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2013年10月

2013年10月19日 (土)

ペーパーキット番外編: スバルBRZ GT300 '12

RIMG0052これまで「カーモデル」カテゴリでぼくが取り上げて来たモデルといえばすべてF1カーで、しかもすでに組み立てた状態の完成品であった。それもそのはずで、別に組み立ててもいない型紙の写真を紹介して「これを組むとロータス107になるんだゾ」などとのたまっても説得力はないし (プラモデルと違って、組み立てないと永遠に平面二次元体のままなのである)、そもそも型紙の状態で何を紹介したらいいのかぼくにはわからない (紹介してあるのが今のところF1ばかりなのは単なる趣味の問題である)。ところが今回、友人からちょっとばかり掘り出し物をいただいたのでここに紹介したく思う。先週の水曜か木曜ぐらいだったか、ぼくの車趣味および模型趣味を知っているある友人が、「こんなものがあるのだ」といって車のペーパーキットを持ってきてくれたのである。時計メーカーのオリエントのマークが入った冊子というかカタログみたいなものだったが、中にA4の型紙三枚が挟んであって (もともとの状態でどうなっていたかは不明。封筒かビニールか何かに入っていたのだろうか?)、組み立てるとスバルBRZのGT300仕様レースカーになるというものであった。オリエントはここ数年、スバルの日本GTやニュルブリンク24時間などの活動をサポートしているので、その関係のノベルティであることはすぐ察しがついた。友人曰く、彼の叔父が時計屋を営んでおり、そこから回ってきたものだという。どうやら貴重な非売品のようだったのでぼくは一度辞退したのだが、「このパーツ見るだけで頭痛くなっちゃうのヨ、俺ァガンプラが限度だで (いちおうケランタンにも売ってるらしいがぼくは見たことがない)、もったいないからお前ンとこで組み立ててくれや」と来たので有難く押し頂いた。いやまったく持つべきものはよき友人である。    
   
RIMG0056裏表紙にはオリエントのウェブサイトと、完成見本の写真が載っている。左上の全体図のウィングステーの間が「抜けて」いないのがPhotoshop使いとして非常に気になるがまぁキットにはまったく関係のない話である。車関連のノベルティといえば一昔前、自動車ディーラーに車を買いに行くと記念にうやうやしく献上されたとされる3インチミニカー (今なら43スケールであろうか? 昨今のコストカットの風潮で廃止されたりしてないといいが) の話が思い出される。ぼくはそういった経験がないのであくまで「聞いた話」、ではあるのだが…。そういった市場に出回らない記念品というか、そういう感じのものがぼくは大好きなのである。まさか件の友人氏はぼくのこの性癖を知っていたというのか…。    
   
   
RIMG0058冊子の中身はモデルの組み立て説明図になっている。これまで主に海外キットの、ほとんど何も説明する意思が無いようなポンチ絵めいた説明図 (泣) を相手取って来たぼくにしてみれば、この懇切丁寧な説明図が身にしみてありがたく感じるのである。おお、部品を組み立る「順番」が確りと示されているではないか (「カーモデル」カテゴリの記事を見てみるとわかるが、ほとんどの海外キットは部品の「場所」は示してくれても、それを組み付ける「順番」まで教えてくれない。したがって実際に手を動かす前にパーツと顔を突き合わせてじっくり考える必要がある) !    
   
   
   
RIMG0055実際の型紙はこんな感じ。A4サイズ三枚で、上質な光沢紙に刷ってある。光沢紙はマット紙に比べてレタッチの塗料が乗りにくい (指が当たるとそこからコスれて落ちてしまう) など、扱いがやや難しいので敬遠していたのだが、車のボディー部分の光沢を表現するにはぴったりの材質である (反面タイヤやサスアームといった部分には向かない。神経質な人はボディ側とタイヤ側で用紙を変えて刷ったりする)。上の説明図面からもわかるが、型紙設計は篠崎均 (ひとし) 氏。EPSONレーシングのNSXやHSVの型紙で知っている人も多いだろう。個人的には、難易度バランスの取れた設計というか、ディテールよりも製作難易度を下げるほうに振った設計をする印象の人である。わかりやすいところではタイヤとアンダートレイ部分の設計が特徴的で、氏の作品とわかるのだが、他にもパーツの割り方や配置の仕方を見れば一目瞭然である。上記のEPSONの型紙と見比べられたい。篠崎氏設計のキットといえば、EPSON以外ではお台場のシェル関連施設で販売していたという20スケールのフェラーリF2004の型紙が連想される。F2004のほうは、ぼくはネットで見たことがあるというだけだが、どうやら現在絶版になっていてプレミア級のブツらしい。コレクターズモデルやプラモデルに比べるとあまりにマニアック過ぎて、結局あまり売れなかったということか…。    
   
   
RIMG0053型紙上に指示文が書いてあるところが見えるが、説明図も含めすべて英文表記である。モデラーが作りたいときにプリントアウトするタイプではなく、紙ごと提供されるタイプの型紙なので、欲を言えば窓をクリアパーツ化して内装まで再現とか、そういうマルチメディアキット的な展開をしても良かったと思うのだが (そういう方向性のモデルを自分で用意するとなるとかなり手間である)、コスト的に難しかったのだろうし、篠崎氏がそういう超精密なモデル設計に慣れているとも思えないので致し方ない。そういえば以前海外キットで、OHPシートのクリアウィンドウや内装パーツ一式、アンテナ用のワイヤーなどがふんだんに奢られたアストンDBR1-2の18スケール超精密豪華キットを見たことがあったが、かなり高価であった (しかし同縮尺のプラモデルに比べればずいぶん安い)。    
   
   
ところで、その後気になってこのキットについて調べてみたら、こんなページを見つけた (作例の情けなすぎる出来具合が気になって仕方ない…)。オリエントの公式ではなさそうだが、ようするに「スバルBRZとインプレッサN24に搭載されたモデルの時計を買ったら、抽選でこのキットをプレゼントしますよ」ということらしい。抽選というのがまたミソで、要するに高い金を出して (オリエントのレース用モデルがいくらなのか調べてないが、相当お高いはずである) 時計を買ってやっても、必ずもらえるわけではないのである。これはかなりのレア物のはずだ。別に誰も欲しがりはしないだろうから案外簡単に手に入るのでは、というツッコミをした者は銃殺刑である。    
   
…と思ったら、個人ブログだがこんな記述を見つけた。これによると、今年のオートサロンでスバルグッズを買った人にこの型紙が無料で配布されており、さらにオリエントのメンバーズクラブ向けのメールマガジンを通して先着順で配られていたのである! これはやっぱり、当初の時計店経由ではまったく捌ききれなかったということなのだろうか…。やはり紙製模型が浸透するには時間がかかりそうである。プラモデルと違って色を塗る必要がないし、昨今の石油問題で樹脂製品が軒並み原価高に苦しむ中、紙製模型はまだいろいろと良心的な存在だと思うのだが… (価格面でも然りである。ポーランドJSC社が出している1/400のウォーターライン艦船キットというのがあって、プラモデルの700スケール・ウォーターラインの倍近いサイズながら、たとえば駆逐艦島風は1200円だった。タミヤの1/350駆逐艦雪風が確か4000円ぐらいしたはずである。東欧メーカーはなぜか日本艦のラインナップも多いので、例の軍艦ゲームで艦船にハマった人など、プラモデル代わりに手を出すのも悪く無いだろう)。    
   
現在のところ、わがファクトリーでは現在進行形で組み立てているのが一台、その後ろに控えているのが一台いるので、コイツの組立はどうしても後回しにならざるを得ないが、いずれ完成したらここの記事にする予定である。最後に改めて、この友人にお礼を言いたい。彼は日本語がわかるはずがないので、ここで言っても仕方ないのだが…。    

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