売予定の新刊の書影、および当日のお品書きが完成しましたのでアップします。

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今回の新刊は前々から出そうと思っていた「アルファコルセ3周年記念総集編イラスト集」で、過去正方形サイズの本に収める形で描いてきた智絵里の絵を、A4フルサイズでドドンとお見せしよう! というコンセプトの本です (A4ピッタリに納めるためにイラストの一部を切り取らざるを得なかった絵が多かったですね…そのへんはなるべくバランス良く見えるよう調整を重ねました)。本当は見開きサイズの描きおろしを一枚ぐらい用意したかったのですが、時間の都合でギヴアップ。いちおう未収録作品というか、描いたけど今までの本には入れなかった絵は何枚か収録しています。表紙絵もそうですね。
タイトルの「dnr」は「do not resuscitate」の意味で、和訳は「蘇生措置拒否」のようですが、患者側が延命措置を拒否する場合だけでなく、医療側が「もうこれ以上手がつけられない」と判断した患者に対して、「次に重篤な状況に陥っても蘇生措置はしない」という意味で使うこともあるようです (トリアージの黒タグみたいなものですね。昔なにかの本で読んだだけの記憶なので要確認)。

お品書きには表記していませんが、どれを買ってもポストカードはお付けします。イベント概要、会場などは過去記事をご参照ください。疫病の影響により本イベントも短縮開催で、開催時間は12:00-15:00の3時間レースとなります。

現時点では以上です。当日はどうぞアルファコルセをよろしく。

2020年9月 4日 (金)

茫洋 ~リジェ・ニッサンDPi~

二〇一四年、アメリカのスポーツカー・レース界はおおきな変革を迎えた。それまでドン・パノスにより運営され、ヨーロッパ式の本格的なスポーツカー・レースをアメリカで行っていたALMS (アメリカン・ル・マン・シリーズ) と、独自のレギュレーション運用でプライベーター中心に広く門戸を開いていたロレックス・スポーツカー・シリーズ (いわゆるGrand-Amシリーズ) が合併し、かつてキャメルGTシリーズ (いわゆるIMSA GTP) を運営していたIMSAのもと、新たにUSCC (ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ) としてシリーズ開催されることになったのである。ALMSはセブリング十二時間レースとプチ・ル・マンを、Grand-Amはデイトナ二十四時間レースとワトキンス・グレン六時間レースを、それぞれシリーズの花形レースとして持っており、二者が合併したUSCCはまさにアメリカを代表するスポーツカー・レース・シリーズとして今日まで続いている。

USCCのレギュレーションは、当初トップクラスはひとくくりに「P (プロトタイプ)」クラスとされ、Grand-AmのDP (デイトナ・プロトタイプ) 車とALMSのFIA/ACO LMP2車が混走していた。二〇一七年に、レギュレーションが旧式化してきたDPにかわり、IMSAがPクラス用に導入したのがDPi (DP・インターナショナル) という全く新しい車両規則であった。DPi車は二〇一七年に規則が大改訂されたFIA/ACO LMP2車をベースとし、約600馬力に調整された自動車メーカー製のオリジナル・エンジンを搭載し、また外観も自動車メーカーごとの意匠に合わせて改造をくわえるというもので、従来のLMP2車とも性能調整を行い混走するというものであった。二〇一七年のLMP2規則ではLMP2車を製作するのはオレカ (仏)、リジェ (仏)、ダラーラ (伊)、ライリー/マルチマチック (加) の四社ときめられていたため、DPiのベース車輌も自動的にこの四社のうちいずれかということになった。二〇一七年開幕前の時点で、キャデラックがダラーラ・シャシーを、マツダがライリー/MM・シャシーをそれぞれ選択していたが、いずれもエンジン、シャシー意匠ともにメーカーが直接関与しての製作であり、この点はIMSAの思惑通りとなった。

一方で、前年・二〇一六年までPクラスでLMP2車のリジェ・JS P2/ホンダを運用していたスコット・シャープ率いるESM (エクストリーム・スピード・モータースポーツ) は、メーカーの支援を受けないプライベート・ベンチャーとしてDPi車を製作することを決めた。ベースとされたのはリジェ・JS P217 LMP2で、エンジンはニッサン製のGT3カー用のものが選択された。ここで重要なのは、ニッサンはあくまでも北米法人が社名の使用権とエンジンの提供を行っただけであり、ESMのレース活動に本質的には関わっていなかったということである。またニッサンはそうするつもりもなかった。ニッサンはすでに二〇一五年のル・マンに参戦したニスモGT-R LMプロジェクトで甚大な痛手を被っており、ふたたびスポーツカー・レースにメーカーとして復帰する意図はさらさら無かったのである。このことは、当初ニッサン側がIMSAに提出したDPi車の意匠スケッチがあまりにもベースとなるLMP2車と似ており、見かねたIMSAが改善案として出したデザイン (ニッサン・GT-Rの多角形グリルをイメージしていた) がそのまま採用されたというエピソードによく現れている。


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スパークモデル製1:43スケールモデル、二〇一八年セブリング十二時間レースで優勝した、シャシーナンバー0R05-03のESM・リジェ・ニッサンDPiである。品番は43SE18。二〇一六年から、スパークモデルが製品化するセブリング十二時間レースの優勝車輌は特別デザインの紙箱が奢られるようになった。

ESMは二〇一〇年にハイクロフト・レーシングから独立した元インディーカー・ドライバーのスコット・シャープが立ち上げたチームで、創設以来一貫してエド・ブラウンのテキーラ・パトロン社のスポンサードを受けていた。結果的にESMがリジェ・ニッサンDPiを運用した最後の年となった二〇一八年の車も、テキーラ・パトロンのイメージカラーである緑と黒に塗られ、同社製品の瓶が車体に描かれている。

二〇一七年開幕時点で三社が出揃った (翌二〇一八年にアキュラ・オレカが参入し四社になった) DPiの中で、唯一メーカーのバックアップを受けていなかったESMのプロジェクトは、はじまりから多大な苦難に見舞われた。主な問題はエンジンで、前述の通り彼らはニッサン・GT-R GT3用のVR38DETT型3.8L・V6ターボ・エンジンを搭載することを選んだが、このエンジンはスポーツカー用ではなかったため重心が高く、LMP2のシャシーに載せると運動性能を著しく損なうことが判明した。DPi車の中では他にキャデラックが市販車用エンジンを搭載していたが、彼らはエンジンに改造を施し、スポーツカーへの搭載に最適化された仕様でレースをしていた。マツダに至っては、イギリスのエンジン・メーカーであるAER社が高度な改造を施した2L・直列4気筒エンジンを搭載しており、ほとんどレーシング・エンジンのようなものだった。さらにESMは、ノンターボ・エンジンを前提に設計されたリジェ・JS P217のタイトなシャシーに、3.8Lという大型のターボ・エンジンに必要な冷却器をいかに配置し、また冷却するかということにも悩まされた。彼らの唯一の慰めは、ニッサン・エンジンが性能調整を受けてもなお他よりすぐれたパワーを発生し、6.2L自然吸気エンジンのキャデラック・DPiとも互角に渡り合えるとされたことくらいだった。


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側面から見た造形はおおむねベース車輌のリジェ・JS P217に準じる。リジェ・JS P217は二〇一八年にアップデートを受け、フロントフェンダー前端部の形状が傾斜したものから垂直に近いものに変わっているが、DPi車でもこの変更は反映されている。この車はプライベーターによる製作であったためか正式な名称というものは定まっておらず、一般的には「リジェ・ニッサンDPi」と呼ばれるが、リジェ・ブランドを保有しているオンローク・オートモーティヴの名をとって「オンローク・ニッサンDPi」とも呼ばれ、製品の台座にもそう表記されている。

二〇一七年のIMSAシーズンはキャデラックDPiが蹂躙し、開幕戦・デイトナ二十四時間レースを含め七連勝を記録しシーズンを圧倒するかと思われたが、その連勝を止めたのは、意外なことにプライベーターであるESM・リジェであった。第九戦・ロードアメリカ二時間四十分レース (第八、十戦はGTカーのクラスのみでの開催) で、ピポ・デラーニ/ヨハネス・ヴァン・オーヴァーベークの22号車が優勝したのである。その後第十一戦・ラグナセカ二時間四十分レースではスピリット・オブ・デイトナ・レーシングのリジェ・JS P217がこの年LMP2車唯一の勝利を挙げたのち、シリーズ最終戦・プチ・ル・マン/ロードアトランタ十時間レースでは、二台体制のもう一方である2号車がスコット・シャープ、ライアン・ディエル、ブレンドン・ハートレイの操縦で二勝目を挙げた。この年はほかに2号車の予選第一位が一回、二位が一回、三位が二回あり、プライベート・ベンチャーの一年目としては、二勝・二位一回という結果はじゅうぶん喜ぶべきものであった。

明けて二〇一八年、ESM・リジェは開幕戦・デイトナでは良いところがなかったが、第二戦・セブリング十二時間レースでデラーニ、オーヴァーベーク、ニコラ・ラピエールの22号車が逆転優勝を果たし、リジェ・ニッサンの三勝目を挙げた。ESMは車の相性が良かった同年ラグナセカでも22号車が勝利し、勝利数を四に伸ばしたが、それ以外のレースではかろうじて完走するか、よい時でも入賞圏内外をうろうろするばかりであった。この年はアメリカの名門チームであるペンスキーがホンダの北米ブランドであるアキュラと組んでDPi車を製作し、フル・ワークス体制でPクラスに参戦してきたため競争が激化し、またオレカ・シャシーを使用するLMP2勢も力をつけてきたため、前年のようにDPi車がシーズンを壟断できる状況ではなくなりつつあった。そんな中で、基本的な性能で劣るリジェ・ニッサンDPiは苦戦を強いられたのである。

さらにシーズン中盤から、ESMには不穏な噂がつきまとうようになった。チーム創設時からメイン・スポンサーを務めていたテキーラ・パトロン社が、経営に専念するためスポンサーを降りるというものであり、じっさい同社社長のエド・ブラウンはこれを理由に二〇一七年いっぱいでドライバーをやめていた。果たして噂は現実のものとなり、スコット・シャープはシーズン終了後も後継のスポンサー探しに奔走したが、ついにメイン・スポンサーは見つからず、ESMはこの年をもって解散してしまったのである。ESMが所有していたリジェ・ニッサンDPiのシャシーやエンジン、機材一式は売りに出されたが、これを取得し二〇一九年にリジェ・ニッサンDPiを走らせることになったのは、二〇一八年にオレカ07・LMP2でシリーズ・チャンピオンを争ったCOREオートスポーツであった。


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フロントノーズ上面に取り付けられた、大型の整流パネルが目を引くフロント部分。三枚の平面で構成されたパネルと、その下の空気取入口を模したグリルによって、ニッサン・GT-R風のフロントマスクを再現している。ヘッドライトはベース車輌のリジェ・JS P217が円形のLEDを用いたのに対し、リジェ・ニッサンDPiでは矩形のLEDパネルを使用している。


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ベース車輌であるリジェ・JS P217と。外観以外での主な相違点は車両後半部に集中している。たとえばリジェ・ニッサンDPiはターボチャージャー用の中間冷却器を設置するため、側面 (車体の黒色の部分) にそのための空気取入口を開けており、LMP2車でこの位置にあったリヤブレーキ冷却用ダクトはリヤフェンダーの前端に移設された。このほか、(写真では見えないが) リヤデッキ天面に中間冷却器からの排熱用にルーバー状の排熱口が切ってある。内部の写真を見るとリジェ・ニッサンDPiはエンジン用ラジエーターとターボチャージャー用の中間冷却器が前後に重ねて配置されており、冷却・排熱の面ではかなり苦労したであろうことが推測できる。


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ESMの手を離れ、COREオートスポーツに渡ったリジェ・ニッサンDPiは、二〇一九年の開幕戦・デイトナ二十四時間レースで四位に入った。このレースは終盤の豪雨で二時間近い赤旗中断が入り、レース残り十分と少々というところで中断状態のままレース成立が宣言されるという大荒れのレースだったが、結果的にこの四位がCOREオートスポーツのシーズン最高位となった。続くセブリング十二時間レースでは五位だったが、これがこのシーズンの最大瞬間風速で、それ以降は第七戦・モスポートパーク二時間四十分レースで予選第一位のタイムを記録した以外、まったく精彩を欠くレースしかできなかったのである。この年はDPiが独立クラスとしてLMP2と区別され、DPi車のみがトップ・クラスとなるよう規則改編があったが、DPiクラスでの競争は前年にも増して激しいものになり、ESMよりも小規模なプライベート・チームであったCOREオートスポーツにとっては、もはやチャンピオン争いどころかレースごとの優勝争いすらおぼつかなくなっていた。そしてCOREオートスポーツは二〇一九年シーズンをもってIMSAから撤退し、それと同時にリジェ・ニッサンDPiもサーキットから静かに消えていった。

リジェ・ニッサンDPiは少なくとも二台が製作されたが、正確な製作台数については不明である。おそらく二台であると推測される。

シャシーナンバー0R05-02のリジェ・ニッサンDPiは、ESMから二〇一七年のデイトナ二十四時間レースで実戦デビューし、同年IMSAシリーズにフル参戦した。ロングビーチ一〇〇分レースで二位、モスポート/ロードアメリカの各二時間四十分レースで三位、最終戦プチ・ル・マンでは優勝を果たしている。二〇一八年も引き続きESMの手によりIMSAにフル参戦し、同年ロングビーチ一〇〇分レースで二位に入っている。
二〇一九年の動向は不明だが、おそらくESMの資産が売却された際、COREオートスポーツにスペア・シャシーとして渡ったのではないかと考えられる。

シャシーナンバー0R05-03のリジェ・ニッサンDPiは、同じくESMから二〇一七年のIMSAにフル参戦し、ロードアメリカ二時間四十分レースで優勝している。二〇一八年にはセブリング十二時間レース、ラグナセカ二時間四十分レースでそれぞれ優勝を果たした。
二〇一九年にはCOREオートスポーツのレースカーとして使用され、同年開幕戦・デイトナ二十四時間レースで四位に入ったのが同年の最高位であった。

最後に、アメリカのレース・ジャーナリストであるマーシャル・プルエットと、リジェ・ニッサンDPiの最終年にこの車を運用したCOREオートスポーツのエンジニアによる、シーズン終了後の対談を収録する。非常に長いため格納するが、この車がいかにして戦い、いかなる理由で勝利から遠ざかったのかを知るにはよい一次資料であるため訳出した。細かな部分できき逃しや誤訳が存在するかもしれないが、大まかな意味合いは通じるはずである。


 

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2020年8月23日 (日)

イベント参加のお知らせ [追記]

なんと4ヶ月ぶりの更新ですが、とりあえず生きてはいます。手っ取り早く本題に移りますが、かねてから参加を表明していた同人イベント「Cute Star Festiv@l」が、昨今の嫌な情勢のおかげで19/9. (土) に延期となってしまいました。その日の夜からル・マン24時間レースなのに (18年の時といい、智絵里オンリーイベは何でこうル・マンやらN24やらに被るんだ…)! とはいえ参加費も払っちゃったし、ここで情勢に負けて撤退するのも癪なので参加の方向は変わりません。まぁレース時間そのものに被ってないだけまだマシか。

出す本は、この7月でサークル「アルファコルセ」がなんと3周年を迎えるということで、いままで描いて本にした緒方智絵里イラストの総集編を予定しています。まだDTPとか全然作業に入ってないので、表紙もお見せできない状態 (実は本のタイトルすら決ってないのだ) ですが、イベント自体がリスケのおかげでサークル配置がリセットされちゃって自分がどこに配置されたか分らないというレベルなので、大丈夫でしょう (?)。時期的にそろそろ編集作業を始めようかという段階ではあります。

では皆さん、願わくば当日のイベント会場でお会いしましょう。会場は横浜産貿ホール「マリネリア」、アクセスなどはリンク先の公式サイトをご参照ください。

30/8.追記: サークルスペースが発表されておりました。「アルファコルセ」の新ピットはスペース [オ-05] となります。会場配置図は以下の通り。入り口から入ってかなり左奥の部分です。当日はどうぞよしなに。

Pit

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