« アドバンス・GT写真講座 その1~写真加工編 | トップページ | 第8回MMD杯総括 »

2012年2月28日 (火)

アドバンス・GT写真講座 その2~ミクさん合成編

ご無沙汰です。さて、講座第2回は「GT5で撮った写真にキャラクターを合成しよう」という趣旨のもとでお話ししたいと思います。以下の講座内容は、一部昨年に書いた記事の内容とかぶるものがありますが、時間の経過とともに筆者の編集能力やPCスペックが格段の進歩を遂げたため、プロセスによってはほとんど別物ともいえる内容となっています。前回記事を読んでくださった方も、アップデートのつもりでこちらの記事を読んでみることをお勧めします。   
   
まず、その1で使用した編集ソフトに加えて、ニコニコ動画でつとに有名な「MMD」(MikuMikuDance)というソフトをDLする必要があります。ダウンロードはこちらから。最新版の「V7.39dot」と少し古い版の「V5.24」があります。基本は各種周辺機能が充実している最新版(DirX11世代向け)を使いますが、グラフィック性能が心もとないPCの場合、DirX9向けの5.24を使用することもあります。筆者も旧PC時代は5.24を使っていました。   
   
読み込ませる(合成させる)モデルは必ずしも誰でなくちゃいけない、というのはありません。好みで選んじゃってOKです。ニコニコ動画「MMDモデル配布あり」タグや、VPVP Wikiの「モデルデータ」欄から、各種サードパーティー製データが無料でDL可能です。ミク以外のキャラモデルも充実しているので、クルマ同様、自分の好みで選んじゃってOKです。ただ留意したいのは、モデルによって写真合成との相性の良し悪しの差が激しいこと。たとえば、MMDソフト本体にミクはじめボーカロイドキャラ一式のモデルデータが同梱されていますが、これらのモデル(モデリングした人物の名称をとって「あにまさ式」と呼ばれています)はお世辞にも「馴染みがよい」とは言えません。ミクモデルの場合、特に「1052式」シリーズ(かなりたくさんバリエーションがありますが、一部配布終了・限定配布のモデルもあるので注意)、「Lat式」シリーズがこれらの用途において双璧をなす存在です(ニコニコ動画の「フォトジェミック」タグにて検索すると、幸せになれるかもしれません)。最近ここに「らぶ式モデル」や「Divaぽいど」などの新兵が加わってきていますが、やはり前者2つの優位は大きいです。いわばマクラーレンとレッドブルですね。ここで絶対に注意してほしいのは、モデルごとの利用規約(DLしたセット内のReadMeファイルに書いてあるもの)を遵守した使用をしてくれ、ということです。基本的に「モデルデータの再配布」は厳禁。また、「R-18的」な絵面での使用も、OKな人とダメな人がいるので留意が必要です。   
   
説教くさい話は終わりにして、早速作業に入りましょう。MMD上の合成作業を行う場合、まず一枚GT内のマイドライバーを同じアングル・設定で撮影したものを用意します(カメラ位置選択画面で三角ボタンを押して、ドライバーを写すかどうかを切り替えられます)。この時使ったレンズの数字(50mmとか80mmとか)を覚えておきましょう。一枚撮ったら、そのままの設定(何もいじらない)でセレクトボタンを押し、ドライバーを視野外に退出させます(セレクト→スタートで移動する対象をクルマ・ドライバーで切り替えられます)。画面内にドライバーがいなくなったら、シャッターを押してもう一枚、同じ構図のものをとります。ピント対象であるドライバーさんが退場してしまったため、画面中ピンボケで変な感じの写真が出てくると思いますが、かまわず保存します。PCに取り込み、「その1」で解説した要領でフィルターがけを行い「リアル化」してやってください。    
   

       

021さて、ここからMMD上の作業が主になります。先ほどの写真をD&DでMMDに読み込みます。左図でも、「同じ構図でドライバーありとなしの写真」を連続で撮影しているのがわかります。   
    
    
    
    
    
    
   

       

023ここで左図中、赤丸で示した部分(筆者はMMDを英語で使っているのですが、日本語でもレイアウトそのものは同じのはず)のスライダーで「画角」を調整します。この「画角」ですが、ようするに「レンズのゆがみ効果」を調整するものと考えてしまって結構です。Wikipediaの記事に、レンズの焦点距離と画角の関係図表が載っています。今回は85mm(「ポートレートレンズと呼ばれるくらい、人物写真に適したレンズです。中望遠の範疇に入ります)なので、対角線画角28.5度、スライダー上では29度に設定します。レンズの焦点距離をいちいち覚えるのは大変なので、たとえば「50mmと85mm」というふうに、使うレンズをあらかじめ決めておくのがいでしょう。筆者は32・50・85mmの3種類を使いまわしています。GT5・フォトモードのレンズは14mm~500mmまで自由調整できるすぐれものですが、あんまりレンズがばらばらだと、あとで画角を合わせるのに苦労することになります。    
   
023さて、次はモデルの読み込みです。画面左下、茶色い選択ボックス内の赤丸で示したボタンをクリックし、読み込みたいモデルデータ(pmdないしはpmxというフォーマットのもの)を選んで開きます。今回は無難に「Lat式」さんにご登場いただくことにしましょう。このモデル、きれいなことは確かなのですが、ちょっと色彩が平版的(胸の話じゃないよ)で、初心者には使いにくいかもしれません。かくいう筆者もちょっと敬遠ぎみですが、「かわいい」という必殺技の前には勝てんでしょう。    
    
    
   
024読み込み直後の画面がこんな感じです。図中のタブメニューを開き、矢印で示したふたつのメニューを操作します。上のもので座標軸を消し(これを消し忘れると、できあがった画像にしっかり出力されてしまうので注意)、下のものでスライダーを呼び出して、モデルのエッジ(黒ふち)を「0」にしましょう。「0」でモデル細部が見づらい場合、MME(後述)でなんとかするか、エッジを0.3~0.5くらいかけてやりましょう。    
    
    
    
   
026さて、モデルさんにポーズをとってもらう番です。といっても、何から何まで自分でやる必要がありますが・・・(いちいち付け方を説明している時間がないので、その辺は各自で探してみてください。不親切ですいません)。1の赤丸は表情をつける欄。モデル読み込み時点でのデフォルト表情のままでもかまいませんが、状況によって表情を変えたり、笑顔の出し方を調整したりする作業で、完成度がより高くなります。ひととおりポーズ・表情をつけて、満足のいくものが出来たら、2の赤丸で示したプルダウンで「カメラなんちゃら」(要するにMMD内のカメラの制御ですね)を選択します。    
    
   
028ここで、GT内で撮っておいた「ドライバーあり」のほうの画像を小さいウィンドウで開いて、いわゆる「二窓」状態にします。両者を見比べながら、赤丸で示した部分をマウスでドラッグし、MMD内カメラの位置・回転をいじって、極力近づけます。ドライバーあり写真がないと結構苦労するのですが、物理的にドライバーを配置できない場所に合成したい場合など、参考画像なしに勘であわせていったりもします。モデルのポーズや表情でボロが出ていたら、上のプロセスに戻って調整します。あるアングルで無問題に見えていたポーズ・表情が、角度を変えると見栄が悪くなるというのは、実はよくあるパターンです。    
    
     

029カメラあわせが終わったら、赤丸で囲った部分のスライダーで光の色を調整します。RGBそれぞれを強めたり弱めたりして、元画像に近づける作業です。勘と視力、そしてPCのグラフィック性能(笑・・・)がものを言います。   
    
    
    
    
    
    
   
030次に、その直下のスライダーで光の来る方向をいじります。地面影が映るショットでは非常に重要ですが、ここの作例はバストアップ構図(下半身のポーズや影をいじらなくていいので、ある意味初心者向けの構図ですが、上体だけで表情を出さなきゃいけないのでなかなか大変でもあります)なので、大まかに向きを合わせる程度です。ここでは説明用に影を表示させていますが、実際はカメラを移動しなくても調整できます(どこへどれくらい移動させたか、を把握していることが前提ですが)。自信がなければカメラをいじって調整し、終わったら元に戻すやりかたで行きましょう。    
    
   
031作業が終わったら、画像ファイルとしてこれを書き出します。その前に、画像内のメニューをクリックして、出力する画像のサイズを決めておきましょう。    
    
    
    
    
    
    
    
   
032GT内の写真は、ズーム「×1」で1920・1080のフルHDサイズ(ズーム「×2」でその2倍)なので、基本、元画像と同一のサイズで出力しましょう。ただ、PCのグラフィック性能によってはフルHDを出力しようとすると真っ黒になって出てくる場合がある(例:筆者の旧PC。グラフィック64MBなり)ので、その場合は1280・720で泣く泣く妥協しましょう。    
    
    
    
 

033図中のメニューから矢印の項目をクリックし、画像ファイルを生成します。   
    
    
    
    
    
    
    
    
   
034ファイル名を適当につけて、出力フォーマットを劣化の少ないpng形式に設定します。出力先はデフォルトでは「MikumikuDance→UserFileフォルダ内」ですが、よそへ出力したい場合ももちろん、自分で変えられます。    
    
    
    
    
    
    
                                 

035ここから、「その1」で紹介した編集ソフト「PhotoCreator SE」での作業に移ります。例によってD&Dで画像を読み込みます。   
    
    
    
    
    
    
    
    

036「暗室」タブから矢印のボタンをクリックして「焼きこみ」ウィンドウを開き、「ペンで編集」をクリックします。モデルの陰影を増強するのが目的です。ペンタブを持っていればそれを使うのが早く済むでしょう。マウスでも出来なくはありませんが・・・。   
    
    
    
    
    
     

038画像をズームして細部をいじりやすくしておき、ブラシの太さを選択して陰影の部分を「描きこんで」行きます。作例では光のさえぎられる部分は赤丸で囲った部分(鼻の影、ほっぺ下部、脇)です。この辺は鉛筆デッサンなんかをやっている人が有利かもしれません。   
    
    
    
    
    
    

039次に「ペイント」タブからブラシアイコン(「こする」)をクリックして、先ほど書き込んだ影の境界を中和していきます。もちろんペンタブでの編集が出来る環境が楽ですが、ないものは仕方がないのでマウスで仕上げます。「重ねがけ」できるエフェクトなので、何回か重ねて境界が目立たないようにぼかしていきます。   
    
    
    
    
   

040「暗室」タブに戻り、矢印で示した多重円のアイコン(「円グラデーション」)をクリックして、顔の部分を囲ってください。   
    
    
    
    
    
    
    
        

041先ほどの「焼きこみ」を再びクリックします。円形範囲内の部分のみに効果をかける際の方法です。効果を少し強め(20~30くらい)に設定して適用します。Lat式モデルは顔が多少明るいので、このプロセスで顔部分の色の「飛び」を抑止するわけです。この状態から適宜、後加工を行なってフィニッシュです。

    
    
    
    
    

以下、欄外補足みたいなものでも。今回の作例は、エフェクト部分以外完全に「MMD」と「PhotoCreator SE」のみで作っています。ここに「MME(MikuMikuEffect)」というソフトを加える人もいますが、このMMEというのは「MMD上でじかにエフェクトをかけられるようにする」もので、たとえばディフュージョンといったフィルタ効果や、モデルにシェーダー(モデル本体のコントラストや明度彩度をいじるエフェクトの総称)をかけた状態で出力できるようになるわけです。特にシェーダーを使うと、モデルの質感ががらりと変わることも多く、上手く使えば完成度が飛躍的に高まります。欠点は要求性能が割りと高いことで、確かグラフィックが数百MBくらいないと動かないものだったはずです。1GBくらい確保しておけば問題なく動くものと思いますが・・・。使いたい人向けに書いておくと、このうちMMDの合成写真製作に有利になると思われるものは「HL-Shader」(ハーフランバートシェーダー、モデルの質感をソリッドにする)、「AdultShader」(モデルの色彩を高くする。MMD本体側で光を調整してやる必要あり)、「Diffusuon」(拡散フィルタ、ソフトフォーカスっぽい絵を作りたい時に)あたりでしょうか。肌の色が白飛びしてしまうようなモデルにHLシェーダーを使って、少し陰影を強調することでエッジ0で使えるようにする、といったことも可能です。ちなみに、どうしたことか「Lat式」モデルはシェーダー系エフェクトを読み込むと無残な結果に終わるので注意しましょう(フィルタ系はOK)。   
   
さて、これにて2回にわたるGT写真講座を終わります。ご意見、感想、質問などありましたら、コメント欄に書き込んでいただければ回答します。以上、SimacherPがお送りしました。   

« アドバンス・GT写真講座 その1~写真加工編 | トップページ | 第8回MMD杯総括 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アドバンス・GT写真講座 その2~ミクさん合成編:

« アドバンス・GT写真講座 その1~写真加工編 | トップページ | 第8回MMD杯総括 »

フォト
無料ブログはココログ

リンクリスト

  • Pixivページ
    自分の描いた絵を置いておく倉庫。当初ニコ静との並行運用だったが今はこっちがメイン (多分…)。更新頻度は高くない。同人イベントの参加情報とかも投下される。
  • Kumaryoong's Paddock
    ソビエト時代の東側諸国におけるモータースポーツ活動について書かれているたいへん誰得なブログ (褒め言葉)。この辺の史料を日本語でまとめたサイトって史上初かもしれません。
  • 作った静止画一覧
    主にMMDで作った静止画を上げています。最近はこっちの頻度のほうが高いですね。
  • Racing Sports Cars
    ル・マンや旧WEC/WSPC/SWC、さらには旧WCMなど、スポーツカー・レースの参戦車両の膨大な資料写真を有するサイト。ドライバー別・車種別検索機能完備。F1もちょびっとだけあります(70年~82年)。
  • F1-Facts
    1950年イギリスGPより、F1に関する全記録を蒐集・公開しているサイト。各年度リザルトページからマシン一覧・写真ページに飛ぶことができます。あなたの知らない名車に出会えるかも。IEは右クリックでの画像保存が出来ないので、PCに保存する際はFireFoxなどを使用してください。
  • 誰得 (boulog)
    謎多きF1マニア(?)、bou_ckさんのブログ。「Wikipediaに載ってないような脳内資料置き場」を標榜するだけあって、その名に恥じぬディープ過ぎるF1マシン解説!Wikiどころか、ネット上にもそうそう無いようなマシンが目白押し。ちなみに「誰得」とは「誰が得するんだこんなもん」的意味合いのフレーズ。 2015.12.13追記: このほどYahooブログからfc2ブログに移転されました。
  • 作ったもの一覧。
    私の動画作品一覧です。気力の低下と更新頻度の低下はすべからく連動しています。