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2015年4月

2015年4月30日 (木)

いまさらながら第14回MMD杯総括

だいぶ更新の間が開いてしまいました。申し訳ございません。語る言い訳もないですが、いろいろあって外出→帰宅→ツイッタァ→就寝という生活サイクルを崩せなかったわけですね。たぶん今後もこんな感じだろうとは思いますが、更新頻度についてはもうちょっと努力させていただきマス…。



本題。今回のMMD杯ですが、予選版の記事にも書きましたが自分のやりたいことばかり好き勝手やってた割には予想以上に伸びまして、前回杯につづいて第11回以来続いていた不振の流れを完全に断ち切った形です。意外と視聴者サイドにはレースカー好きな方多いのかな。一時は入賞も期待できそうな数字でしたが、けっきょく今回も審査員各位のおメガネにはかなわなかったのか、入賞はかないませんでした。しかし前回杯から引き続いての「無冠の傑作」タグ贈呈、やはり見てる人は見てるというか、とても嬉しいです。そういう行為がぼくのモチベーションの維持に大いに役立つのでありますよ。でもやっぱりつぎこそは制式な入賞をしたいですね…。

さて動画の話。コメントで「質感」の話題をしている人が多い気がしますが、モデルのこの質感はMMEで「下っ腹P」氏の「GreenerShader」をストレートほぼそのままでかけて、それだけです。出力したあとにPhotoshopで個別に色調をいじったりはしますが、それはあまり大きなファクターではないと思います。基本のエフェクトがしっかりしているから、最小限の補正で狙った効果をバッチリ引き出せるわけですね。このエフェクトファイルは特に実写合成系の絵をつくる際には個人的に手放せないと思っているものです。優秀なエフェクトです。

モデルのポージングや動きなどは、ネットや雑誌で見つけて記憶してあった構図を流用したり、自分で「こういうシーンで誰をどこに配してどういう動きを…」と妄想したりして、今回はそれをいったん簡単な絵コンテ (棒人間レベルの) にまとめてから作りました。そうすることで、ここはこういうポーズのほうが格好良いとか、現実ならもうちょっと位置をこうずらしたら良いんじゃないかとか、具体的な改良点が見えてくるわけです。意識してそうやったわけではないですが、メカニックがピットワークなどの作業をしているシーンと、観客やジャーナリストなどの部外者が車を傍観しているシーンがだいたい半分ずつぐらいになったと思います (前者のがちょっと多いかな?)。ぼくの好みとしてはモロにどっち、というのではなく、レースカーが止まっていてそのまわりに人がいる、という絵が好きなのです。それはたとえばコースインにそなえて最後の調整やドライバーへの指示といった作業に追われるメカニックであったり、はたまた今まさに車に乗り込んでたったひとりの戦いの海へ漕ぎ出さんとするドライバー、競技車両に違反や不備がないか点検する大会車検委員、あるいは秘密のベールに包まれていた最新兵器を一目見ようと接近する観客、またそれを写真におさめてスクープにしようともくろむジャーナリスト…。モータースポーツ、特にフォーミュラー・カーのレースは陸上競技のような個人競技的要素がつよいですが、やはり「走る人」とそれを「走らせる人」、その流れをそばで見る人、そういう「人の集まり」があってこそ面白いんだなぁ、とは常日頃から思っていることです。予選版の記事でも書きましたが、撮り方・見せ方はモロに戦車模型のジオラマを意識してありますので、その辺も知っている人は頭のなかで比較しながら見てみると、また別な見え方をしてくるかも知れません。

ポージングについてすこし補足します。タイヤ交換や車を押して移動するシーンなど、キャラクターが動いているシーンを止め絵で演出する際、ひじょうに参考になるアドバイスがありまして、すなわち「ふたコマ前のポーズ」を意識せよ、ということです。これは「ルパン三世 カリオストロの城」はじめ多くのアニメ作品を手がけてきたアニメーターの大塚康生氏のことばで、もともとは田宮模型が現在のMMシリーズにあたる製品で兵士の人形を製品化した際、そのできあがりのテストショットを見た氏が田宮社長に向かってつぶやいた「(ポーズが) 二コマ遅い」という台詞です (このへんのエピソードは田宮俊作著"田宮模型の仕事"に詳しい)。いま兵士が肩に小銃を構えて射撃する場面を考えると、たとえば人物に肩付け射撃のポーズをとらせて小銃をもたせた場合と、じっさいに兵士が小銃をとって射撃しているシーンとでは、同一のポーズにはなりません。射撃の際には反動がかかるので、前者のようにポーズをとらせても、どこかぎこちなく、「硬い」表情を与えてしまうのです。同様のことは、「動き」のあるシーンのおおよそすべてに対して言えることです (敵の銃火をさけてジグザグに走る兵士、部下に突撃を指示する指揮官など)。このようなシーンを止め絵の連続体であるセル・アニメで再現する際、実際にはある挙措の「瞬間」のポーズではなく、その二コマ前のポーズがもっとも躍動的に見えることを、アニメーション界の巨匠であり大掛かりなアクション・シーンの作画をことに得意とする大塚氏は知っていたのでしょう。ぼくのような止め絵専門のMMD作家にはひじょうに参考になるので、特にここに記します。この動画のポージングが氏の箴言を参考につけられていることは言うまでもありません (実際にどの程度効果をあげているかは別として)。

じつは今回の動画、これを作るのにかかったコストは撮影ブースの6000円分だけなんです。動画のために新規に買ったというモデルカーはなく、すべてぼくの個人コレクションの中から出ていますね。ブースというのもヨドバシカメラで適当に見て決めたもので、いわゆるホワイトボックスの簡易的なヤツというのか、直方体の中に白い布をたらして上から蛍光灯で照らし、中にものを入れて手軽に白バックの写真を撮ろうというグッズです。30センチ四方ぐらいのサイズで、1/43スケールなら二台ぐらいは並べて撮れるかな、というくらいのもの。1/18スケールはかなり厳しいです。これで元写真をとってPCで少々加工し合成するわけですが、いちばん神経を使ったのはモデルカーを台座からはずす作業でした。基本的にモデルカーというのは台座にネジ止めで固定されていて、これを外すにはまず透明のアクリル製ケースをとめているテープをひっぺがし (モデルをケース・台座込みで鑑賞するぼくにとってはみずからの髪を引きむしるがごとき所業!)、アクリルケースを外し、ネジをまわして外し、タイヤのゴムが一部溶けて台座にひっついている (経年変化でそうなる) のを慎重に引き剥がし…と、まるで古代遺跡から発掘された文物をあつかうが如き繊細さを要求されるのです。しかもそれを数十台。最近のモデルカーは外箱や台座も凝って作ってあるものが多いですが (そもそも台座から外すことを想定していないものもある)、台座にひっついたままだと絵的にいろいろ制約が生じるかと考えたので、寿命をゴリゴリ削りながら撮影の都度ぜんぶはずしました。つぎがあったら (構図上そのままでも大丈夫な絵では) 台座はそのまんまにしておきます…。

次回予定ですが、じつは次回第15回MMD杯をもってぼくの同杯参戦が10回目の大台に乗ります (同時に入賞への連敗記録も大台に…)。なのでここらでひとつ総集編というか、ベスト・アルバム的なものを予定していたのですが、今回のやりたい放題やった作品がおもいのほか好評であったので、これの続編というか、キープコンセプトでもう一本つくるかどうか考えているところです。元来ぼくのMMD杯参戦スタンスとして、「つねに発想が新しい何かを取り入れる」というのがあって、たとえばロモグラフィーだったり、写真を一度紙に焼いて撮ったり、縦構図に限定したみたり、登場キャラにこだわってみたり…。なので単純にまるきり同じ発想で二度目の動画というのは、なんだか二匹目のドジョウを露骨に狙っているような気がしてあんまり好きではないのですが、ポジティヴな反響が多く得られた以上ぼくとしても継続して好き勝手やるのをやめる理由はありません。すべては時間と手間との兼ね合いです。次回杯を一本で行くか、ひさびさに2カーエントリーとするか、ちょっと悩みどころですね。どうしても見たいという方は記事コメントはツイッタァなどで要望をくれると、作品が実際に出てくる可能性がちょっと上がります。

以下コメント返しとしたいと思います。長いので格納します。

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