2012年5月15日 (火)

スペインGP レビュー

二〇一二年のF1シーズンは、四戦した時点で四つのちがったチームからそれぞれ四人のドライバーが優勝するという、まったく先の読めない幕開けとなった。このようなことはじつに二〇〇三年以来のことで、それでなくても去年のシーズンで単調なレース展開にあきあきしていた観客はこれをよろこんだ。勝負の行方がまったくわからず、したがって理論上はどこの誰にでも優勝するチャンスがあったからである。すでに第二戦のマレーシア・グランプリで、開幕前の予想では「とても優勝はできない」とされていたフェラーリのフェルナンド・アロンソが乱戦を制して優勝しており、また第三戦の中国グランプリではメルセデス・チームのニコ・ロスベルグが、「タイヤに厳しい」というマシンの不利を覆して、初優勝を飾っていた。こんなシーズンはひさしぶりだった。

開幕四戦が過ぎ、F1がヨーロッパ大陸に戻ってくると、チームのスタッフやドライバーはみな一息ついてリラックスした気分になった。不慣れな土地や気候やまったく新しい車の心配をすることなく、ちゃんとした土地にあるちゃんとしたサーキットでレースができるからである。車のほうもここ数戦で必要な熟成作業はすべてすんでいたが、レースに先だってイタリアのムジェッロというところでおこなわれたテスト走行の結果をうけて、新パーツを投入しているチームもあった。金曜日の練習走行では、午前中にフェラーリのフェルナンド・アロンソが最速タイムを出して地元の観客をよろこばせたが、午後になるとマクラーレンのジェンソン・バトンにトップタイムを奪われて、六番手にまで落ちてしまった。スペインはいうまでもなくアロンソの地元で、パドックのひとびとは、彼は地元の観客にいいところを見せようとして、午前中は特別にがんばったのだろうと思った。

土曜日の予選になると、グランプリにおける勢力図はいよいよはっきりしてきたかのように見えた。午前中の練習走行ではレッドブル・ルノーのセバスチャン・ベッテルがトップ・タイムを記録したが、予選になるとマクラーレン・メルセデスの二台が飛び出していき、特にルイス・ハミルトンが第一段階から他をまったくよせつけないようなスピードで走り、スタンドを沸かせた。しかし、第一段階も終わろうかというところになって、ウィリアムズ・ルノーのパストール・マルドナドが僅差でトップ・タイムを記録していったのであった。そして彼は第二段階でもまったく同じことをしてのけたのである。第二段階でタイムが伸び悩み、結果としてトップテンに進出できなかったマクラーレン・メルセデスのバトンやレッドブル・ルノーのマーク・ウェバー、フェラーリのフェリペ・マッサとは対照的だった。ウィリアムズは誰もが尊敬する歴史を持つ名門チームのひとつだったが、去年は一年間で選手権ポイントをたったの五ポイントしか獲得できておらず、今シーズンへの期待も低かった。それだけに、マルドナドのとつぜんの活躍は意外な伏兵の出現として受け止められたが、彼が数時間後によもやポール・ポジションから優勝しようなどと考えたものはそう多くなかった。ウィリアムズ・チームの車は、まだ単純な速さにおいて上位数チームと互角に戦うだけの実力を伴っていないというのが大方の見解であったからだ。それに、マクラーレンに乗るルイス・ハミルトンの車は、マルドナド以上にうまく仕上がっているように見えた。それを証明するかのように、第三段階になってハミルトンは他車を0.5秒ちかく引き離すタイムで、ポール・ポジションの男となったのである。マルドナドは最後のアタックでアロンソを百分の一秒ほど追い抜いて第二位であった。

しかし、その日の午後になって、ハミルトンは予選タイムを抹消されてしまい、最後尾の二十四位からスタートする破目になった。彼は第三段階で車を軽くするためにギリギリの燃料だけを積み、予選終了後にガス欠になってコース上に止まってしまった。しかし予選に参加した車はセッション終了後に競技委員にたいして1リッター分の燃料サンプルを提出することになっていて、ハミルトンはそれができなかったのでペナルティを下されたのであった。これで彼が優勝する機会は事実上なくなり、レースはかわってポール・ポジションにつけたマルドナドと、そのすぐうしろのアロンソの間だけで争われることになりそうであった。

はたして、日曜日のレースになると、アロンソがスタンドを埋める母国の大観衆の目前ですばらしいダッシュを決め、マルドナドのインサイドに並びかけた。マルドナドもインへ寄せて妨害したが、彼もクラッシュでレースを終えたくは無かったので、必要以上にブロックすることをしなかった。二台はアロンソが前を行き、マルドナドが隊列を引き連れて後を追うかたちで、第一コーナーへ飛び込んでいった。しかし観客の目には彼らの車はいまにも接触しそうな距離で駆け抜けていったように映り、彼らは口ぐちに自分たちがたったいま目にしたことを興奮した面持ちで語り合った。しかしアロンソはすでに危なげなくトップをひた走っていて、マルドナドは一周目を終えたところではやくも一秒以上の差をつけられていた。彼はまず、スタートで飛び出してそのまま逃げ切るという、最初の勝負に失敗したのである。

二台のうしろでは、入賞圏内外のポジションをめぐってはやくも乱戦の様相を呈しはじめていた。ロータス・ルノーのキミ・ライコネンにロメイン・グロージャンを筆頭に、メルセデス・チームのロスベルグやレッドブルのベッテル、最後尾からめざましい追い上げで入賞圏内までなんとか這い上がってきたハミルトンに、調子が上向いてきたサウバー・チームの小林可夢偉、さらにはうしろのほうで機をうかがうフォース・インディアのニコ・ヒュルケンバーグにポール・ディ・レスタもいた。しかし誰もアロンソのペースには追いつけなかった。マルドナドはタイヤをいたわるために、あえてペースを大きくあげることをしないで、アロンソのペースにつきあって2秒ほど後方を走っていた。ピレリ製のF1用タイヤは耐久性にとぼしく、すこしでもプッシュしすぎるととたんに戦闘力をうしなってしまうので、ペース配分には特に慎重になる必要があった。

中盤になって、各車が二回目のタイヤ交換のためにちらほらとピットに入りはじめた。はやくピットに飛び込んだのはマルドナドのほうだった。二十四周目のことであった。これでキミ・ライコネンがかわりに二位になったが、彼もそのうちタイヤを交換しにピットへ入らなければならないことはわかっていたので、マルドナドはあわてなかった。彼にはアロンソにはないあたらしいタイヤがあり、もし作戦がうまくいけばアロンソがピットインした隙をついて彼の前に出ることができるのであった。そして二十六周目にアロンソがピットインした。フェラーリのメカニックが四輪を交換し、アロンソがピット・ロードへ向かって加速を開始したとき、マルドナドはピット前のストレートを駆けおりて、誰よりもはやく第一コーナーへ飛び込まんとするところだった。彼は見事、ポジションを逆転してみせたのである。

レースの終盤になって、いったんは引き下がったかに見えたアロンソがふたたびスパートしはじめた。彼はほぼ一周に一秒前後のペースで追い上げていき、レースが残り十一周となった五十五周目にはその差は一秒を切った。まったく機械のような正確さだった。しかしアロンソは第一セクターと第二セクターでは速かったが、第三セクターではマルドナドにわずかだがおくれをとっていて、その上最終コーナーのあとには長いストレートが待っていた。そこでどうしてもマルドナドに離されてしまうのである。しかしアロンソはあきらめずに追いかけ続けた。マルドナドの前にははやくも周回遅れの車が姿を見せはじめていて、マルドナドがこれを捌いていくにはタイムロスは不可避であったのである。あとになって考えてみると、このときがアロンソにとって前に出るただ一度のチャンスであった。

ところが、そのアロンソのペースが残り七周となった五十九周目から目に見えて落ちはじめ、六十一周目にはマルドナドとの差は二秒ちかくにまで開いてしまった。どうしてもっと追いかけないんだろうとみんな不思議に思ったが、アロンソにはアロンソの事情があった。マルドナドに追いつこうとして無理なハイペースでの走行を続けたために、リアタイヤが駄目になってしまったのである。その上うしろからは、虎の子のニュータイヤを最後の最後になって投入し、これまた烈しいペースで追うライコネンが、一周につき1.5秒というおそろしいペースで迫っていた。それでもアロンソはあきらめずに追い続けたが、六十三周目になってあきらめた。前の車との差はいまや3秒以上になっていた。スペインの観客が地元の英雄の凱旋を目にする機会はこの瞬間に失われたのである。

マルドナドは最後の数周をまったく危なげない走りでクリアすると、六十六周目のコントロール・ラインにまっさきに姿をあらわした。彼は右手を高々と掲げ、ベネズエラ人としてはじめて、F1グランプリで優勝したドライバーとなった。チームにとってもこの勝利は特別であった。二〇〇四年ブラジル・グランプリでフアン・パブロ・モントーヤがあげた一勝以来、じつに八年ぶりの勝ち星だったのである。くしくも、八年前のその勝利もフェラーリをうち破って得たものであった。二位にはアロンソが、三位にはライコネンが入った。ライコネンのレース・ペースもすばらしく、レースがもう一周あれば確実にアロンソをしとめて二位になれていたところだった。マルドナドは表彰台上ではじめて流れるベネズエラ国歌をきき、その後壇上でふたりに担ぎ上げられてはしゃぎまわっていた。最後尾からスタートしたハミルトンは、途中四位まで追い上げる局面もあったが、結局八位でレースを終えた。思えばマルドナドは、当初から持参金だけで契約したペイ・ドライバーとそしりを受け、その不安定なドライビング・スタイルとチームの不調のせいで優勝候補の隅にものぼらない名前だったのである。それでも彼はF1のすぐ下のカテゴリであるGP2のチャンピオンで、こんどの優勝はウィリアムズ・チームの完全復活を意味するばかりでなく、彼自身に対するそうした正しくない評価を洗い落とすに足るものだった。デビュー二年目になって、パドックにマルドナドの実力に対して疑問をさしはさむ人間はいなくなったのである。

2012年4月13日 (金)

海老沢泰久 「F2グランプリ」

今回の記事では小説作品を取り扱うが、内容の核心にかんする記述を多く含むことが不可避であるため、本の結末を先に知りたくない読者は閲覧を控えることをつよく勧める。



プロスポーツネタというのは、一般的に小説よりはノンフィクションに向いている題材だと思う。最近とんとフィクションを読まないのでその辺の確証がないのだが、どうもサッカーやテニスといったプロスポーツを題材にした小説をあまり見ない。アマチュアを扱った作品、たとえばしがない社会人5人組がフットサルチームをつくる話だとか、そういったものはこの限りではないのだが、プロスポーツとなるとどうも「現実世界」で話が完結してしまって、虚構が入り込む余地がなかなかないからだろうか。サッカー、テニスといったメジャーなスポーツでこれなのだから、ましてやカーレースのようなあまり万人受けしないようなジャンルともなれば、何をかいわんや、である。

RIMG0179ところが、この「カーレース小説」というのを、まだ日本にF1ブームが到来するはるか前、1981年の時点で著していた人物がいる。ぼくが尊敬してやまないノンフィクションライター兼小説家、海老沢泰久氏だ。写真左の赤い表紙の本がそれで、「F2グランプリ」と題されている。読んで字のごとく、全日本F2選手権のチャンピオン争いをテーマに据えたフィクション作品だ。当時日本ではF1グランプリはまだ開催されておらず、F1のひとつ下のカテゴリであるF2が事実上の国内レース最高峰であった。3リッターのエンジンを使うF1に対して、F2は一段下の2リッター・エンジンの使用が義務付けられており、パワーも当時のF1カーの500馬力以上に対して300馬力前後と、かなり控えめであった。このF2のレースのシリーズ最終戦が鈴鹿サーキットで開催され、三人のチャンピオン候補たちが優勝目指して闘うという、まあ王道といえるストーリーである。本の裏表紙の文を以下に抜粋する。

「一周6キロのコースを時速300キロの猛スピードで走るF2マシン。鈴鹿サーキットの3万人の観衆がどよめいた。優勝候補は三連覇を狙う佐々木、対抗馬の井本、ルーキーの中野。F2グランプリを制するのは誰か。栄光のチャンピオンを目指して疾走するドライバーたちの熱き闘いを描くカーレース小説の会心作。」


現在のF1・日本グランプリの観客数が十万人以上とされているから、三万人というのは非常にさみしい数字であるというのが伺える。ようするにこの佐々木、井本、中野の三人が、10月に行われた全日本F2選手権最終戦・JAF鈴鹿F2グランプリ(作中では出走十八台とされている)でチャンピオン・タイトルをかけてぶつかり合う、ただそれだけの話である。しかし「ただそれだけ」で終わらないのがこの本の醍醐味。海老沢氏の文筆のうまさと相まって、カーレースのことをよく知らないという人でも、一冊の娯楽小説としてまずまず楽しめる本に仕上げられている。その一方で、すでにこの時代のカーレース界における「世相」を知り尽くしたマニアな読者にも、ちゃんとお楽しみは用意されている。というのは、この物語の中で描かれている多くのイベントや関係者などは、すべて実在の出来事・人物をもとに描写されているからなのだ。以下、物語の核心に踏み込んでゆくことをもう一度ことわった上で、そのあたりについて書いていきたいと思う。

まず、優勝候補の最右翼とされている佐々木宏二というドライバー。彼は過去2年、連続してF2チャンピオンになっており、このシーズンも鈴鹿ラウンドに入るまでにだれよりも多く選手権ポイントを獲得し、前人未到の三連覇に王手をかけて鈴鹿に勇躍、乗り込んできたという設定だ。いっぽう、対抗馬の井本豊なるドライバーは、"優勝こそしていなかったが四戦のうち三度にわたって二位を占め、名実ともに佐々木宏二を脅かす一番手のドライバーと考えられていた"という。この佐々木と井本は、ともに同じ人物がモデルと考えられる。物語の時間軸を1980年と置くと、この人物のモデルが、当時すでに「日本最速」の称号を得ていた星野一義であろうことは想像に難くない。レースをよく知っている人なら、これにくわえて高原敬武の名前をあげる人もあるだろう。後述するが、佐々木のほうは悪役に徹する印象がつよく、その創作の度合いは比較的高いと見てよさそうだ。井本のほうがわりあい忠実に星野の人となりを再現しているのではなかろうか。このふたりが、"関係者のあいだでは、優勝候補として、はやくから(中略)名前があげられていた"ということである。

そして、ある意味で本書の主人公である、中野英明というドライバー。この年からF2レースにデビューしたばかりのルーキーで、まだこれといった戦績をあげてはいなかったが、このレースからデモン自動車という自動車会社が製作したV型6気筒エンジンを搭載して走ることになったため、優勝候補の一角にあげられたのである。勘のいい読者ならお分かりかと思うが、この「中野英明」こそ、後年日本のレース界で星野一義をも上回る速さを見せつけ、のちに日本人初のF1レギュラードライバーとなる中嶋悟がモデルなのだ。このデモン自動車も、モデルはむろん現役時代から中嶋とのつながりがあった、ホンダ自動車である。その戦歴も、"過去において世界のF1グランプリとF2の両方のレースを制した、唯一の日本製エンジン"であり、"一九六五年のメキシコ・F1グランプリと六七年のイタリア・F1グランプリ"で優勝し、"六六年のF2レースで…ヨーロッパにおける主要な十四のレースで十二勝したのである"とある。史実でも、ホンダは上に挙げたふたつのF1グランプリレースでみごと優勝し、また1966年にはジャック・ブラバムと組んで欧州のF2を席巻した歴史を持つ。また、1968年にいったんレース活動から手を引いたのち、まず2リッターのF2用V6エンジンで復帰するのも史実どおりだ。ただ、史実では、ホンダのF2用エンジンが日本のサーキットに姿をあらわすのは1981年なのだが、物語の時間軸においてはマーチ社製・802型シャシーが「最新式」とされており、1980年のできごとを描写していることがわかる。このあたりはまあ、物語に必要な架空要素と見ることができるであろう。中嶋悟と彼をめぐる当時の国内レース界の動向は、海老沢氏が後年になってまとめた「F1走る魂」という本(上写真右)に詳細に記述されている。そういった意味で、「F2グランプリ」と対を成す存在といえる同書は、1987年シーズンにチーム・ロータスからF1デビューした中嶋悟の半生記と、すでにF1チャンピオン・エンジンとなっていたホンダのエンジニアたちの一年の戦いぶりを記すものだが、史料価値も高く、スポーツ・ノンフィクションの名手である海老沢氏の面目躍如といったところだ。

さて、レースの話である。物語では、佐々木宏二はすでにこの年から独立してみずからのチームで参戦しており、それに伴って井本がブリザード・レーシング内でのファーストドライバーの地位を手に入れている。もともと彼は佐々木宏二のセカンド・ドライバーとして同チームからF2デビューしたという設定だが、これは当初、星野一義のナンバー2ドライバーとして名門ヒーローズ・レーシングよりデビューした中嶋悟の状況に通ずるものがある。もっとも、史実では中嶋はすぐにはヒーローズ・レーシングのエースにはならず、79年にI&Iレーシングというところへ移籍している(ホンダエンジンを獲得し、最初に走らせたのも同チームであった)。ブリザード・レーシングの監督である島田実という男は「大会社の御曹司」であり、資金面はひじょうに安定していることをうかがわせる描写があるのだが、これも史実におけるヒーローズ監督の田中弘(ハンドマイクなどを製造する会社「ユニペックス」の御曹司であった)に共通する点である。ふたりとも、最新式のマーチ・802に、BMW製の2リッター・直列4気筒エンジンを積んだマシンで走っているのに対し、中野が所属するローレル・レーシングは、旧式マシンのラルト・RT2を使用せざるを得ない。ばかりか、このレースでワークス・スペックのホンダ・・・もとい、デモンV6を獲得するまで、このチームは1レースに使えるBMWエンジンが一基しかなかったのだ。これは、史実において中嶋が79年から82年までを過ごしたI&Iレーシング結成当初の様相に似通っている。また、ローレル・レーシングの監督である藤巻健太郎は、往年の名ドライバーという設定が付与されている。これも、I&Iレーシング創設者であり、日本のカーレース黎明期に大活躍した生沢徹氏を模しているとみて間違いないだろう。

佐々木宏二は、作中では明確な悪役として描写されている。悪役という言い方があたらないなら、「冷徹」とでも言おうか。彼は自他ともに認める日本一速いドライバーであり、みずからの実力に絶対の自信を持っている。物語の冒頭で、彼はデグナーカーブでレコードラインをふさぎ、ラインをあけてくれる前提で全速力で飛び込んできた中野英明をクラッシュさせている。あからさまに押し出したりしてはいない辺り、この男の老獪さを垣間見ることができるのだが、上手いドライバーなら同様の状況におちいっても、なんとかステアリング操作で回避できそうな気がしなくもない。1982年のF1ベルギーグランプリの予選中にジル・ヴィルニューブがスロー走行中のヨッヘン・マスに接触し、命を落とした事故がひとびとを震撼して以来、「パスされる側(スロー走行中のクルマ)は無闇な進路変更を行ってはならない」という不文律が出来上がったのだが、それは少しあとの話になる。とまれ、もし佐々木が、中野は若さゆえに無傷で回避していくのは不可能であると踏んでこの動きに出たとしたら、そうとうな策士である。また、物語の中ではこの年の四月におこなわれた開幕戦のレースで、佐々木・井本、そして彼らと並ぶトップドライバーであった宇佐美典義の三台が接触し、宇佐美が死亡する事故が発生しているのだが、佐々木はみずからのドライビングに責任の一端があることを自覚しつつまるで何事もなかったかのように振る舞い、あまつさえつぎのレースでは優勝している。いっぽうの井本はその後、かなり長い間事故の記憶にさいなまれることとなったが、史実において日本のF2選手権でこの時期に死亡事故が発生した記録はなく、この出来事は架空のものといえる。井本はほかにも、レース前になると過度の緊張から蕁麻疹を発症したり、朝から何も食べることができなくなるといった描写があるが、これはまさしく星野一義の現役時代のエピソードである。星野はコース上ではすばらしいスピードで走り、コース外でも熱血漢としてよく知られ愛された人物であったが、他人が考えるよりはるかに繊細だった。

ところで、上のほうで「最新式のマーチ802シャシー」の話が出てきたが、この辺りに本書における考証ミスを垣間見ることができる。ローレル・レーシングは金がないせいで旧式化したラルト・RT2シャシーを使っているくだりだが、本文中にこんな記述を見ることができる。

「・・・そのために、まずもっとも安定しているイギリスのマーチ・エンジニアリング社製の最新型マシンであるマーチ802が買えなかった。彼は(中略)ラルトRT2を買った。これはマーチ社の旧型マシン、マーチ792に対抗するためにつくられたラルト社のマシンで、802に対してはすでにRT4がつくられていた。彼は中古のシャシーを買ったのである。・・・」

著述畑出身の作者らしい、いかにも説明口調な文体だ、という意見はさておき、史実においても、確かにラルト社がRT2シャシーでこの時代のF2レースに参戦していた事実が存在する。しかしラルト社のタイプ・ナンバー総覧を見ていくと、RT2以下RT3がF3用、RT4はフォーミュラー・アトランティックという、北米でおこなわれる1800ccエンジンを使ったジュニア・フォーミュラーのレース用につくられていて、RT2のつぎのF2用マシンはホンダ・エンジン搭載を最初から考えて設計され、1981年にデビューしたRH6となっている。また、RT2はコンパクトなBMW製直列4気筒エンジンの搭載を念頭において設計されたシャシーであり、横方向のサイズが大きいV型エンジンを搭載するには、かなり大掛かりな改造をほどこす必要が出てくる。おそらくフレームから改造することになるだろうが、作中では貧乏チームとして描かれているローレル・レーシングにそんな財力はないだろう。考証ミスでないとしたら、おそらく「RH6」のHが「ホンダ」の頭文字をしめすものであり、あくまで「フィクション」という立場を貫く本作にとって不都合と作者が判断したのではあるまいか。

脇役陣もそうとう「いいキャラ」がそろっているのだが、こちらも史実由来の人物が大挙して登場する。原島三郎というレーサーがおり、彼はこの鈴鹿グランプリを最後に現役を引退することを考えていた。チームの資金は不足し、車両は2年落ちのマーチ782という底辺ドライバーである。しかし原島にも得意な時期はあった。

「原島三郎は日本のレースだけでは飽き足らず、スタードライバーを失うことを怖れた当時の関係者たちの説得を振り切って、六年前にヨーロッパに渡った。そしてフランスに住み、ヨーロッパのF3レースにフルエントリーしてヨーロッパ各地を転戦した。彼はヨーロッパでも通用するドライバーであることを、行ってすぐに証明してみせた。第三戦目であっさり優勝してしまったのだ。ヨーロッパに渡った日本人ドライバーは過去に何人もいたが、わずか三戦目で優勝するなどという派手なことをやってのけたのは彼がはじめてだった。(中略)その成績からすれば、一年か二年のうちにF2をとびこえて、どこかのF1チームにスカウトされるのは確実と思われた。」

結局、原島はF1へは行けずじまいで終った。彼の資金援助をおこなっていた父の不動産会社が倒産したため日本へ戻り、その後「最初の二レースか三レースはまともなレースをしてみせたが、あとは酒びたりになった。そして切れ味のいいドライビングを忘れてしまった。彼が忘れなかったのは、ワインの味とフランス煙草だけだった」という、哀しいドライバーだ。作中、彼が雑誌で「アラン・ジョーンズがF1チャンピオンになったと書いてあった」記事を読んだくだりがある(このことからも、物語の時間軸が1980年末であることがわかる)。彼は同席していた井本、中野、ジャーナリストの村上に向かってこう言い放つ。「昔は(ジョーンズも)たいしたドライバーじゃなかったんだがな。どうってことないやつだったんだ」。原島はヨーロッパでF3を戦っていたころのジョーンズのライバルであり、勝ち星を争う関係だった。ジョーンズはその後F1へ進出し、史実でもサウジアラビア航空からふんだんな資金援助を受けたウィリアムズ・チームでF1チャンピオンとなっている。いっぽうの原島は、このレースを最後にカーレースの世界から足を洗う決意を固めていた。「人間には潮時ってものがあるからな」。そして当日、原島はレースなかばで多重クラッシュの餌食となり、マーシャル・ポストを直撃し、そこにいたひとりのマーシャルもろとも命を落とす。現世の哀愁、才能だけではどうにもならない天運といったものを書ききった名シーンだと思う。史実において、同時期にヨーロッパでF3を戦った日本人としては桑島正美(その後、1976年の富士F1グランプリで少し走っている)や生沢徹、風戸裕(1973年に事故死)などがいるが、資金難で日本へ帰ったという描写から、モデルとして近いのは桑島であると判断できる。ただ桑島はその後も1980年に足を踏み入れるまで日本で現役生活を続けており、現在も存命中である。

もうひとりの脇役として、特定の個人ではないが「チャンピオン・タイヤ」というタイヤ会社があげられる。物語中、優勝候補の三台の中で唯一、中野だけがチャンピオン製ラジアルタイヤを装着して出走することになったのだが(メーカー自体は三人ともチャンピオンを使っている)、このチャンピオン社の主任、永井信夫が、クラッシュによってセッティングの時間がなくなり途方にくれるローレルの藤巻監督(この二人は旧知の仲であることが描写や対話からうかがい知れる)に、一台だけバイアスタイヤに替えてラジアルタイヤをつけるようすすめるシーンがある。史実では、全日本F2選手権で最初にラジアルタイヤが使用されたのは1980年シーズンで、中嶋悟のクルマがブリジストン社製レーシング・ラジアルを装着して出走している。このことからチャンピオン社はブリジストンをモデルとした設定であることがわかるが、作中ではチャンピオン・タイヤがすぐれた性能によってほぼ寡占状態を築き上げているのに対し、史実ではこの時期の全日本F2はブリジストン・ダンロップ・アドバン(横浜タイヤ)三社によるすさまじいタイヤ競争のまっただなかにあり、したがって史実における永井信夫のポジションにいた人間は、とてものんきに「F1オールジャパンチーム」の夢なんぞ見ていられなかったはずである。作中で、デモン・エンジンを獲得した藤巻が、友人であるデモン・モーターランド(鈴鹿サーキットの所有団体。史実では「ホンダ・モビリティランド」として知られる)支配人の有田に、デモンのF1用ターボ・エンジンを搭載し、チャンピオン・タイヤを履き、ドライバーは中野英明とするオールジャパンF1チームの構想を打ち明けているのだ。この本が書かれたのは81年末であり、当時F1でターボ・エンジンを使っていたのはルノー公団とフェラーリ、そしてハートだけだったから、かなり気が早い考えだが、逆に言えば著者の恐るべき先見性を代弁する描写でもある。あるいは、サーキットに足しげく取材を重ねていた著者のことだから、もしかしたらホンダのスタッフか誰かから、すでにF1用ターボ・エンジンの開発がはじまっていることをそっと耳打ちされていたかもしれない。藤巻は「うまくいけば三年後ぐらいに」と言っていたが、ホンダがF1エンジンをつくってデビューさせたのが1983年だからかなりいい所を突いている。中嶋悟がその後、ロータス・ホンダからF1デビューを果たしたことで、日本人ドライバーが日本製エンジンでF1を戦う構図が出来上がったが、日本製タイヤのF1挑戦はそれからさらに十年後、1997年のブリジストン・タイヤを待つことになる。実際の意味でオールジャパン・チームがF1に登場したのはじつに物語から20年後の2006年。中嶋よりひとまわり若い世代である往年のF1ドライバー、鈴木亜久里氏が立ち上げた、日本人ドライバー(佐藤琢磨)、日本製エンジン(ホンダ)、日本製タイヤ(BS)の「スーパーアグリ・F1チーム」がそれである。おそらく著者も感慨を禁じえなかったであろう。

本作においても、著者の独特な乾いた文体は健在である。彼の仕事ぶりを間近で長く見ていたホンダF1総監督、桜井淑敏氏のことばを借りるなら、「艶がある」ということになる。「…あるレベルに達した精神的エネルギーを余さず拾い上げ、そうでないものは悉く切り捨てる海老沢氏の判断方法は、結果としてゆるぎない真実のみを残す。こうして残った真実の持つ強さは、彼の人生に対して、また表現することに対しても、比類のない確かさをもたらしているのである。あえて短絡的な善悪の判断を避けて真実を並べることにより、(中略)そしてエネルギーレベルを厳格にそろえることによって、確かさと気高い香りが脈々と流れているのである。"文は人なり"という言葉は、海老沢氏においてもっともよくあてはまると僕は思う」(本書解説より)。真実を淡々と著述してゆくことにかけては右に出るものはないと思われる海老沢氏だが、残念なことに2009年夏、病を得て亡くなった。冷たくも鋭く響く「海老沢節」はもう聴こえない。かえすがえすも口惜しいが、最後にぼくが「F2グランプリ」の中でいちばん気に入っている台詞を引用したいと思う。作中、デモン自動車の創業者がある会議の中で述べたとされる言葉だ。

「自動車レースは、貴重なオイルを湯水のように使い、そのうえ排気ガスを空いっぱいにまきちらす公害社会の代表のようにいわれているが、わたしはそうは思わない。この地上の資源のおおかたが失われ、われわれの工場が最後の一台をつくらなければならないような事態が訪れたとしたら、わたしはそのとき、躊躇なく、乗用車ではなくレーシングカーをつくることを選ぶだろう。誰がなんといおうが、自動車レースは日常的な世界に対する崇高な挑戦であり、地上のスピードに対する万人の夢でなければならないからだ」

2012年3月28日 (水)

2012年F1 オーストラリア~マレーシアGP成績表

さて、ここまで2012年のF1選手権も2戦を消化したわけだが、予想通りなリザルトのところと予想を裏切るリザルトのところがはっきり分かれてきた。開幕戦というのはいろいろと運要素が絡んできてあまり実力が見えなかったりするので、あえて2戦経過時点でのパフォーマンスを基にして、各チームに10点満点で採点を行った。基準は筆者の独断であることを先にお断りしておく。それでは早速見ていこう。



レッドブル・ルノー: 7.5/10。予想よりやや苦戦している感じ。少なくとも昨年のように、レース開始から終了まで全部リード、というような破天荒な勝ち方はできていない。ウェバーは持ち前の安定性がようやくいい形で出てきた、といえるだろう。ベッテルは開幕戦2位で多少株を上げはしたが、その後マレーシアで周回遅れに接触する大チョンボをやらかして無得点に終わっている。それでも速いことには変わりなく、このままいけば今シーズン中に何勝かは挙げられるはず。

マクラーレン・メルセデス: 9/10。本来なら10点満点でもいいくらいなのだが、マレーシアでやや精彩を欠いたせいで多少ミソがついた。ハミルトンのピットの遅れはまあ、仕方ない(後方から殺到するマシンを先に行かせる必要があった)にしても、バトンの接触事故は完全にドライビングミスである(周回遅れと誤認して突っ込んだか?)。それでもオーストラリアであんな風に勝ったおかげで、全体的には評価は高い。ハミルトンはもうちょっと精進したほうがいいかもしれない。

フェラーリ: 7/10。開幕前の下馬評を聞けば、十人が十人みな首を横に振ったチームである。それがオーストラリアで予選を落としながら5位、マレーシアでは天気の混乱に乗じ、ライバルの猛追を振り切って勝ってしまったのだから、こちらももっと得点は高くてもいいはず・・・なのだが、この辺りはチーム力というよりアロンソ個人の腕前に頼る面も多いだろう。その上、二台目のクルマがあれだけ遅くては・・・である。マッサはオーストラリアで凡ミス自滅、新シャーシで挑んだマレーシアでも見所なし、となれば、来年彼がフェラーリに留まるのは奇跡に近い。いや、われらが早苗さんをもってしても無理であろう(筆注:「早苗さん」というのは、プライベートレーベルのPCゲーム「東方Project」シリーズに出てくるキャラクター、「東風谷早苗」のこと。奇跡を起こすという、ある意味チートな能力を持っている)。

メルセデス: 6.5/10。予選では目を見張る速さ。しかしレースになるとタイタニックか戦艦大和の勢いで沈んでいく。ロス・ブラウンによればタイヤの加熱に問題がありそうだが、全体的に昨年からの問題点である決勝ペースの不安定さがまだ解決されていないように見える。ドライバーには問題が見当たらないだけに、もうちょっとクルマを改善していかないと上には行けないだろう。

ロータス・ルノー: 8/10。速さ十分、その上美しいとなれば、ここ2戦での総合的ベストチームと言ってもいい。少なくとも総合評価ではマクラーレンと比肩しうるチーム。ライコネンは当初こそ不安視されたが、テストでその疑念を一蹴。レースでも、オーストラリアでQ1落ちからポイントゲット、マレーシアでは終盤、FLを連発しながら5位と快調だ。グロージャンも予選・スタートはいいのだが、いまひとつ運が悪いせいか、いまだポイントゲットには至っていない(そのうちポイントを挙げるのは確実だろうが)。シーズン通してこの調子を維持できれば、メルセデスやフェラーリとも互角に渡り合う可能性が出てくるだろう。

フォースインディア・メルセデス: 6/10。去年の好戦績のわりに、今年はまだあまり目立っていないのでやや辛口な評価。去年チームがスーティルを放出した決断が必ずしも正しいものではなかったことを反映している(まあ、暴行騒ぎもあったし止むを得ない側面はあっただろう)。ドライバーのせいなのかマシンのせいなのか、まあもう少し様子を見てから、と言いたいところながら、この意見を連発されるチームというのは得てして「存在感のないチーム」であったり、そうなりやすい。ということはこのチームも・・・

サウバー・フェラーリ: 8/10。マレーシアGPでペレスが2位に入り、フェラーリエンジン1-2を決めるという大金星で躍進。ウェット路面にセッティングがバッチリあたり、さらに優れたタイヤ性能で最終盤までフェラーリを追い立てた。結局最後の最後でミスを犯してしまったが、あのままいっていれば、チームにとって08年カナダ以来の優勝もできたかもしれない。小林は対照的に地味。チームの戦略ミスなどもあって、いまだ本領を発揮というわけにはいかないようだ。あそこで勝っていれば文句なしの10点だっただろう。シーズン終盤にかけてどんどん戦績が下がっていくのが様式美のようなチームだから(それこそ十年前から言われ続けているぞ)、序盤で取れるだけ取ってしまうのも作戦としてはありかもしれない。

STR・フェラーリ: 7/10。去年の時点では、ダニエル・リカルドという人物がいったいどこまで速くF1カーを運転できるのか、誰も正確には知らなかった。現代F1で予選落ちなど喫するようなチームにいたのだから、当然といえば当然だろうが、開幕戦でポイントゲット、オーバーテイクショーとは行かぬまでもポジションを上げた、という点では十分なスコアカードだろう。僚友ベルニュはまだちょっと未知数といったところだが、豪雨のセパンをただ一台、赤旗中断までインタータイヤで泳ぎきったあたり、見るべきものはあるかもしれない。今後に期待だ。

ウィリアムズ・ルノー: 7/10。こちらも、開幕前予想を覆し力走しているチーム。名門ゆえの頑迷さで昨シーズンを棒に振ったかと思えば、名門ゆえの求心力(?)でうまいこと立て直してきた。刷新された技術陣に新しいエンジンで、マルドナドが光る走りを見せているが、どうもいまひとつ完走に繋げられていない。セナは当初こそ凡才扱いだったが、セパンで6位入賞を果たし株を上げた。上位入賞も十分可能と思われる。

ケーターハム・ルノー: 5/10。こちらは逆な意味で前予想の逆を行くチーム。特に2010年、2011年と好成績を挙げ、今年さらなる飛躍が期待されたが、今のところ開幕戦のダブルリタイヤ、マレーシアではノーポイントレースと低迷(現状維持?)している。ドライバーは可もなく不可もなく、特に目立った活躍はまだ見られない。もうちょっと頑張ってほしいところだが、開幕前にライバルと目されたウィリアムズがかなり速くなってきていると思われる現在、上へ上へと上がっていくのは並大抵のことではないかもしれない。

HRT・コスワース: 0.5/10。まさか1点以下を付けざるを得ないチームが出てくるとは予想・・・できていなかったわけではないが、それにしても「惨状」としか形容できないチーム。そもそもこのチームのためのスターティング・グリッドが存在すること自体が大奇跡みたいなもんである。開幕戦で予選落ちを食らって2台欠場、第2戦ではほとんどトップチームのレースをぶち壊すために出てきたような有様。なまじチームの人間は真剣そのもの(だと思う・・・)なだけにいたたまれない。カーティケヤンなぞ、まずバトンと接触してこれを撃沈し、次にはベッテルを撃沈して彼の全身の血管を逆流させる大戦果を上げている。ベテラン、デラロサにも手に余る状況では、今シーズンもたいした進歩は出来ずじまいだろう。

マルッシャ・コスワース: 4/10。相変わらずTVカメラの追跡を全力で振り切るほど遅いが、それでもまだ4回のスタートで4度とも完走しているあたり、少しだけマシにはなっているのかもしれない。パット・シモンズ効果なのかどうか、信頼性の向上というとりあえずの至上命題は目鼻がついたようにも見えるが果たしてどうか・・・。

2012年3月10日 (土)

2012年F1 開幕直前スペシャル

さて、遅ればせながら、2012年F1シーズンも開幕前の2回の公式テスト・セッションを終え、12年を戦う各チームの新車が出揃った(若干名、遅刻組が存在するが)。今季を戦う12チーム、24台のマシンに共通するものは、まずなんといってもカモノハシのごとく張り出した、世にも醜い段差付ノーズコーン。側面衝突の際、高いノーズコーンがドライバーを突き抜けてしまわないよう先端部分(前輪から前)の高さを規制したが、本来が2009年ブラウンGPのようななめらかなローノーズにすればいいものを、鼻下に空気を多く入れたい(ハイノーズコンセプトや、それに伴うノーズ下空気流の活用は、もとはと言えば2009年にレッドブルが編み出したもの)エンジニアたちは、前輪より後ろ(ドライバー寄り)の高さが規制されていないことをいいことに、前輪の軸線上に階段をつけて解決してしまったのだ。これ以外では、エキゾーストブローシステムの全面禁止による排気系統の見直しが上げられる。昨年に続き、今年も排気部分の開発が焦点のひとつになりそうだ。さて、以下に12チームの概要と評価を書いていきたく思うが、この評価はあくまで個人的なものであることに留意されたい。   
   
レッドブルレーシング・ルノー RB8/#1 Sベッテル(D)、#2 Mウェバー(AUS)    
昨年、すさまじい強さでシーズンを席巻したレッドブル・レーシング。運営体制、ドライバー、エンジン、開発陣など、メジャーな部分にまったく変更がない状態で新シーズンに臨む。安定性という意味では一安心できる体制だ。ノーズ以外、新マシンは昨年のRB7のコンセプトを順当に引き継いでいるふうに見える。2回目のバルセロナ・テストには、さらに攻めた設計のいわば「改良版RB8」が持ち込まれていたが、開幕戦では信頼性などの問題から初期型を使用する見通しだという。同チーム所属の名デザイナー、アドリアン・ニューエイの今年の「隠しネタ」はノーズ段差部分の「郵便受け」。ドライバーの冷却用と公式には発表されているが、誰もそんな話を信じちゃいない。かといって本当の目的が何なのかはまだ闇の中なのだが・・・。テストのタイムは驚異的というまでには至っていないものの、安定して上位に入っており、今年も連覇に向けて視界は良好といえそうだ。   
   
マクラーレン・メルセデス MP4-27/#3 Jバトン(UK)、#4 Lハミルトン(UK)    
ポスト・レッドブルの一番手マクラーレン・メルセデスは、今季トップチームで唯一、段差ノーズを採用していない。チーム側によると「昨年からの空力コンセプトを引き継いだ」云々という。おそらく、今年からF1を見始める人の8割、いや9割はマクラーレン・ファンの行列に加わるのではなかろうか。昨年の特徴的なL字ポンツーンは姿を消し、やや腰高な普通のサイドポッドに取って代わられている。こちらも特にテスト段階で大きな問題は見受けられず、すべて至極順調に進んでいるものと見てよさそうだ。今季も、レッドブルを追いかけ追い落とす存在となるだろう。主にバトンが、対レッドブル戦線の尖兵を務めることになりそうだ。気持ちのいい戦いを期待せずにはいられない。   
   
スクーデリア・フェラーリ F2012/#5 Fアロンソ(ESP)、#6 Fマッサ(BR)   
昨年早くから「2012年マシンはかっこ悪い」とネット上で話題を振りまいたチーム。残念ながら、段差をつけた仲間同士の中にあっても、このクルマはひときわカッコ悪く見える。海外では「まるでレゴブロック」と酷評されていた直線的に過ぎるノーズのせいで、全体がダルな印象をまとう。レッドブルに倣い後サスをプルロッドにしたまではよかったが、なんとその勢いで(?)前輪までプルロッド化されてしまった。80年代のローノーズマシンならともかく、近代のF1マシンでこんなアプローチをするメリットがちょっと見当たらない。ドライバーの(貴重な -フェラーリが、テストが進むにつれてドライバーに「緘口令」を敷いてしまったせいだ-)コメントによれば、空力バランスにも問題がありそうである。ドライバーも、アロンソはともかく、マッサがすっかり勢いを失ってしまっているのが気がかりなところ。何より、テストセッション終了後のドライバーが「まだ仕事がたくさんある」なんてことを言っている時点で、今季のリザルトは推して知るべし、であろう。このチームの迷走飛行は、残念ながらもうしばらく続きそうだ。   
   
メルセデスGP W03/#7 Mシューマッハ(D)、#8 Nロスベルグ(D)    
こちらもコンサバ路線まっしぐらなチーム。エディ・ジョーダンもびっくりの「デザイナー青田買い」を敢行、いろいろと有力どころから有名デザイナーをぞろぞろ引き連れて来てデザインしたのがこれかよ、と言いたくならないでもないが、大きく設計思想を変更することによるリスクを考えると、なかなかそうもいかないのだろう。ドライバーラインアップも昨年から継続。救いがあるとすれば、今季大きくリザルトを落とすであろうフェラーリがすぐ前にいるということくらいか。他人の危機に乗じてでも、這い上がってチャンスをモノに出来れば、それ即ちF1においては大勝利、だ。今季は主にフェラーリを追いかけることになるだろうが、果たして追い落とすまでに至るかどうか。   
   
ロータス・ルノー E20/#9 Kライコネン(FIN)、#10 Rグロージャン(F)    
復帰したライコネンと、09年に同チームでレース歴のあるグロージャン。いずれも昨年走ってはいない、いわば「偽ルーキー」コンビだ。マシン名は「エンストン(Enstone)で作られた20台目のシャシー」だそうだが、伝統的にロータスは市販車・レースカー共通の通しナンバーを使用しており(マツダもそう。767とか787とかのアレ)、不可解なネーミングだ。一説には、チーム・ロータスの名称を一年間飽きずに係争していた現ケーターハムのナンバーを引き継ぐのを嫌ったとされている(というか、9分9厘そうであろう)が、真相は語られていない。マシンは段差部分の曲面処理をかなり上手くこなしており、ルックス的には高評価だ。他には、「黒・金」の金色部分が、TV映りを考えてか、よりクリーム色に近い色合いになっている。テスト段階ではライコネンのみならず、09年にバドエルと並んで最遅の評価を得たグロージャンですら好タイムを出しており、あくまでテストとはいえシーズンに向けての期待をあおっている。しかし、テストの最中にフロントサスペンションのマウント部分に剛性不足からくる(と思われる)トラブルが出ており、こちらはあまり安心できるものではない。過度な期待は禁物だろうが、それを差し引いても結構、善戦しそうなチームだ。   
   
フォースインディア・メルセデス VJM05/#11 Pレスタ(UK)、#12 Nヒュルケンバーグ(D)    
スーティルが昨年の喧嘩騒ぎで有罪判決を受けてしまい、テスターだったヒュルケンバーグが正ドライバーに昇格。昨年後半の追い上げ以降、かなり調子の波に乗れてきているが、実力者のスーティルが抜けた後の穴埋めが果たして若い二人に務まるかがやや気がかり。ヒュルケンバーグは2010年に、あのウィリアムズ・コスワースでPPを獲得した実績があるが、まだ実力を測るには早計という声もある。マシンカラーリングはオレンジの面積が増え、なかなか美しいものになった。昨年の勢いもあり、今年も中段グループのリーダーとして活躍するであろう。   
   
サウバー・フェラーリ C31 /#14 小林(J)、#15 Sペレス(MEX)    
こちらも堅実に昨年のコンセプトを引き継いだマシンを用意してきた。カラーリングは黒の面積が増え、またホイールが黒くなったこともあり、より引き締まった印象を受ける。ノーズの段差の処理は非常に直線的なのが目に付くが、他はこれといって特筆しべきものでもなさそう。小林はもう少し安定して上位に入れる走りをすれば、序盤での荒稼ぎの可能性が見えてくる。チーム的には、通弊である「シーズンが進むにしたがって成績が落ちてくる」悪癖を直せるか、だろうか。相変わらずチームの懐事情が厳しいとあっては、ちょっと難しいかもしれないが・・・。最大の問題は、技術面を司るジェームズ・キーTDが開幕前に離脱してしまったこと。チーム躍進の立役者である有能なチーフを欠いた設計陣が、果たしてこのマシンの開発を引っ張っていけるのか、不安が残るシーズンを迎えることになりそうだ。   
   
スクーデリア・トロ・ロッソ・フェラーリ STR7/#16 Dリカルド(AUS)、#17 J-Eベルニュ(F)    
フォースインディア同様、昨年後半とみに力をつけてきたチーム。序盤のノーポイントレースがたたり、サウバーにあと半歩及ばぬところでシーズンを終えてしまったが、あと5、6ラウンド、いや3ラウンドでもあれば、順当に逆転できていたかもしれない。今年の活躍ぶりも大いに期待できる・・・などと言っていた矢先に、なんとチームは有能なドライバー2人をいっせいに解雇し、レッドブルのジュニア育成プログラムから新たに2人の若武者を引っ張ってくるという「暴挙」に出た。この選択が最終的に正しいものかどうかを論ずるには、少なくとも開幕2~3戦が過ぎるまで待ったほうがいいとは思うが、他チームがつけ込むべき不安要素があるとすればこれだろう。マシンは「脱・レッドブル」色をいっそう強めており、ドライバーの活躍しだいではいい位置に付けてきそうなチームだ。昨年、フォースインディア・サウバーとの戦いの続きを見られるとすれば、喜ばしいことではないか。   
   
ウィリアムズ・ルノー FW34/#18 Pマルドナド(VZ)、#19 Bセナ(BR)    
「斜陽の名門」とはべたな表現だろうが、このチームはもはや「斜陽」を通り越して、ほとんど夜になりかかった状態である。フランク・ウィリアムズとパトリック・ヘッド、言葉は少々きついが二人の老人による旧態的な運営、もっといえば名門チームの矜持に固執しすぎたツケともいえる。一時期の栄華をともにしたルノーエンジンの獲得によって、風向きは多少なりとも変わることが期待されている。が、テストのタイムを見る限り、期待はあまり叶いそうにない。昨年のマクラーレンのような例もあるにはあるが、このチームにそこまでの体力はなさそうである。バリチェロを切り捨てブルーノ・セナを起用したのも金のためでしかないだろう。マシンもFW33のノーズコーンにただ階段をつけただけのような代物で(昨年問題になったリアサスマウント周辺もほったらかしに見える・・・)、お世辞にも速そうとはいえない。2011年と同じくらい苦しいシーズンが待ち受けることは、まさに火を見るがごとしであろう。或いは彼らが見ているのは、自分の台所の火の車なのか・・・。かつて旧ロータス、ブラバム、はたまたティレルといった同郷の名門がたどった足跡を、ウィリアムズは確実になぞっているように見えてならない。   
   
ケーターハム・ルノー CT01/#20 Hコバライネン(FIN)、#21 Vペトロフ(RU)    
一年目の半ばあたりですでに「員数合わせ」から脱却し、昨年、中段グループへの足がかりをつかんだ、上昇気流に乗る新進チーム。マレーシア政府による手厚い援助・庇護もあり、先行きは安泰に見えるが、すでに一回目のテストで走行しているトゥルーリを土壇場で降ろし、豊富なロシアン・ルーブルの束をバックに持つペトロフを起用したあたり、財政的な苦悩が見え隠れする。マシンは各チームの中で最も早く、1月26日にウェブ上で発表され、世間に段差ノーズの何たるやを(悪い意味で)印象付けた。しかし全車出揃った中で改めて眺めると、最低限、段差を滑らかに処理しようという努力はうかがえる。チーム名が変わっても、深緑・黄の好感が持てるカラーリングは続投のようだ。今年の目標は非常に明確。ウィリアムズを切り崩し、ポイントを獲得することだ。今現在のチーム状況、士気からして、難しい目標ではないだろう。   
   
HRT・コスワース F112/#22 Pロサ(ESP)、#23 Nカーティケヤン(IND)    
チーム首脳に往年のF1パイロット、ルイス・ペレス・サラを起用、ドライバーもリウッツィに変えてデラロサを抜擢と、スペイン色を増しているチーム。しかし裏を返せば、止まらない人材流出に対する苦しい穴埋めの一端でもある。マシンはテストセッションに間に合わず、セッション終了後の月曜日、撮影日を利用しての限定的なシェイクダウンにとどまった。マシンは段差なしノーズながら、それなりにうまくまとまったデザインで、なんとなくターボエンジン発禁直後の、新規参加チームが限られた予算で用意したモノコックを連想させる。カラーリングは初期フォースインディアを連想させる、白地に赤・金のアクセント。こちらも見た目は好ましく映る。カーティケヤンの持ち込んだインディアンマネーをカラーに反映した、ということか。しかしいくら見目がよかろうが、それだけで速く走れるはずはない。スカスカのチーム状態では、今年もマルシャと最下位争いに終始するのが関の山といったところだろう。   
   
マルッシャ・コスワース MR-01/#24 Tグロック(D)、#25 Cピック(F)    
まったく走らなかったジェロウム・ダンブロシオの代わりに、新人チャールズ・ピックを起用。こちらもクラッシュテストに手間取ったせいで、オフテスト期間中に新車が間に合わなかった。ヴァージン成分がさらに減ってチームの経営権がロシアに渡り、通しナンバーも01から振りなおされる。こちらも目立った段差はついていないが、ノーズ部分に控えめな突起が設けられている。デザインは堅実なほうだが、パット・シモンズが設計を受け持っている。カラーリングは白部分がなくなり、赤・黒のツートーンとなった。マシン、ドライバーとも特に目新しいものはなく、リザルトも昨年と同程度のものにとどまることになるはずだ。HRTよりは速く走りたいところだが果たしてどうか。   
   
さて、2012年のF1シーズンは来週金曜日、3月16日のフリー走行セッションをもってスタートする。当面の注目は、「レッドブルは独走を続けるのか」、「誰がレッドブルを止められるポジションにつくのか」といったところだろう。上位数チームよりも、そのすぐ下、中段数チームの間で特に激闘が予想される。去年が去年だっただけに、今年こそは群雄割拠、面白いシーズンになることを期待したい。   

2012年3月 4日 (日)

第8回MMD杯総括

どうも、SimacherPです。今回開催された第8回MMD杯も、さる3月3日・日本時間21時をもって全行程を紹介し、無事閉幕しました。今回もはるかマレーシアから動画を作って意気揚々とエントリー・・・しようとしたはいいのですが、例のPCトラブルのせいで大幅に製作が滞り、不本意ながらいわゆる「Last-Minute Work」となってしまいました。そんな中でも動画2本を作って開催期間内に上げられただけで大勝利、という見方も出来る(・・・のか?)かもしれませんが、結局のところ、やはり前回杯の戦跡を越えることは出来ませんでした。それでも、皆さんの応援のおかげで、目標であった入賞こそなしえませんでしたが、それぞれ「3536再生/120コメント/222マイリスト」、「3212再生/65コメント/104マイリスト」(数字はいずれも大会終了時点でのもの)を達成することが出来ました。ありがとうございました!



さて、左の動画が今回のいわば「本命」、「ファーストカー」的な存在。製作は急ピッチでしたが、GT5の素材はPCに依存しないので撮りだめできたため、間に合わない、という状況は避けることが出来ました。構図など、一部前回杯のボツアイデアを再利用したりもしています。また、時間のなさ(?)の影響が全体的にカット割り、構図、あるいはクルマショットの多さ(そんなに多くはないと思いますが、私の作品にすれば「比較的」多いほうですね)に出ていたりしますね・・・次回こそはまともなものを出さなければ。

解説的なことを書くと、この「An Anxious Object」というタイトルは、BGMの"Ouroboros"を演奏しているバンド「Mouse on the Keys」(日本のインストバンド。日本ではぜんぜん知名度がないようですが、もっと評価されたいバンドです。筆者的にSpyro Gyraが日本チックになった感じでしょうかね)のアルバム名からとっています。動画説明文にもありますが、「Anxious」というのは英語で「気がかりな、心配な」という意味で、Anxious Objectはすなわち「気がかりな物体」。これはつまり写真の「中にいる」ミクさんのことでもあるし、或いはところどころ、ミスマッチに配されたレーシングカー、スーパーカーたち(例・冒頭で人ごみの中にたたずむ全日本仕様GT-R)のことでもあります。いわゆるパーシャルカラー、白黒の背景の中でクルマだけ・ミクだけがカラーで浮き立っていたり、ミクのカットがほぼすべて全身を映したもので、なおかつ多くが「目線」をもらっていない、というのも、この「Anxious」の延長線上の演出です。・・・で、種を明かしますと、冒頭でいくつか出てくる「白黒→マシンだけカラー化」の演出は動画ファイルを出力する直前になって考え付いたもので、「Anxious」云々のくだりはMouse on the Keysへのインタビュー記事(ネット上のどこか。Mouse on the Keysでググれば割とすぐ出てくるはず)から着想を得ています。それと、レースカーがいっぱい出てくるのは、いつぞやの動画だったか生放送だったかで、「こういう動画にレースカーは似合わない」という意味のコメントをされて、レースカー好きな筆者が躍起になっただけです。要するに、あんまりごちゃらごちゃらと裏でコンセプトを練りすぎると受けない、ということですね。ただ、この「Anxious」の考え方、演出は自分でも結構気に入ってるので、またいつぞや引っ張り出してくるかもしれませんね。というわけで、コメント返し行ってみましょう。

>変態画質!
一般会員の上限・600KBpsの範囲内で、音割れ覚悟の画質552/音質48です。ためしにエコノミーモードにして視聴してみたところ、音質はひどい有様でしたが画質さんはちゃんとがんばってくれていました。音MADとかではないので許してや? 城の内・・・

>色が変わるところとかハッとさせられる
がっかりさせて申し訳ないですが、上記のとおりあれは臨時に考え付いたものです。お褒め頂き恐縮です。

>庭先にレース仕様のGT-Rとかw
あったら素敵だよね。

>GT5に、ミクZ4が収録されていれば・・・
S-GT・GT300で活躍中のあれですね。あったら面白いかもしれませんが、出ても私の動画ではちょっと使わないかもしれません。ああいう手合い、苦手でしてね・・・。

>RX-8が無い・・・だと?
あ、忘れた・・・。そもそもまだRX-8って買ってなかった気がするなあ。787Bなら持ってるんだがな・・・。

>カラーだとモデルのほうがコントラストきつい時があるね
そうですね、MMDモデルは一般的に現実世界の物体と異なる光の当たり方みたいな感じです。ただ今回、うしろのGT5写真を調整して(やり方は当ブログの過去記事で解説してます。これの一つ・二つ前のですね)いるので、MMEとあいまって多少は中和できたはずです。いかがでしょうか。

>クルマは実写だよね?
いいえGT5です。

>本当はくっきり影(筆者注・MMD出力したミクさんの影のこと)はできないけどね
そうなんですよ・・・本当はフォトジェミック画像一枚作るたびに地面影をぼかす作業が入るんですが、今回かなり焦っていたため、最終作業をしていないまま上げちゃった写真が若干、存在します。平にご容赦を・・・

>そういう現実世界とのズレで仮想世界ということに気付いてしまうんだよな
タイミング的に上のコメントへのレスポンスでしょうか。これってやっぱりどこかで気づかせたほうがいいのか、それとも完璧に「仮想世界のにおい」を消したほうがいいんでしょうか? どっちもどっちでなかなかいい気がしますが・・・。

>Mouse on the Keysはもっと有名になってもいい
まったくです。今まで2枚しかアルバム出してないですが、私の中ではもうすでに日本で一、二を争うインストバンドです。早くブレイクして欲しいものですね。

>MMDというよりこの人のセンスがすばらしい
うっひょおおおおおおおおおおきたこれえええええええええ(ry ・・・えー、すんません。非常に歯の浮くコメント、ありがとうございました。

>マレーシア在住の千早スキーのはず>simacherp
私が何者であるかとの質問に対する回答ですかね。そのような質問コメは見当たりませんが、合ってるといえば合ってます。現在MMDにシフトして活動しているので、誰か大百科の内容とか編集していただけると助かります。アイマス動画は・・・またネタが浮かんだ時に・・・? あ、でも千早スキーは継続してますよ。

>この動画をフォトフレームに入れてボーっと眺めたい
HD版がYouTubeに上がっている(URLは動画説明文内)ので、それをDLしてPSPとかで眺める、ってのはどうでしょうか。その辺あんまり詳しくないんでこれ以上アドバイスはいたしかねますが・・・。

>CGと実写の境目がわからん・・・(後略)
ありがとうございます。他にも似たようなコメントをしてくださっている方が何名かいましたが、この科白って、フォトジェミックに限らず、実写合成的なことをやっているすべての人に対する、最大限度の褒め言葉じゃないでしょうか。

さて、次の動画。グリーンデイの「アメリカン・イディオット」のダンスPVを以って、東方MMD-PVの処女作(MMD静止画なら、これより前にも作ってますが、例によって埋もれているし、掘り起こす気もあんまり無いのでここではとりあげません)とした作品です。作品といっても、原曲を聴いていて「じゃあこんな動画どうだろう」という感じで思い浮かんできたのをそのまま上げただけなので、山なし落ちなしです。こんなんで出場しても100以上マイリスしてもらえるのがMMD杯のすごいところ、ですね。実はこちらの動画もYouTubeにHD版が上がっているので、動画説明文から見に行ってみてはどうでしょうか。では以下、コメント返し行きましょう。

>このダンス、けーねのスカート勿体無いね 足の動きがいいのに
そういえばそうかもしれません。特に慧音はロングスカートなので、足がほとんど隠れる服装です。破綻を抑えるのにけっこう気を使いましたが、破綻するような衣装にはもとから向いてない、ということでしょう。それを考えると、このモーションはそもそも「スカート向き」じゃなかったのかも。

>画質が厳しいな
この動画、上のとビットレート配分が違うんですが、やっぱり一般会員の厳しさでしょうか。以後は552/48で統一したほうがよさそうですが、それだとエコノミーで音割れが・・・悩ましいところです。

>カッコいいのに、なんだろう? 何か足りない気がする
>けーねの表情はもっと弾けてもよかった/表情あるといいな
>悪いところが無く、しかし遊びも無いのでモーションすごいで終わってしまうかな
実質、下の一文でほとんど答え出てますね・・・汗 あんまり後先考えずに作ったせいで「遊び」に何を入れるか考える余裕がありませんでした。着想からうpまで24時間以内で仕上げるとこうなる、という典型例ですね。次こそは構想段階からまじめに作ったPVを出したいものです。今の台詞が何か変なフラグにならないことを切に祈ります。

>この曲ピー音がない?あったような気がするのに
YouTubeで見つけてきた音源ですが、ピー音入ってませんね。ニコニコ版は入ってたはず。

>カメラワークや効果は好きだなwシンプルisベスト!
シンプルイズベスト、ジョン・バーナードイズムの極致。いいですねえ、大好きです。だから動画も伸びません(笑

>ダンスはオリジナル?トレース?
「親作品」設定欄にもありますが、根性Pの配布モーションをお借りしてございますだ。プラスちょいちょい破綻修正、ですね。

>本選リスト真ん中あたりだし過疎るのは仕方ない
ほほう、つまり次回杯の作品は来週うpしよう、ということですか。先んずれば人を制す、ですね。

というわけで、今回杯はホップ、スッテプときてジャンプの段階でけっ躓いた形になるわけですが(かっこ悪いなあ・・・笑)、この状況、まさに2007年入賞、2008年優勝ときて、2009年チャンピオン、のところで盛大にコケた旧・BMWサウバー、あるいはこれまた最後で躓いたジャッキー・スチュアートの「スチュアート・フォード王座五カ年計画」に通ずるものがあります。その後サウバーはフェラーリエンジンを得て中段に返り咲き(それ以前の戦跡を考えると逆戻りか・・)、スチュアートはジャガーと名を変えレッドブルに買収されチャンピオン街道まっしぐら。むろん筆者としては後者を期待したいですが、その辺は次回杯までとっておきましょう。それでは、次の動画で会いましょう。応援、ありがとうございました。

SimacherP

2012年2月28日 (火)

アドバンス・GT写真講座 その2~ミクさん合成編

ご無沙汰です。さて、講座第2回は「GT5で撮った写真にキャラクターを合成しよう」という趣旨のもとでお話ししたいと思います。以下の講座内容は、一部昨年に書いた記事の内容とかぶるものがありますが、時間の経過とともに筆者の編集能力やPCスペックが格段の進歩を遂げたため、プロセスによってはほとんど別物ともいえる内容となっています。前回記事を読んでくださった方も、アップデートのつもりでこちらの記事を読んでみることをお勧めします。

まず、その1で使用した編集ソフトに加えて、ニコニコ動画でつとに有名な「MMD」(MikuMikuDance)というソフトをDLする必要があります。ダウンロードはこちらから。最新版の「V7.39dot」と少し古い版の「V5.24」があります。基本は各種周辺機能が充実している最新版(DirX11世代向け)を使いますが、グラフィック性能が心もとないPCの場合、DirX9向けの5.24を使用することもあります。筆者も旧PC時代は5.24を使っていました。

読み込ませる(合成させる)モデルは必ずしも誰でなくちゃいけない、というのはありません。好みで選んじゃってOKです。ニコニコ動画「MMDモデル配布あり」タグや、VPVP Wikiの「モデルデータ」欄から、各種サードパーティー製データが無料でDL可能です。ミク以外のキャラモデルも充実しているので、クルマ同様、自分の好みで選んじゃってOKです。ただ留意したいのは、モデルによって写真合成との相性の良し悪しの差が激しいこと。たとえば、MMDソフト本体にミクはじめボーカロイドキャラ一式のモデルデータが同梱されていますが、これらのモデル(モデリングした人物の名称をとって「あにまさ式」と呼ばれています)はお世辞にも「馴染みがよい」とは言えません。ミクモデルの場合、特に「1052式」シリーズ(かなりたくさんバリエーションがありますが、一部配布終了・限定配布のモデルもあるので注意)、「Lat式」シリーズがこれらの用途において双璧をなす存在です(ニコニコ動画の「フォトジェミック」タグにて検索すると、幸せになれるかもしれません)。最近ここに「らぶ式モデル」や「Divaぽいど」などの新兵が加わってきていますが、やはり前者2つの優位は大きいです。いわばマクラーレンとレッドブルですね。ここで絶対に注意してほしいのは、モデルごとの利用規約(DLしたセット内のReadMeファイルに書いてあるもの)を遵守した使用をしてくれ、ということです。基本的に「モデルデータの再配布」は厳禁。また、「R-18的」な絵面での使用も、OKな人とダメな人がいるので留意が必要です。

説教くさい話は終わりにして、早速作業に入りましょう。MMD上の合成作業を行う場合、まず一枚GT内のマイドライバーを同じアングル・設定で撮影したものを用意します(カメラ位置選択画面で三角ボタンを押して、ドライバーを写すかどうかを切り替えられます)。この時使ったレンズの数字(50mmとか80mmとか)を覚えておきましょう。一枚撮ったら、そのままの設定(何もいじらない)でセレクトボタンを押し、ドライバーを視野外に退出させます(セレクト→スタートで移動する対象をクルマ・ドライバーで切り替えられます)。画面内にドライバーがいなくなったら、シャッターを押してもう一枚、同じ構図のものをとります。ピント対象であるドライバーさんが退場してしまったため、画面中ピンボケで変な感じの写真が出てくると思いますが、かまわず保存します。PCに取り込み、「その1」で解説した要領でフィルターがけを行い「リアル化」してやってください。

021

さて、ここからMMD上の作業が主になります。先ほどの写真をD&DでMMDに読み込みます。左図でも、「同じ構図でドライバーありとなしの写真」を連続で撮影しているのがわかります。







022

ここで左図中、赤丸で示した部分(筆者はMMDを英語で使っているのですが、日本語でもレイアウトそのものは同じのはず)のスライダーで「画角」を調整します。この「画角」ですが、ようするに「レンズのゆがみ効果」を調整するものと考えてしまって結構です。Wikipediaの記事に、レンズの焦点距離と画角の関係図表が載っています。今回は85mm(「ポートレートレンズと呼ばれるくらい、人物写真に適したレンズです。中望遠の範疇に入ります)なので、対角線画角28.5度、スライダー上では29度に設定します。レンズの焦点距離をいちいち覚えるのは大変なので、たとえば「50mmと85mm」というふうに、使うレンズをあらかじめ決めておくのがいでしょう。筆者は32・50・85mmの3種類を使いまわしています。GT5・フォトモードのレンズは14mm~500mmまで自由調整できるすぐれものですが、あんまりレンズがばらばらだと、あとで画角を合わせるのに苦労することになります。

023さて、次はモデルの読み込みです。画面左下、茶色い選択ボックス内の赤丸で示したボタンをクリックし、読み込みたいモデルデータ(pmdないしはpmxというフォーマットのもの)を選んで開きます。今回は無難に「Lat式」さんにご登場いただくことにしましょう。このモデル、きれいなことは確かなのですが、ちょっと色彩が平版的(胸の話じゃないよ)で、初心者には使いにくいかもしれません。かくいう筆者もちょっと敬遠ぎみですが、「かわいい」という必殺技の前には勝てんでしょう。



024読み込み直後の画面がこんな感じです。図中のタブメニューを開き、矢印で示したふたつのメニューを操作します。上のもので座標軸を消し(これを消し忘れると、できあがった画像にしっかり出力されてしまうので注意)、下のものでスライダーを呼び出して、モデルのエッジ(黒ふち)を「0」にしましょう。「0」でモデル細部が見づらい場合、MME(後述)でなんとかするか、エッジを0.3~0.5くらいかけてやりましょう。




026さて、モデルさんにポーズをとってもらう番です。といっても、何から何まで自分でやる必要がありますが・・・(いちいち付け方を説明している時間がないので、その辺は各自で探してみてください。不親切ですいません)。1の赤丸は表情をつける欄。モデル読み込み時点でのデフォルト表情のままでもかまいませんが、状況によって表情を変えたり、笑顔の出し方を調整したりする作業で、完成度がより高くなります。ひととおりポーズ・表情をつけて、満足のいくものが出来たら、2の赤丸で示したプルダウンで「カメラなんちゃら」(要するにMMD内のカメラの制御ですね)を選択します。


028ここで、GT内で撮っておいた「ドライバーあり」のほうの画像を小さいウィンドウで開いて、いわゆる「二窓」状態にします。両者を見比べながら、赤丸で示した部分をマウスでドラッグし、MMD内カメラの位置・回転をいじって、極力近づけます。ドライバーあり写真がないと結構苦労するのですが、物理的にドライバーを配置できない場所に合成したい場合など、参考画像なしに勘であわせていったりもします。モデルのポーズや表情でボロが出ていたら、上のプロセスに戻って調整します。あるアングルで無問題に見えていたポーズ・表情が、角度を変えると見栄が悪くなるというのは、実はよくあるパターンです。


029

カメラあわせが終わったら、赤丸で囲った部分のスライダーで光の色を調整します。RGBそれぞれを強めたり弱めたりして、元画像に近づける作業です。勘と視力、そしてPCのグラフィック性能(笑・・・)がものを言います。







030次に、その直下のスライダーで光の来る方向をいじります。地面影が映るショットでは非常に重要ですが、ここの作例はバストアップ構図(下半身のポーズや影をいじらなくていいので、ある意味初心者向けの構図ですが、上体だけで表情を出さなきゃいけないのでなかなか大変でもあります)なので、大まかに向きを合わせる程度です。ここでは説明用に影を表示させていますが、実際はカメラを移動しなくても調整できます(どこへどれくらい移動させたか、を把握していることが前提ですが)。自信がなければカメラをいじって調整し、終わったら元に戻すやりかたで行きましょう。


031作業が終わったら、画像ファイルとしてこれを書き出します。その前に、画像内のメニューをクリックして、出力する画像のサイズを決めておきましょう。








032GT内の写真は、ズーム「×1」で1920・1080のフルHDサイズ(ズーム「×2」でその2倍)なので、基本、元画像と同一のサイズで出力しましょう。ただ、PCのグラフィック性能によってはフルHDを出力しようとすると真っ黒になって出てくる場合がある(例:筆者の旧PC。グラフィック64MBなり)ので、その場合は1280・720で泣く泣く妥協しましょう。





033

図中のメニューから矢印の項目をクリックし、画像ファイルを生成します。









034ファイル名を適当につけて、出力フォーマットを劣化の少ないpng形式に設定します。出力先はデフォルトでは「MikumikuDance→UserFileフォルダ内」ですが、よそへ出力したい場合ももちろん、自分で変えられます。







035

ここから、「その1」で紹介した編集ソフト「PhotoCreator SE」での作業に移ります。例によってD&Dで画像を読み込みます。








036

「暗室」タブから矢印のボタンをクリックして「焼きこみ」ウィンドウを開き、「ペンで編集」をクリックします。モデルの陰影を増強するのが目的です。ペンタブを持っていればそれを使うのが早く済むでしょう。マウスでも出来なくはありませんが・・・。






038

画像をズームして細部をいじりやすくしておき、ブラシの太さを選択して陰影の部分を「描きこんで」行きます。作例では光のさえぎられる部分は赤丸で囲った部分(鼻の影、ほっぺ下部、脇)です。この辺は鉛筆デッサンなんかをやっている人が有利かもしれません。






039

次に「ペイント」タブからブラシアイコン(「こする」)をクリックして、先ほど書き込んだ影の境界を中和していきます。もちろんペンタブでの編集が出来る環境が楽ですが、ないものは仕方がないのでマウスで仕上げます。「重ねがけ」できるエフェクトなので、何回か重ねて境界が目立たないようにぼかしていきます。





040

「暗室」タブに戻り、矢印で示した多重円のアイコン(「円グラデーション」)をクリックして、顔の部分を囲ってください。








041

先ほどの「焼きこみ」を再びクリックします。円形範囲内の部分のみに効果をかける際の方法です。効果を少し強め(20~30くらい)に設定して適用します。Lat式モデルは顔が多少明るいので、このプロセスで顔部分の色の「飛び」を抑止するわけです。






Blog-PGT.png_effected

さて、こちらが完成画像にいろいろエフェクトを突っ込んだもの。ソフトは上記「PhotoCreator」とは別のものです。このように、出来上がった写真にいろいろとエフェクトを加えるソフトがたくさん出回っているので、いくつか探してみると面白いかもしれません。面倒くさい、使い方がいまひとつわからない、探す気がないといった場合は、「その1」で解説した、簡易的にPhotoCreator内で写真のトーンを変える方法でもOKです。




以下、欄外補足みたいなものでも。今回の作例は、最後以外完全に「MMD」と「PhotoCreator SE」のみで作っています。ここに「MME(MikuMikuEffect)」というソフトを加える人もいますが、このMMEというのは「MMD上でじかにエフェクトをかけられるようにする」もので、たとえばディフュージョンといったフィルタ効果や、モデルにシェーダー(モデル本体のコントラストや明度彩度をいじるエフェクトの総称)をかけた状態で出力できるようになるわけです。特にシェーダーを使うと、モデルの質感ががらりと変わることも多く、上手く使えば完成度が飛躍的に高まります。欠点は要求性能が割りと高いことで、確かグラフィックが数百MBくらいないと動かないものだったはずです。1GBくらい確保しておけば問題なく動くものと思いますが・・・。使いたい人向けに書いておくと、このうちMMDの合成写真製作に有利になると思われるものは「HL-Shader」(ハーフランバートシェーダー、モデルの質感をソリッドにする)、「AdultShader」(モデルの色彩を高くする。MMD本体側で光を調整してやる必要あり)、「Diffusuon」(拡散フィルタ、ソフトフォーカスっぽい絵を作りたい時に)あたりでしょうか。肌の色が白飛びしてしまうようなモデルにHLシェーダーを使って、少し陰影を強調することでエッジ0で使えるようにする、といったことも可能です。ちなみに、どうしたことか「Lat式」モデルはシェーダー系エフェクトを読み込むと無残な結果に終わるので注意しましょう(フィルタ系はOK)。

さて、これにて2回にわたるGT写真講座を終わります。ご意見、感想、質問などありましたら、コメント欄に書き込んでいただければ回答します。以上、SimacherPがお送りしました。

2012年2月23日 (木)

アドバンス・GT写真講座 その1~写真加工編

どうも、SimacherPです。今回、MMD杯にみたびGT関連素材を用いて参戦したのにあわせ、当ブログ読者の皆さんに感謝の印として「GT写真をリアルに見せる方法」なるものを執筆したく思います。前後編構成とし、前編(この記事)では私の後加工のやり方、後編ではわがMMD杯動画で使用されたような、ミクとGTの合成画像の作り方を解説していきたいと思います。

まず、使用するソフトウェアです。基本的に、トーンカーブが調整できるソフトなら何でもかまいません。フォトショップでもいいですが、新規に購入すると少々、高すぎるのが難点ですね。ここは、「PhotoCreator SE」というフリーのソフトウェアを使用することにします。編集・加工になかなか使えるソフトです。ダウンロードはこちらから出来ます。

さっそくGT5ソフトを起動して撮影に入る前に、いくつか撮影上の注意点を。まず、フォトトラベルなどで静止したクルマを撮る場合、「絞り」に気をつけましょう。「f/2.8」という風に書いてある数字が絞り値と呼ばれるものですが(デフォルトは4.0)、これは上げれば上げるほど背景までくっきり映りこんだ写真が取れます。しかし、クルマの写真を撮っているのだから、見せる側としてはクルマ本体に見る人の視線を集中させなくてはいけません。背景がくっきり映りこんでしまっていると、それが見る人の注意力を分散させてしまいます。レンズ50mm以下では2.8くらい、それ以上では4.0から5.6くらいを使うのがいいでしょう。上手い具合に背景がボケて、クルマが引き立ちます。

また、走行シーンを撮影する場合、シャッター速度をなるべく下げましょう。「1/250s」という風に書いてある数字ですが、これは「フィルムに光が当たっている時間の長さ」をあらわす数値です。流し撮りのモード(カメラ画面→三角ボタン)で「モード3(2でもOKでしょう。1は使わないことです)」を選択すれば、最低値の1/60秒でもOKです。というか、GTの場合、1/125以上で撮ってしまうと「動き」が見えなくなってしまうので、流し撮りでは極力、シャッター速度を遅く(数字を小さく)設定するのが肝です。

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さて、こちらがGTで撮影した画像ファイルを読み込んだ状態です。一部ファイル名に特殊な文字(ウムラウトとか)が入っていると読み込めないので、ニュルブルグリンク/リエージュ/コートダジュールで撮影した写真は、あらかじめリネームしておく必要があります。

 

 




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ここで「修正」タブをクリックし(赤丸の部分)、「自動色補正」アイコン(赤矢印)を一度クリックします。ソフト側で自動的にある程度、色調補正をかけてくれます。多くの場合、画像の明度・彩度がアップします。ただ、時々明るくなりすぎて色が飛んでしまうこともあるので、そんなときはCtrl/Zで元に戻して、この機能は使わないようにしましょう。





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補正をかけたところ。明度・彩度ともにアップしています。次に、「トーンカーブ」アイコン(矢印)をクリックしてください。








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まず、赤丸のプルダウンメニューを開いて、項目「RGB」が選択されていることを確認します。次に、白いパネルの上にある操作ポイントをマウスでドラッグして動かし、「S字状」になるように調整します(左図、青ライン)。もっとも、RGBはこんなに極端にいじることはまれで、大体は多少、上下に移動するだけですませます。GTのフォトは総じてコントラストが低く、トーンが平版的なので、この操作で色調を上げてやるわけです。ここではあまりバランスを崩すような補正はかけず、あくまで元の色彩プラスアルファ程度に抑えておきましょう。



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次に、プルダウンメニューを開いて「明度」をクリックします。その上の「初期化」ボタンを押してトーンカーブを元に戻し、あらためて形状を調整します。ここでもS字を描くように調整しますが、RGBのときよりも振れ幅を大きくします。一般的に、上げる曲線(左図パネル部分右側)は控えめに、下げる曲線(同左側)は大きく下げます。操作ポイントが接地するくらいまで低くしてかまいません。GT写真は生の状態だと、特に「黒」の発色がよくないので、こうやって黒い部分をつぶしてやるわけです(実車の写真でも、タイヤとホイールハウスのスキマなんかは黒つぶれしていますよね)。


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同じ行程で「彩度」をクリックします。今度は両方の操作ポイントをx軸に交わらせるくらいに大きく動かします。上のプロセスで彩度が落ちているので、赤や黄色といった色をここで「戻して」やるのです。反面、背景の彩度(プレビュー画面赤囲い)は落とすことで、見る人の目をクルマに引き付けます(写真によっては下げる側の調整がほとんどいらないこともありますし、逆またしかりです。この辺の判断はケースバイケースですね)。




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次に、左のパネルで「フォーカス」(V字状のアイコン)をクリックし、出てきたウィンドウで「フォーカス」をプラス4(右に一クリック)、「粒状化」をマイナス4(左に一クリック)に設定します。絵をシャープにするためです。







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続けて円形の「色調補正」アイコンをクリックします。この辺の調整は任意ですが、この写真の場合、最終調整として「鮮やかさ」をプラスし、「硬調」側に一クリック動かします(コントラストアップ)。その他、色の調整は必要と感じたら行ってください。もちろん、必要ないときもあります。






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さて、このままでも独特な雰囲気をもった加工写真の出来上がりです。ただ、構図の関係などで「もう一味、プッシュがほしい」といった場合、続けて「暗室」タブをクリックします。







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ここでは、おもに「色温度」を調整します。温度計のアイコンをクリックして、操作画面を呼び出します。プラスで青っぽく、マイナスで黄色っぽくなります。ここではマイナス2に設定します。








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次に、カメラのアイコン(そのまんまですね)で「カメラ効果」をいじります。「セピア」を選択し、効きを「1」にします(2や3ではちょっとくどく感じます。特に上で色温度をマイナスに振っている場合)。







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さて、満足のいくものに仕上がったら、画像を保存します。Ctrl+Sで左画面のような操作パネルが出てきます。画像の容量をあまり大きくしたくない場合、クオリティを少し落としてみるといいでしょう。







NBR24 (2)

最終的な作品がこちらになります。色温度調整+セピアをもう少し強くかけて、色調補正で赤や黄色をもう少し強くすれば、夕暮れ時のような色彩を再現することも出来ます。







いかがでしたでしょうか。他に私が加工したGT写真類はこちらのFlickrページで見ることが出来ますので、参考にしてみてください。さて、後編では、MMDを使ってキャラクターを合成する方法をご紹介します。乞うご期待。

2012年2月 4日 (土)

近況

どうも、SimacherPです。世界的に寒い天気が続いているそうですが、そんなのどこ吹く風とばかりにマレーシアでは暑い日々です。どうにか新しいPCが手に入ったはいいのですが、どうも毎日忙しい(クルマの免許を取り始めたせいかな)上に、妙な脱力感が続く感じで、どうにも動画まで手が回りません。重態ですな・・・

さて、そんな状況にもかかわらず、1月末の旧正月にまとまった休みがとれたので、ペナン島に行ってきました。目的はもちろん買い物。コタバルでは手に入らないブツが多く手に入る大都会です。マレー系が多いコタバルと違って、ペナン島内は華僑が9割くらいなんじゃないかと思うほどマレー系がいません。インド人もそこそこ多かったですね。マレー系は半島側のペライ地区(Seberang Perai)やバヤン・レパス(Bayan Lepas、日系企業の工場があったり空港があったり)に集中しています。



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さて、こちらが今回ペナン島で買ってきたもの。アニメ3本+2011年ミクの日ライブDVD、雑誌2冊、PSNアカウント用カード(DLC用)、リンキンパークのアルバム、ホットホィール2台(インフィニティG37、フォードGT LM)、ガム。コースターはたまたま行ったレストランからくすねてきたもらってきたものです。「Beck's」ブランドはジャガーF1チームのスポンサーをしていましたね。


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リンキンパークの最新アルバム「A Thousand Suns」。核戦争をテーマにしたコンセプトアルバム、なんだそうです。オッペンハイマーのインタビューをサンプリングした曲をリンキンパークが作ってくるとは正直、予想外でしたね。ジャケットがカラーなのは特別版で、マドリードライブのDVDとの2枚組です。価格は40リンギ(1リンギが25~26円くらい。以下1リンギ=RM1と表記)。1000円くらいとはお得な買い物です。通して聴いた感じは、なるほどこれは好みが分かれそう。確かにコンセプトアルバムとしては上出来だけど、ハイブリッドセオリー~メテオラあたりの、ところかまわずシャウトしまくってたリンキンが好きな人には、ちょっと「?」となるかも。ミニッツ・トゥー・ミッドナイトみたいな、おとなしめの曲が多い印象です。おすすめはダントツで「Iridescent」(トランスフォーマーの主題歌かなんかだっけ?)。その前の短いトラック「Wisdom, Justice and Love」からのつなぎも含めて、「これは」と思わされる曲。



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トップギアマガジンは、2月号をフライングゲットです。例によって2011年CotY選考会場(毎年2月号で行う)。今年のノミネートはマクラーレンMP4-12C(あっちこっちで絶賛されてますが、私個人はそれほどのものじゃないと思うなあ・・・)、BMW 1シリーズM(私の中のCotY2011。DLCでGT5に来ないものか)、ランボルギーニ・アヴェンタドール、レンジローバー・エヴォークなど。ちなみに、トップギアCotY2010は、ケーニグセグ・アゲーラ、ブガッティ・ヴぇイロンSSといった並み居る強豪を抑えて、シトロエンDS3が総合優勝を勝ち取っていました。一冊RM10。真ん中にでっかく映っている黒いクルマは「フィスカー・カルマ」、アメリカのEV高級サルーンです。

アニメ3本はアイマス、Working!(1,2期)、シュタゲ。RM25~29でした。あの丸いステッカーが付いているのが正規版ディスクの証明です。ミクパDVDはRM15でした。日本人からすると安いものですね。正規版なんて、もっと目玉が出てくるプライスタグかと思いましたが、そうでもないみたい(もしかして国家ぐるみでコピー版製造・・・さすがにそれはないか)。



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PSNカード。前回買ったカードが切れたので、補充に購入。RM100のカードが欲しかったんですが(日本の3000円分相当かな)、ペナンのソニーセンターでは売ってませんでした。仕方なくRM150のキャラものを購入。4000円分くらいでしょうか。これで当分、DLC購入には困りませんね。


さて、その後無事帰ってきたわけですが、ほどなくして大トラブル発生。なんとGT5ディスクが読み込まなくなってしまったんです。買って1年ちょっとしか経っていなかったのですが、他のゲームは動いていることと、データの再インストールでも解決しなかったことから、原因は多分ディスク。なら丁度スペック2も出たことだし、この際ディスクごと新調しようと、コタバルで購入しました。RM190。ペナンで見かけたときはRM199だったので、ちょっとばかり安い買い物をしたことになります。日本では市価5000円弱とのことですが、RM190は約4750円。こっちでも同じようなものです。以下、ジャケット比較。両方とも、言うまでも無く右がスペック2ディスクです。個人的には、スペック2ディスクのジャケットのほうが「シンプルでカッコいい」感じがしてグッドな印象ですが、架空のクルマをジャケットに持ってきたことに対する批判もあるみたい。そりゃまあ、グランツーリスモなんだし・・・ね。

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ところで、日本版スペック2は2月2日発売とありましたが、アジア版スペック2はそれより早く、1月10日に発売されています。また、上のほうで「価格はほぼ同じ」と書いていますが、日本版の同梱DLC(プロダクトコード)が「コンプリートパック」(サーキット2つ+クルマ15台+ペイント+ウェア)のみであるのに対し、アジア版は「コンプリートパック+カーパック2(GT-R '12、ゴルフR、シロッコR、ミニクーパーSの4台セット)」のコードが同梱されています。要するに400円分お買い得なんですね。なんかアジア地区優遇されてないかい山内P? いやまあ、ありがたいんだけども。


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DLC2つ入りを示すステッカー。しかし私の場合、すでにDLCはコンプリートしてるんだがなあ・・・サブアカウント用にとっておきますか。ちなみにコードの期限は2017年でした。余裕じゃん・・・それまでにGT6が出ていれば、ね。


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中身。ディスク盤面はスペック1と同じでした。日本版は確か違うものだったはず。一瞬「こりゃ返品か」と焦りましたが、なんのことはない、普通のアップデート済みディスクでした。紛らわしい・・・


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最近はやり(?)のリバーシブルジャケット。X2011のおしりが拝めます。


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説明書もスペック1とまったく同じものでした。これも日本版ではリニューアルされていたはず。もしかしてDLC分のコスト削減で、そのままになっているのだろうか・・・?

結局、本業(?)の動画の話が一行も出てこないまま終了となりました。はぁ・・・

2012年1月20日 (金)

新PC導入・復活

どうもご無沙汰しておりました、SimacherPです。このたび、ようやっと重い腰を上げて新PCの導入を行うことができました。といっても私が買ってきたわけではありませんが・・・とりあえず、あのストーンエイジ・デスクトップPCとやっとおさらばできるわけです。随分と当初予定より遅れてしまいましたが。 以下、開封記録みたいな感じで写真つき解説を行っていきたいと思います。

 

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モデルはhp製Pavilion dv4-3100(詳細スペックについては、ブログページ右肩の「プロフィール」内に詳記)。こんな感じの箱に入ってやってきました。hpのものはシンプルなデザインですね。エイサーを派手なスポーツカーとするなら、hpはさしずめレクサスといったところでしょうか。

 

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内容物一覧。PCショップでちょうど旧正月キャンペーンをやっていたそうで、いろいろとオマケがついてきています。左上から時計回りにノートパソコン用アクセサリーキット、運搬用バッグ、セキュリティソフトと保証書、本体、オフィス2010ソフト、ランヤード(?)、電源コード類。ねんぷちはサイズ把握用です。モニターは14インチ。

 


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アクセサリーキット中身。シリコン製?キーボードカバー、USB駆動のPC冷却ファン(本体下に敷いて使うタイプ)、4ポートUSBハブ、ヘッドセット、マウスパッド、USBマウス、クリーニングキット(クリーナー液、ブラシ、クロス)、PC用ロック(自転車のロックみたいなアレ)。これ以外に、ノートPC用外付けRAM・4GBが付属していましたが、これは購入段階で組み込まれていました。



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一式をキャリーバッグに納めたところ。ソフトケースなので耐衝撃性は心もとないですが、軽いので運搬しやすいです。

 

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同梱ソフトはこの2本。オフィスは滅多に使わないのでまだインストールしていません。



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机の上に置いたところ。キーボード配列が独特というか、まだ慣れてないので若干打ちにくく感じます。机が汚いのはご勘弁を・・・笑




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オマケのUSBマウスですが、はっきりいって小さすぎです。全長が人差し指くらいしかないので、握りにくいし細かい操作が難しい。まあ、オマケなので仕方ないでしょうがね。

というわけで、第8回MMD杯も予選がスタートしてしまいましたが、動画どころか動画のネタすら上がってないSimacherPなのです。今回の杯はあんまり期待しないほうが精神衛生上もいいかもしれません・・・。では、本日はこれにて。

2012年1月 1日 (日)

2012年いっぱつめ!

あけましておめでとうございます、SimacherPです。ついこないだ2011年の新年記事をあげたはずなんだがなあ・・・なんて思っていたら、「やせいの 2012ねんが あらわれた!」です。こりゃもう 「→にげる」 しかないでしょう・・・(なんで!?)。

まあ、冗談はさておいて、今年の野望・展望もろもろ。まずは、MMD杯出場。たぶん今年も年2回開催(2月前後・夏前後)でしょうが、出来れば全戦出場といきたいです。そろそろ無名の状態から脱却したいですねー。出場だけではつまらないので、今年じゅうには入賞を狙っていきたいです。去年の「マイリス3桁」に比べるとなんとも大言壮語に聴こえますが、頑張れ自分。ブログの更新頻度については、昨年はそこそこのペースを維持できていたと思うので、全体的に2011年くらいのペースでいきたいと思います。書くネタがあれば、ですが・・・。

モーターレーシングでは、とにかくフェラーリが現在の混沌カオス状態から脱却できることを祈るばかりです。2010年の負けがかなり僅差だったせいで2011年への期待も大きかったのですが、見事はずされましたね。逆に言えば、2010年にギリギリまでチャンピオン争いをしていたせいで11年用マシンの開発期間が短くなったのか・・・。今年はレッドブルのせいで各チームとも早めに今季用マシン開発にシフトしていたようですが、戦力の均衡化はなるのでしょうかね。それと、忘れてはいけないのが安全性。F1ではさすがに大きな事故はありませんでしたが、昨年10月にIRLのダン・ウェルドン、2輪世界選手権のマルコ・シモンチェリが相次いで亡くなる事故が起きています。このうち後者はまさに私の在所・マレーシアで起きており、国内でも大きなニュースになりました(ウェルドンの事故と並んで、レース博士的な立ち位置の私は友人知人から質問攻めに。ただ、みんなあまり変なコメントはしてなかったのが幸いでしたね)。メジャーカテゴリーでの死亡事故が久方ぶりに発生したことで(しかも2件)、あらためてモータースポーツの安全性に警鐘が鳴らされたといえます。また、注目度が今ひとつ低いですが、FIA GT1カテゴリが12年度いっぱいで廃止され、GT3に統合される、など。リーズナブル(1台400~500kドル)だったり操縦性が良好(トラクションコントローラー? アンチロックブレーキ? 何でもつけちゃっていいよ。ただしカテゴリによりますが)だったり、普及させる気満々ですが、GT3はドライバーもアマチュア中心だし、エンジンも500hp前後なので迫力があんまりありません。昔、ポルシェとジャガーとメルセデスがユノディエールで400kph競争してた時代のゾクゾクする感じが欲しいんですがねえ・・・。

昨年3月の震災からいまだ復興を果たせていない地域もあり、今年の元旦はそれぞれ違った気持ちで迎えることとなったかと思います。そんな状況ですが、あえて「あけましておめでとうございます」の言葉をあらためて送りましょう。2012年が「めでたい」一年でありますように。

2012年 元日
SimacherP

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