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2018年8月

2018年8月30日 (木)

鈴鹿10時間レース

とりあえず生きてはいるし、特に病気や怪我や極端な困窮に陥ってもいないのですが、ブログ用のネタがないと更新間隔がこうなってしまうという好例。日常雑記みたいなことはツイッターのほうで面倒見てるので、ブログ用の文章は作画カロリーならぬ作文カロリーが高くて敷居が高いんですよね。ついでの報告でアレですが、17/6の智絵里オンリーに持ち込んだ同人誌はほぼ完売できました。ご来場いただいた皆さん、あらためてどうもありがとうございました。「ほぼ」というのは、在庫を持ち帰るのを嫌って無配同然に知ってる人たちやあまり知らない人たちに譲渡した分がそれなりにあったためです (当日はとにかく一刻も早く家に帰ってル・マンの続きを見たかった)。当然手元に一冊も残らず、後日若干数刷り直すハメになりました。何やってんでしょうね。レース前後とも色々言われましたが、とりあえずトヨタがようやくル・マンで勝ててよかった。次は強いライバルがいっぱいいる状況で熱烈な死闘を演じた末に勝ってもらいたいものですね (贅沢な!)。

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実は先日の鈴鹿10時間レースに行っていたのでした。それまで「鈴鹿1000kmレース」として親しまれた伝統の一戦を、今年から10時間の時間制レースにして、ついでに海外から有力チームをいっぱい (本当にいっぱい呼ぶつもりだったかは分らん) 招聘しよう、そうすると必然的にフォーマットはGT3カー・レースだな! てなノリで、多分バイクの方の鈴鹿8耐をかなり意識していたんでしょうね。10時間という微妙な時間設定の理由は、「時代が下るにつれて車が速くなり、1000kmの距離を6時間前後で走り切るようになったため (注: 1998年を最後にFIA GTの選手権から外れて以来、鈴鹿1000kmの事実上のトップ・クラスはJGTCのGT500だった)、世界戦化を機に一度レースの原点である長距離・長時間耐久に立ち返るため」と、鈴鹿サーキットの公式ツイッターで発言があったはず。


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土曜の予選開始直前にサーキットに到着。とりあえず近かった最終コーナースタンドに陣取って、ズーム最大で昔のダンロップブリッジあたりを狙った一枚。香港のKCMGのが持ち込んだNr23 ニッサンGT-R GT3、シャシーナンバーは1804-08A0のはず。今年投入されたばかりのアップデート型で、見るからに重心が高くて不安定そうだった先代よりだいぶ低くなっています。もともとブッ潰れたFIA GT世界選手権のあとをついで始まったブランパン・GTシリーズですが、今や耐久のBESにスプリントのBSS、アジア地区大会のBGTアジア (こちらはアマチュア・セミプロ中心)、欧州のアマチュア限定サポートカテゴリのBGTスポーツクラブと、戦線拡大はとどまるところを知りません。やっぱり高級時計屋はがっぽり稼いでるんでしょうかね。


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最終コーナーはフェンスもあるし、シケインを立ち上がった車がバビューンと加速していくので流すのが難しいし、正直あまりおすすめの撮影スポットじゃないです (もうちょっと上流に行ってシケイン突っ込みとかを狙うべきか)。これは全日本GTのGT300にいるムーンクラフト・エヴォーラ、いちおう往時の鈴鹿1000kmを意識してかGT300の独自規定車にも門戸を開いていたっぽいのですが、来たのはこれとアップガレージ・86MCのたった二台 (GT3カーまで広げればもう何台かいた)。古くからのJGTCファンにはおなじみの高橋一穂率いるカーズ東海ドリーム28の、マザーシャシー規定エヴォーラです。MCなのでエンジンは当然例のニッサンV8、いまのところ唯一のミッドエンジンMCですね。もとよりピレリの硬いタイヤに苦しみタイムが出ませんでしたが、日曜午前のウォームアップ中に高橋がクラッシュ。決勝レーススタート後も修理を続けるありさまでしたが、ついにピットアウトしていった時はグランドスタンドで拍手が沸き起こりました。その後も入退院を繰り返すボロボロなレースだったわけですが。


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こちらも全日本のビューワーにはおなじみゲイナーのGT-R、シャシーナンバー1805-08A0。この鈴鹿に合わせて紅白カラーに塗られ、全日本GT・GT500のホシノインパルから安田裕信が加わるなど気合が入ったオペレーション。レースでは序盤にル・マン優勝経験もある世界トップクラスのポルシェ使い、ロマン・デュマを安田が気迫で抑え込むなど見せ場を作っていました。エンジン搭載位置がかなり下がっているのが見えますが、そもそもVR38はけっこう重心が高い設計なので…。


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こっちはKCMGのNr018、シャシーナンバー1807-08A0。ゲイナーとは補助灯の位置や形状が違います。ちなみに今回は予算やイベントの都合でピット・パスは買わなかった (ピットでの公開イベントが土曜午前しかなかった) のですが、土曜夜にナイトオープンピットというのが設けられ、誰でも無料でピットエリアに入って整備風景を見学することができるというものでした。写真はその時のもの。ピット作業練習をしているチームもいました。


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スタートから2時間ほどはグランドスタンド一階で観戦。ここも高いフェンスがあるので写真写りはよくないですね。前述の安田vsデュマ、ビッタビタです。この日は正午過ぎの気温が35度C、空には雲ひとつ無い晴天という過酷な状況でしたが、グラスタ1Fには当然日差しを遮るものは (自分の帽子以外) なにもない。全身をじりじり焼かれるのは気合の力と水分補給でなんとかなっても、カメラの本体が日差しで熱されて、しまいには素手で持てないくらいアツアツになってしまったのには閉口しました。よく壊れずに持ってくれたものだ。ちなみにニコン1 J2という、今となっては中古屋の常連さん的な機種です。


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すぐ近くにアップガレージの応援団が陣取っていて、黄色とブルーの86MCが通るたびにのぼり旗を振り回していました。わざわざこのレースの図柄をあしらった黄色いTシャツまで用意されていて、なかなか力が入っていましたね。途中でレースクイーンと思しき女性たちが遊びに来たりと、GT300らしい適度なユルさも。このチームも予選まではタイヤでえらく苦労しましたが、決勝レースではしっかりセッティングを合わせてきて、欧州の強豪チームを相手にほぼ互角のラップ・タイムを出したりしていました。しかも中盤からクールスーツが壊れた状態で!
GT3カーは最近どんどんモンスター化しているとはいえ、基本は市販車改造カテゴリなので、たとえばサスペンションなんかは量産車のジオメトリーほぼそのままで、車重もそれなりに重い。そういう車が、荷重をかけつつタイヤを「つぶし」ながら発熱させるのに最適化されたコンパウンドは、サスペンションも車体もレース専用設計で車重も軽いMCにはまったく合わないわけです。「表面だけ発熱して終ってしまう」「そもそも熱が入らない」「タイヤの美味しいところは全然使えない」と、ドライバーからはなかなか壮絶なコメントがきかれましたが、やはりそこは全日本のほうで初優勝も果たしたアップガレージのチーム力でなんとかしたという感じですね。86MCはコース脇で見ていても素直そうな挙動で乗りやすそうだったし、何より音がいい。16年までのLMP2エンジンがちょうどこのV8 (ニッサン・VK45DE。MC用はもちろんニッサンバッジはついていない) でしたが、ああいう感じの乾いた爆音です。こいつの音聞いちゃうと、GT3カーのエンジンなんて蚊の鳴くようなもんですよ、ええ。

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イギリスのガレージ59が持ち込んだマクラーレン650S GT3。これまでメーカー・カラーのオレンジ主体でしたが今季から突如油彩画みたいなハジけた塗装に。カラーリングは大好きだったので撮りまくってやるつもりでしたが、3時間目ぐらいに130Rでベントレーとぶつかってクラッシュ、あえなくリタイヤ。グラスタから移動する間もなく消えてしまったのでありました。今年の鈴鹿で一二を争う痛恨事でございます。ちなみにこのチームのメカさんたちとは、レース後にちょっとした仰天イベントが発生していたりしましてね…。


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世界耐久を長く見ている人には懐かしい響きのストラッカ・レーシング。今回の鈴鹿には三台を持ち込んで来ました。基本はAMGのワークス・カラーそのままなんですが、ルーフとリヤウィング裏にチームのシンボルである「大文字のK」を入れているのが素敵。二位でフィニッシュしたNr43はベンツの秘蔵っ子マキシ・ゲーツにアルヴァロ・パレンテ、ストラッカが大事に育てている (?) ルイス・ウィリアムソンの布陣。パレンテとかぼくの記憶の中ではいまだにマクラーレンGTの契約ドライバーですよ。知らないうちにK-PAXのベントレーに乗ってたりベンツに派遣されて来たり、いやはやGT3界隈も人材の流動が激しいですね。


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こちらもレースの目玉、マンタイ・レーシングのポルシェ。17年のニュルブルグリンク24時間レースで登場した強烈な黄緑色の塗装そのままで日本にやってきました。GREen+yeLLOwなので「Grello」という愛称がついています。ドライバーもエース部隊と呼ぶにふさわしい陣容でしたが、終盤の自爆スピンやら何やらで12位。今回ポルシェは苦しんでいましたね。写真をよく見るとヘルメットでロマン・デュマが操縦していることが分ります。ところで、今年のニュルブルグリンク24時間レースで勝ったNr912はこれの色相反転カラーだったんですが、そいつは逆にYELLow+grEEnで「Yellee」とか呼ばれないんですかね。これ以降1コーナー外側のスタンドより撮影です。


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アップガレージ86MC。真横から見ると特異なディメンションがよく分ります。真夏の耐久仕様ということで、ボンネット上のエアアウトレットには大型フェンス、ルーフには無塗装のエアスクープ (操縦室内導風用?) が。平面形のディフューザーを後ろに伸ばして、その床面からリヤウィングを立てる処理は、たとえばCR-Z GT300なんかも取り入れていましたね。ちょっとちぐはぐな感じもしますが、ぼくはこの車のスタイルが結構好きだったりします。


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西日に向かって走るグッドスマイルAMG GT3。この赤ベースの塗装は、イギリスのramレーシングとジョイントして出走した昨年のスパ=フランコルシャン24時間レースに持ち込まれたものがベースですね。あの時は予選で小林可夢偉が車をぶっ壊して、決勝レースは灰色のワークス・カラーに塗られたスペアカー (ベンツ本社からお取り寄せ!) に、右ドアだけ移植していたのでありました (これだけやっても結果は周回遅れと接触してリタイヤだ)。このレースでは全日本GT組の一台として、ベンツのワークス・サポートを受け出走。総合5位はまぁ立派なもんだ。上の4台はぜんぶBESにレギュラーで出てる、ヨーロッパの超強豪ですからね (グルッペMとかはチームとしては違うけど、ドライバー陣営がまちがいなく確信犯)。


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8時間ぐらいトップを走り続けて優勝したグルッペMのベンツ。チーム自体は香港かどこかに籍をおいて、BGTアジアやマカオGTワールドカップとかに出ているところ。今回日本に近いからなのか、ワークスがサポートしていたのですが、ドライバーがなんとマロ・エンゲルにトリスタン・ヴォーティエにラファエレ・マルチェロ。もうそれAKKA ASPのワークス部隊そのまま連れてきたのと変わらないぞ。理由は不明ですがRX-78-2カラーでした。「GruppeM」→「GundaM」、なのかなぁ。


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初来日のキャラウェイ・コルベットGT3。ドイツのキャラウェイ・コンペティション (95年ル・マンとかに出ていたアレそのものかは調べてないけど、アレもフランク・イェリンスキとか乗ってたし多分そうだよね?) がほぼ手作業でつくったGT3カーを、おそらく「日本の金持ってるチームが興味ありそうにしてたから、俺たちゃ金だけもらうんで車送っとくよ後はよろしく~」的なノリで、スーパーカー輸入販売業のビンゴスポーツに任せた (丸投げした?) やつ。せめてダニエル・カイルヴィッツ送ってくるなりなんなりしてほしかった。準備期間が足りてなかった割に大きなトラブルも出さず完走できたのは立派だと思う。まぁ順位はそれなり程度だったけど、ドライバーは三人とも主にPCCJ上がりのアマチュアやセミプロとあれば仕方ないですね。この車体をこの目で見られたこと自体に意義があったというか。全日本GTのGT300でレクサスを運用するLMコルサのチームクルーが、アシストメンバーとしてそれなりの数が合流していました。


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重戦車ベントレー。今年から新型になったコンチネンタルGT3の日本初上陸です。いやデカかった。この図体だけどエンジンは完全に前車軸のうしろにあって、しかもギリギリまで低く載ってる (こいつの設計は確かMスポーツのクリスチャン・ロリオーだ。あのフォーカスWRCの、と言えば通じる?) ので、正面からだとフードを開けても見えないんですよエンジンが。低重心もそうだし、図体がでかいと床面積が広くなって、その分L/D比的においしいダウンフォースが増えるので、力士が極真空手家並の立ち回りをしてくるようなことになるわけです (先代はけっこうデリケートな操縦性だったらしい)。新型はリヤウィング支柱がなんか妙で、間隔も広い (リヤフェンダーから生えている) し前後方向にやけに太い。これ内部の構造部材どうなってるのかな…。見えづらいですがテールライトも面白い形状です。


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アウディ・ワークスであるWRTのNr66。BESではNr1をつけている機体です。なんでNr66なのかは不明。ご覧の通り日の丸カラーになっていて、なんとなくワークス時代のフェニックス・レーシングっぽいですね。ドリース・ヴァントールは兄ローレンスともども初来日だったかな?

ぜんぶの車を紹介するのが目的ではないし、正直人に見せられるレベルの写真はほとんど撮れていないので、写真はこのぐらいで。10時間レースで出走35台というのはいささか少い気がするし、ヨーロッパのチームが思ったほど来ていなかったし、某チームの関係者は「先月の (注: スパ24時間のこと) は60台もいたのに…」と残念そうにこぼしていましたが、(公式には1000kmからの連番で第47回だったけど) 実質的に初開催ですからねぇ。これからでしょう、これから。クソほど暑くて普通に死を覚悟しましたが来年も行きたいです。とりあえずそこそこ良いカメラが欲しい。まわりのサーキット現地オタクがみんなカメラ沼にハマったり漬かったりしている理由がなんとなく判ったレースでした。あと冬コミは出たいです。でもいいネタがないんだよなァ。

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