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2012年12月

2012年12月31日 (月)

2012年総括的な何か

今年も残り数時間。SimacherPです。一年が終らんとする時なので、まあ回想というかそんな感じで一年を振り返っていこうかとおもいます。

まず動画の話でも。MMD杯は今年も二回参加を達成しました。8回杯のgdgdっぷりを9回杯で挽回した感じですが、個人的には「まだまだ」という感じ、まだもっと上にいける (というか「行きたい」) ような気持ちです。来年の杯は二回参加できるかどうかわかりませんが、その分一回一回に全力を傾注したい所存です。第10回杯が1月18日に控えているので、来年も応援よろしくお願いします。

ただMMD杯以外では、動画という意味ではひじょうに不毛というか、不作な一年だった気がします。杯と杯の間の「戦間期」、その辺にぜんぜん動画を上げられてないのです。このへんも来年で改善していきたいのですが、本人のモチベーション的に難しいかもしれない… 面目ない。

いっぽうで静画のほうは大盛況というか、自分でもびっくりするぐらい多作の年となりました。なにしろ1年ちょいで200枚を突破したぐらいですからねえ (注:非MMD作品を含む数字)。なんというか手間がかからないので、動画よりとっつきやすいんですよねえ…。

モータースポーツ的には、アロンソが善戦敢闘しながらチャンピオンについに手が届かなかったのが返す返すも残念というか。しかし最後まで希望を捨てず、夢を見せ続けてくれたアロンソの走りにぼくは心を打たれたのです。個人的バイアスがかかりまくってますが、ブラジルでのアロンソの走りにジャン・アレジの幻影を見たような気がしたのです。…うん、バイアス入りすぎだな。

そんなこんなで、公私ともいろいろあった一年でしたが、そこはわが持論「晦日に笑ってれば大勝利なり」。旧年中お世話になった皆さんがた、本年はありがとうございました。Guten Rutsch ins neue Jahr (良いお年をお過ごしください)。2013年もよしなにお願いします。

NY2013-01E2 - Copy (2)



















2012年大晦日 紅白歌合戦を横目で見ながら
SimacherP

2012年12月30日 (日)

2012年F1グランプリ・シーズン総括

今年のF1は、ひさびさに「面白い」といえるシーズンだったのではないかとぼくは思う。たしかに後半になるにつれて、序盤のワクワクした感じというのは無くなっていってしまったが、性能的に劣るはずのフェラーリに乗るフェルナンド・アロンソが最終戦までレッドブルのセバスチャン・ベッテルを追い回し、じつにわずか2点の差でベッテルの前にやぶれたのである。すくなくとも去年のように、誰か一人の独走劇ではやばやとタイトルが決まるところを見せられて、観客が飽き飽きしてしまうような展開にはならずに済んだだけ、今シーズンは決して退屈ではなかっただろう。最終的に異なる六つのチームから八人ものウィナーが誕生した今シーズンは、あらゆる意味で歴史に残る一年となるに違いない。以下、今シーズンの全チーム・ドライバーを10点満点で採点した結果を記す。シーズン全体の成績や走りっぷりなどを評価に入れての判断だが、もし多少の独断や偏見、個人的推論に基づいた採点とおもわれるところがあれば、それはぼくの責任である。 (31/12 一部改稿)

レッドブル・ルノー 8/10 (Sベッテル9/10、Mウェバー6/10)
今年も前年に引き続きダブルタイトルを獲得したレッドブル。若く速いドライバー、有能なデザイナー、それをバックアップできる潤沢な資金と、必要な物が全て揃っているのだから当然の帰結だろう。個人的にはあまりおもしろい結果ではないのだが、事実は事実であるし、彼らがすばらしい働きで序盤戦の遅れを帳消しにしてしまったことも確かだからだ。ベッテルはまだまだ若いが、最年少でトリプルクラウンを手の内にし、順風満帆といった感じである。まあ車が車なだけに、どこまで彼の実力なのかというのが測りにくいのはあるかもしれない。ウェバーは中盤辺りまでは上手く行っているように見えたのだが、その後選手権の趨勢が固まるにつれて生気が無くなっていったのが気になった。昔の彼らしい、闘志あふれるファイターぶりをもう一度見せてほしい。

マクラーレン・メルセデス7/10 (Jバトン6/10、Lハミルトン8/10)
レッドブル、フェラーリとならんで今季トップ3の座にすんなり収まった名門チーム。開発方向の失敗で序盤低迷を続ける中でも、エースのバトンをさしおいてハミルトンが力走を重ね、ひとびとに深い印象を与えた。全体的にピットミスやメカニカルトラブルなど、名門らしからぬつまづきがあちこちで目についたため点数は低めだ。相次ぐギヤボックストラブルやエンジントラブルがなければ、特に終盤戦においてコンストラクターズ選手権での対フェラーリ戦がより楽になったかもしれないのだ。バトンは全体的に不発の年だったと言わざるをえない。来年は若きチームメイトのセルジオ・ペレスがやってくるが、この二人の戦いも楽しみである。

フェラーリ 5/10 (Fアロンソ10/10、Fマッサ8/10)
レッドブルが「チーム力」でタイトルを取りに来たとすれば、こちらは完全に「ドライバーの力」でタイトル争いに踏みとどまっていた。どんなに素性のいい車でも、そこから熟成できなければ意味が無い。アロンソによると、F2012は5月の時点で完全に開発はストップしていたのだという。いちおう終盤戦に向けて排気系等がアップデートされてはいたようだが、マッサの調子が良くなるばかりでアロンソにはなんの助けにもなっていないように見えた。そんな車で彼は最終戦までチャンピオン争いに望みをつなぎ、頭上にチェッカーフラッグが舞う瞬間までアクセルをゆるめることをまったくしなかったのである。ベッテルを若い速さとすれば、彼の走り方はベテランの走り方である。ペースを上手く出し入れしてタイヤを使い切る、頭脳派な戦い方だ。二ポイント差で涙をのんだ責任はおそらくチームにこそあるだろう。マッサも序盤こそ「どこを走っているのかわからない」状態だったが、終盤になるにつれて復調。アメリカグランプリでは戦略的なグリッドダウンを受け入れながら (賛否両論あるが、個人的には英断だったと思う)、アロンソのエスコーターを最後までつとめきった。それだけに、アロンソのベルギーと鈴鹿での取りこぼしが悔やまれるのである (いずれも不可避のアクシデントといえばそれまでだが…)。

メルセデス 4/10 (Mシューマッハ6/10、Nロスベルグ5/10)
今年の初め頃にロス・ブラウンが車の設計上の問題を挙げていたが、けっきょくリザルトを見ると最後まで改善されなかったようである。ロスベルグがいちおう中国GPで勝ってはいるが、その後の走りっぷりを見るとあれは棚ボタ以外の何でもないような気がしてくるから悲しいものだ。シューマッハも凡ミスというか、「らしくない」シーンが多々あったものの、モナコGPでのポールを評価しての採点。引退間際のいい土産になったことだろう。特に後半戦において、まったく活躍らしい活躍はしてくれなかったといっていい。来年はシューマッハにかえてハミルトンが移籍してくるが、開発ミスでまたしてもシーズンを棒に振るような展開にならぬよう祈るばかりである。

ロータス・ルノー 8/10 (Kライコネン8/10、Rグロージャン4/10)
こちらも善戦敢闘、比較的ちいさな世帯のチームながら、開幕前の予想通りトップチームによく食らいつく戦いぶりを見せてくれた。ライコネンの復帰後初優勝はすこし遅かったような気もするが。チームそのものにとっても今季の好戦績は予想外だったらしく、ポイントを取りすぎてスタッフへのボーナスが滞るというウソみたいな本当の話まであった。グロージャンは特にベルギーや鈴鹿での大クラッシュでほうぼうの悪評を集めたが、速さで言えばそこそこ速い部類に入るとは思うので、来年こそが正念場、といったところか。本人曰く「今年は気合が空回り気味で、ルーキーミスを犯してしまった」とのことなので、来年はもうすこし落ち着いて走ってもらいたいものである。

フォース・インディア・メルセデス 7/10 (Pレスタ7/10、Nヒュルケンバーグ8/10)
開幕当初から「あまり目立たない存在」だったが、レスタ、ヒュルケンバーグ両ドライバーとも随所で光る走りを見せてくれた。特にヒュルケンバーグがブラジルで見せたリードラップは、2010年のポールポジションに続く彼のキャリア・ハイライトたりえるだろう。最終的に五位で終ってしまったが、若い速さという意味ではこの男もマークしておいて損はないはずだ。シーズン中、オーナーのV.マルヤが自身の航空会社関連の事件であやうく逮捕されそうになる一幕もあったが、チーム事情はまだ当分安泰のようだし、将来性はあるチームだろう。


サウバー・フェラーリ 5/10 (小林可夢偉6/10、Sペレス8/10)
チーム的には序盤戦での作戦ミスやらピットミスの嵐でずいぶん印象がわるくなったが、後半戦になるとさすがにその辺は鳴りを潜めてきた。ペレスがマレーシア二位、カナダ三位、イタリア二位と三度の表彰台を獲得し速さをアピールした一方で、小林はホームグラウンドの鈴鹿で三位を得ながらシートを失った (このへんは彼のマネージメントのまずさとか、認識の甘さといったものが影響していると思うのだが、今回はひとまずその辺は採点に加味していない。彼の顛末記だけで記事一本書けそうな勢いである)。小林/ペレスのコンビは「攻めのペレス、守りの小林」といった趣でじつにバランスがとれていたと思うのだが。ペレスの速さはやはり本物というか、さすがと言うべきだが、後半戦でポカが多発しているのが気にかかる。つくづく、両極端な走り方をするドライバーである。ペレスは派手な速さ、小林はどちらかというと地味臭い速さで、そのうえ小林もどうもツメが甘いというか、ケアレスミスのようにしか思えないような大ポカ (イギリスGP、ヨーロッパGP、韓国GP) をやらかしている辺り、サウバーの査定に影響したのかもしれない。

STR・フェラーリ 6/10 (Dリカルド6/10、Jベルニュ5/10)
まあ可もなく不可もなくというか、じつに淡々としたシーズンであった。ふたりのルーキードライバーは開幕戦で入賞こそしてみせたものの、それ以降は入賞圏の外縁をうろうろするばかりで進展がない。けっきょくサマーブレイク後の猛烈な追い込みでポイントを重ねたが、前にいるサウバーやフォース・インディアとの距離は去年よりも間違いなく開いている感じだ。もしこれでドライバーが去年のままだったら、とふと思ってしまうが、ここは素直に若造二人の学習能力に期待するほかないだろう。

ウィリアムズ・ルノー 7/10 (Pマルドナド7/10、Bセナ6/10)
前年の大不振から一転、今季は八年ぶりの優勝をあげるなど躍進の年となったウィリアムズ。マルドナドは今年に入ってクラッシュ癖がひときわクローズアップされる結果となったが、予選のペースはシーズンを通してなかなかのものであった。ベネズエラから莫大なスポンサーフィーをもたらしており、将来性もあるのでチームにとっては手放したくない人材だろう。セナは凡庸な戦績で終ってしまったが、チームがぞっこん惚れしているボッタスに金曜FPのシートを奪われるなど、割を食っているようなところが否めなかった。しまいにはレースシートまでぶん取られてしまうのだから悲しいが、彼には新天地での活躍を期待したい。

ケーターハム・ルノー 3/10 (Hコバライネン6/10、Vペトロフ4/10)
昨年の大躍進から一転大スランプという、ウィリアムズと逆のコースを行っているようなチーム。去年の暮までコース上でウィリアムズの尻を追い掛け回していたというのに、である。戦犯はおそらくデザイナーのマイク・ガスコインだろうか。小規模チームゆえ開発が速くないのは仕方ないとしても、今季は遅さがあまりにも目立っていた。コバライネンが開幕戦以外ですべて完走しているのはやはりベテランの意地、元マクラーレンの面目躍如というべきか。ひるがえってペトロフは精彩のないシーズンだったが、ブラジルでひたすら地味に11位完走を果たし、ライバル・マルッシャからコンストラクター選手権の順位 (とそれに付随してくる分配金) をもぎ取ってきたのが見せ場といえば見せ場だった。チームがこのまま没落していきそうな勢いなのは寂しい限りだが、現状がおおきく改善されるめどはまだ立っていないと見るべきだろう。

HRT・コスワース 1/10 (Pデラロサ4/10、Nカーティケヤン2/10)
もはや様式美となった開幕からの堂々予選落ちを今年もぶちかまし、挙げ句の果てにはチームが消えてしまうといった茶番っぷり。シーズン中から資金繰りが苦しそうなところではあったが、まさかこんなに早くフェードアウトしてしまうとは予想外であった。ベテラン、デラロサをもってしても状況はどうしようもない。こういうひたすら存在感もなく、ただ下位を走っているばかりのチームを見ると、ひところのユーロブルンやコローニといった面々を想起してしまう。最後までまったくTVに映らないチームだった。

マルッシャ・コスワース 4/10 (Tグロック4/10、Cピック3/10)
ケーターハム、HRT同様ドライバーの採点が低いが、こんなチームにいればどんな走りをしても目につくはずはないのである。なのでグロックは単純にベテラン補正での点数と考えた方がいい。最高位は両ドライバーともに12位で、実力はそこそこ拮抗しているのかもしれない。グロックが車の文句を言いながらもよく走っていたところを見ると、腕はまだグロックに軍配が上がるのかもしれないが。テクニカル面が徐々にだがしっかりし始めてきたことと、資金の心配をそれほどしなくてもいい点で、ケーターハムより将来性があるかもしれないチームである。いつまで生き残っていられるかはわからないのだが…。

2012年12月29日 (土)

MMD静画講座 ~影の付け方いろいろ~

MMDで実写合成、いわゆるフォトジェミックというものをやるにあたって、ひじょうに重要な要素の一つが地面影。MMDでは標準で地面影をソフト内部で投影してくれる機能がついていて、方向や暗さなどをMMD内部で調整できるようになっています。ただこの「デフォルト影」はあくまでMMDの処理で描画しているので、現実世界における本物の影には遠く及びません。なので、リアルな静画、ほんとうに「写真っぽい」静画を作る場合、地面影の見え方、処理の仕方ひとつで出来栄えが左右されることになります。無論構図をいじって地面影が見えないような絵にすることもできますが。今回の講座では、そういった地面影の処理の仕方について、ぼくが行なっている方法をベースに紹介していきたく思います。

ちなみに難易度というか、仕上げの難しさという点でいえば、意外にも「影なし構図」のほうが難しいとぼくは考えるのです。MMDフォトというのはいわば現実と虚構がないまぜになって混在する絵なんですが、例えば地面影のある構図の場合、足元に伸びる影の存在によって「ああ、この人は本当にそこに立っているんだな」という錯覚 (?) を見せるのが簡単になるからです。その影がリアルであればなおのこと。一方影の見えない、バストアップなんかの場合、足元に伸びる影が見えないので、光の具合なんかを調整せずにバーンと上げてしまうと、「ありゃ、これは浮いてるな」という感じがどうしてもしてしまうのです (着眼点が地面影というのはあくまでぼく自身の場合。他の人からどう見えるかはちょっとわかりませんが)。それを影の助けなしに浮かせないようにする、見る人に「ああ、これは (合成じゃなく) 一枚の写真だ」と思わせるには、やはり相応の手間がかかると思うのです。なのでぼくがそういった構図を作る場合、だいたい上からきつめのエフェクトをかけて相殺していることが多いんです (このへんはまた後でくわしく話すとしましょうか)。だからといって、ヘタクソな影ではこれまた逆効果なのはもちろんなのですが…。あゝ難しい。

さて、本題。MMDにおける「影」の扱い方です。バストアップのような影のない構図の場合、MMD内部の光線処理である程度向きを付けた後でペンツールなどを使って陰影をつけるしか無いのですが、影の見える構図を扱う場合は大きく分けて4つの方法を取ることができます。すなわち、「内部処理のみに頼る/デフォルト影にボカシを入れる/レイヤー別出力で後付する/開き直って何もしない」。4つ目はまあ置いといて、前者三つのうち後ろに行くほどリアルさが増すのですが、同時に手間やPCへの負担といったものも増えていくので、その辺はモチベーションとかPCスペック、所有ソフトとの兼ね合いで決定するところでしょう。 記事を読む前に、まずこの記事とこの記事読んで基本的な部分についての予備知識を付けておくことをおすすめします。

San Gimignano - Town Square_8さて、画像を使ってちょっとこのへんの理屈の説明を。 これは元画像ですが、以前の記事でも書いたように、GT5の場合面倒でもまずマイドライバーを使って影の方向・濃淡を把握したほうがいいでしょう。影の向きと濃さをあわせてやるだけで、出来栄えがかなり違ってきます。







Blog00-00これはMMDデフォルトの影から何もいじってない状態。向き・色ともにトンチンカン状態です。これではダメでしょう。向きを変えるのはMMDの照明調整パネルでスライダーをいじることで簡単に出来ます。影の色は、「表示」タブから「地面影色設定」というところをクリックすると出てくるスライダーでいじれます。デフォルトは1.0で、これを0.0 (暗い) から2.0 (明るい) までスライドさせて調節することができます。






Blog00-01向きをあわせ、影色を0.0にした状態。だいぶ見栄えがするようになりました。初心者の場合、まず何が何でも「向き」と「濃淡」は絶対にいじるようにしましょう。それだけで脱初心者への第一歩は踏み出されるのだから。







Blog00-01 - Copyこれは上の画像を保存後、例のPhotocreator SEで周辺ボカシを行った所です。この写真では周りの影がすこしカッツリしているので多少浮き気味ですが、実写レベルならある程度までは馴染むはずです。ぼくも以前のロースペックPCではこのやり方でやっていました。







では、影がない場合はどうするか。GT5だと、アールヴァイラーはじめ特定のロケーションでドライバーの地面影が出ません。こういう場合、いくつかの対策が考えられます。

Blog00-02これはMMDの地面影を切って (「表示」→「地面影表示」をクリックしてチェックを外す) 出力したもの。実際のGT5内部でもこんなふうな表示なので、それに従った形です。しかしよくみると、たとえば手前の椅子なんかはちゃんと影が落ちていて不自然ですね。これはあくまで「GT5であることを明示的に見せたい」場合 (?) に使う方法でしょう。





こういうふうにGT5のソフトの仕様や、撮影時に曇っていたりなどの理由で影がもともと無かったり、あるいは人物の真下に来るような光の配置の場合。実はこれ、上に書いた「MMDの地面影をそのまま利用する」方法がもっとも生きるシチュエーションなのです。というのは、観察してみるとわかりますが、影は人体の真下に来るほど「円形」に近づくのです。人体を縦から見た断面形状が円形に近いからです。MMDの地面影というのはぼかしても100%、現実の影のようにはならないんですが、たとえば伸びた影 (人間の形がちゃんと出ている影) をMMDで出してぼかした場合のリアル度が70%とすると、丸い影に同じ事をした場合のリアル度は80%ぐらいになるのです。ちょっと日本語力がなくてどう説明すればいいのか、うまい言葉が思いつきませんが、まあそういうことで、「影が真下に来る光の具合」はMMDフォト的には狙い目です。

Shizuha01この写真が一例ですが (影はMMD直出力。それをぼかしたところ)、この人はドレスの裾の関係で影がうまいこと丸くなりません。それでも、たとえば「画面の下方向に伸びた影」よりは見栄えはいいです。








Lemya00これはもうちょっと丸に近い形状の影ですね。これはいろいろ後加工しちゃってるんですが (生データ紛失)、影の部分はやはりMMD影+簡易ぼかしで処理しています。








Blog00-02 - Copyさて、ふたたび先ほどの写真ですが、これはある種の「禁じ手」・フォトショップにご登場いただいたものです。モデルと背景をべつべつに出力し (やりかたは上のリンク記事ふたつめに書いてあります)、フォトショップで影を手書きで加えたもの。GIMPなんかでも似たようなことはできそうです。ベース/背景レイヤーとして背景画像を読み込み、その上に白バックのモデル画像を読み込んで、背景レイヤーのほうにブラシツールで影を描き込んでいます。不透明度は10~15%ぐらいと低めにして、塗り重ねで影の濃淡を出すようにしましょう。



Blog00-04この時、背景レイヤーの地面影とは別に、モデルレイヤーのほうで足元 (靴の脇とか) の陰影を描き込んでやるとリアルさが増します。また、靴のエッジ付近など、全体的に「フチ」に近づくほど影は真っ黒になる、ということを覚えておくといいかも知れません。イラストはそのグラデーションのかかり方を簡単に表したものです (光は靴の向こう側から来ていると仮定)。







XMasE - Copy (2)その技法で作ったのがこの写真。アールヴァイラーのような、光の加減が微妙なところで特に威力を発揮します。これも「背景画像」~「人物レイヤー」の順で重ねあわせて、背景側にブラシで影を塗っています。







Youka12ただこの方法も万能というわけではなくて、たとえばこういう複雑な形状の影は苦手なのです。このへんは影を描く人の画力なんかにも依存するかも知れませんが…笑。これはぼくがペンタブの性能テスト的に描いたものなんですが、ヘタクソですねえ。







Mystia00こっちはもう少しはマシと思われる絵。うまい具合に横におばちゃんがいて、そのおばちゃんの影具合からだいたいの方向や濃淡が推察できます。現実世界の写真ではマイドライバーなんて便利な代物はありませんが (撮影時に友人を同伴してモデルになってもらうことである程度は妥協できるかも) 、写真内にある小物やモブキャラの影をよく見ることです。これはちょっと影をぼかしすぎた気もします。もう少しシャープめのブラシを使えばよかったですね。





さて、ここから少し話がそれますが、「地面影が見えない場合の陰影」。これはもう、MMD側で光の向きをしっかり調整する、としか言えません。出てきた静止画の、たとえば顔の部分とか髪の毛の間とかに必要に応じて影を加えたりしますが、ぶっちゃけメンドクサイのでぼくはあんまり細かくはやりません。その代わりというかなんというか、そういう画像にはえてしてキツめのポストエフェクトをかけがちです。これはまあ、一種作者のクセみたいなもんですが、なんでもかんでもエフェクトでごまかそうとするのは良くない風潮ですね (と自虐ネタをここで一発…)。

Satori02その一例。これはまだ何も手を加えてない、出力直後の状態。MMDで光の向きをいじって、すこしモデル側を暗くしてありますが、それだけです。これをリアルと見るかどうかは個々の判断でしょうが、まあ薄目で見ればなんとなく実写に見えなくもないと言い切るにやぶさかではない、ような…






Satori02 - Copyその上にエフェクトをかけた写真。セピア・色温度・シャープネス・グレイニングの順で、PhotoCreator SEでかけています。こういうふうにキツいエフェクトを一括でかける意味はというと…







Blog00-03…これまた抽象的なイラストですが、まあセルを重ねた状態というか、福笑いのパーツ状態というか、とにかく赤い板が写真、青い板がMMDのモデルという風に見立ててください (イメージとしては板というよりは紙ですが)。その上からエフェクトというシートをまるごとかけて圧着してしまう感じです。赤い紙 (写真) の背景の上に青い紙 (モデル) をくっつけるとして、もちろん上にくっつけるわけだから段差が残るけど、そのさらに上からエフェクトというOHPシート (透明なシールみたいなヤツ) をかけてしまえば、見た目上は平面に近く見える…というような理屈。プラモデルの「研ぎ出し」工程を考えると分かりやすいかも知れません。エフェクトがけの場合、クリアコーターを厚めに吹いてペーパーがけをまだしてない、ぐらいの状態に近いかな。


ここでいう「エフェクト」というのは、白黒とかセピアとかの「全体にわかりやすい視覚的影響があるもの」として考えます (トイカメラ風とかグレインとかもそう。焼きこみとかはエフェクトではあるけど全体にかけるわけではないし、あまり明示的に「どう変わった」というのは見えにくいので除外)。こういうエフェクトはいわばドーピングというか、F1で言えばひところの予選用スペシャルガソリンみたいなもので、多用は決していいことじゃありません。絵柄がつまらなくなるというか、…なんだろうな、チューリップ畑の真ん中の一輪の薔薇は目立つけど、バラ畑の真ん中にバラがあっても誰も気づかない、というのかな、とにかく多用は禁物なのです。ぼくはけっこう多用してる気がしますが (冷や汗)。

Youka11エフェクトではないけど、それに近い働きをするものに「テクスチャ」があります。フォトショップなどのレイヤーが扱えるソフトを持っていれば重宝する存在です。左の写真は元画像+MMDモデルのレイヤーを結合して1枚にし、その上からテクスチャ4枚をオーバーレイ・ソフトライトで互い違いにかけています。この写真はもともとテクスチャがけはせずに済ませる予定だったのが、影の具合がもうひとつ良くなく、神頼み的にテクスチャで誤魔化してしまったものです。失敗作候補の救済なんかに使い勝手がいいエフェクト/テクスチャですが、多用が禁物とされているのは、もしかすると製作者がこういうものに依存してしまって作品そのもののレベルを上げようとしなくなるのを危惧してのことかもしれません (またも自虐ネタ) ね…。



最後ちょっと脱線気味でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。ぼくの手がけている静止画作品はここで見られるので、興味があればちょっと見ていってくれれば幸いです。

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